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TRPGを作ろう  作者: 宮沢弘
第三章: バグ・フィックス
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23/39

バグ・フィックス2

 「仕様分析8」では、個別の判定における確率について触れました。ですが、普通のシナリオやセッションでは、判定が1回だけということはないでしょう。そこで、ここではシナリオあるいはセッションを通しての、PCあるいはプレイヤーの成功率を考えてみます。なおここではパーティ単位での成功率と考えてもらっても構いません。


 とは言っても、その推定は難しいものです。そこで、ここではこのような仮定を起きます:

  1. 1回の判定の成功率は一律90%とする。

  2. 1つのシナリオあるいはセッションにおいて、10回の判定にすべて成功

   しなければならない。


 つまり、90%の成功率で10回成功しなければシナリオあるいはセッションの目的を達成できないと仮定します。

 その場合、シナリオが達成される確率は、0.9^10 = 35% 程度となります。案外低いですね。では、90%ではなく、95%としてみましょう。すると、0.95^10 = 60%となります。まぁ、許容範囲かもしれません。

 しかし、実際のセッションでは、個々の判定の成功率が常に95%ということはありませんし、95%という成功率の判定自体珍しいでしょう。

 この違いはなにに由来するのでしょうか。

 言うまでもなく、通常、重要な判定については、プレイヤーがそれに失敗しても、リカバーするルートが存在するためです。あるPCが失敗したとしても、別のPCもその判定を行なっていいとか、ルートそのものが存在するなどにより、結局のところ確率は、シナリオにもよりますが、0.98^10 = 82% くらいかもしれません。

 では、一回の判定の成功率を 98% くらいにした方がいいのでしょうか? あきらかに、そうすることはできませんし、そんなTRPGはないでしょう。

 そこで、すこし計算方法を考えてみましょう。1人のPCが失敗しても、もう一人のPCが続けてその判定を行なえるとして考えてみましょう。ここでは、一人のPCの成功率は60%としてみます。するとこのようになります:

  0.6 + (0.4 * 0.6) = 84%

  一人め成功率 + 一人めが失敗した場合の成功率


  0.6 + (0.4 * 0.6) + (0.4 * 0.4 * 0.6)= 94%

  一人め成功率 + 一人めが失敗した場合の成功率

   + 一人め二人めが失敗した場合の成功率


 この場合、個々のPCの成功率は 60% を見込めればいいということになります。

 もちろん、プレイヤー (PC) の数が増えれば、その分 60% という見込みの成功率は、さらに低くてかまわないことになります。ですが、成功しやすいやりかたがあるという場合、60%くらいの成功率は持っていて欲しいというのは一つの目安にはなるかと思います。一回の判定における成功率を、「90%とか95%にしなければならない」という前提よりは実態に即したものと言えるでしょう。

 これは、複数のPCが連携して1つの課題をクリアするという例です。これ以外にも、先にも書いたように、失敗をリカバリする方法がシナリオに用意されていれば、さらに成功率は低くても構いません。

 「仕様分析8」では個別の判定の成功/失敗を確認しましたが、では成功率はどれくらいにしておくのがいいのかについては触れていませんでした。しかし、シナリオあるいはセッションにおいてどれくらいの判定が行なわれるかなどなど条件を見ることで、個々の成功率がおよそ 60% の成功率になって欲しいという目安が得られました。

 これは、「TRPGにおいて標準 (?) と言える成功率は 60% である」とも言えます。すべて60%以上にするか、もっと低い成功率のスキルなどなどがあっても構わないのかは、制作者のお好みとなるかもしれません。


 なおここで、基本的には “Primary” から抜き出したりした、PCを表現する基本的なエンティティの集まりを (HPなども含みます)、“Basics” と呼びましょう。すると、 “Primary” などは次のようになります。


  Basics: 能力値、基礎スキルあるいはなにかその他

  Primary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター

       が持ち得るもの

  Secondary: あらゆるキャラクターが、あるいはほぼあらゆるキャラクター

       が潜在的に持つもの、あるいは潜在的に持ち得るもの

  Primary Special: ある種のキャラクターが普通に持ち得るもの

       (「スペシャル」と書かれているエンティティ)

  Secondary Special: ある種のキャラクターが潜在的に持ち得るもの

       (「スペシャル」と書かれているエンティティ)


 ここでどのような判定を行なうのかが、重要になります。

 “Basic” のどれかが持つ成功率は、単独で 60% の成功率を持つのが良いのでしょうか? それとも “Basics” + “Primary” によって 60% の成功率を持つのが良いのでしょうか? “Primary Special” と “Primary Special” についてはどうでしょう。それのみで 60% を越えている必要があるでしょうか。それとも 「使う」という宣言のみで使え、それによるだけで成功するのでしょうか。


 以上はあくまで見込みとしての事前の概算となりますが、一応確認してみましょう。もし、 60% (あるいはそれ以下かそれ以上) 程度の成功率が確保されているでしょうか。

 なお、あらゆる判定において、PCの成功率は 60% など以上でなければならないというわけではありません。PCごとに得手不得手があるのはあたりまえの事です。

 これらを考え、エンティティの成功率を確認し、必要なら変更しましょう。


 次回は世界観の反映についてです。


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