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TRPGを作ろう  作者: 宮沢弘
第二章: 仕様分析
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仕様分析11

 セッションを通して機能するルール、あるいはシステムとして一般的であったり、古くからあるものは「ヒーロー・ポイント」でしょう。名称は違ったりする場合もあるかと思いますが、「要はヒーロー・ポイント」ということで。

 「要はヒーロー・ポイント」というのは、判定器による成功/失敗に影響を与えられるエンティティと考えます。成功/失敗だけでなく、判定器によるエフェクトの程度にも影響を与えるかもしれません。

 「ヒーロー・ポイント」も、「1点の消費で失敗していても成功にできる」というものもあれば、「何点かの消費によって、判定そのものを失敗から成功に持ち込める」というものもあります。もちろん、「ポイント」ではなく、カードを使っても、あるいは他の何かでもかまいません。

 消費だけではなく、獲得する場合もあるかもしれません。獲得する際には、上限があるかもしれず、ないかもしれません。


 「ヒーロー・ポイント」の小さな役割は、「失敗を成功にできる」というものだろうと思いますが、これはセッションを通しての役割もあります。というのも、TRPGには —— 実際のところTRPGに限りませんが —— 「ここは失敗できない」という箇所がだいたいあります。「だいたい」というのは曖昧ですが、そこで失敗しても救済ルートがきちんと用意されている場合もあるためです。

 そこで問題になるのが、「これは失敗できないところなのか?」という勘所です。そこの感覚がないと、無駄に消費して肝心のところでは使えなくなっているとか、見逃して使わないということがありえます。


 これを回避するためには、失敗した場合にはGMから「ヒーロー・ポイント」の使用を勧めるという場合もあるかと思います。逆に「ヒーロー・ポイントを本当に使うのか?」と確認することで、暗に「使わなくてもかまわない」ことを示す場合もあるかと思います。

 あるいは、どういう方法であれ、行動や判定の重要さをあらかじめGMが示すという場合もあります。

 後者ですと、たとえば日本ならおはじきを使って、判定ごとにいくつかのおはじきをGMが提示して、その数でプレイヤーに提示するとか、おはじき行動や判定ごとに積み上げて (?) 行ったり減らして行ったりによって、セッションのある範囲内においてどれくらい重要な行動や判定かを示す方法もあります。

 さらにこの後者の場合、絶対ではありませんが、セッションのある範囲の進行の程度を示すこともできます。「絶対ではない」というのは、セッションのある範囲の冒頭が、そもそも重要という場合もあるためです。この場合、おはじきを積み上げる (?) というよりも、その部分のみにおいてはGMがおはじきを何個提示するかに近いものになります。


 おはじきを積み上げて (?) 行って、セッションのある範囲の進行度合を示す方法は、別の方法にも繋がります。「セッションのある範囲」と書きましたが、その「ある範囲」を、ルールあるいはシステム上において明示する方法です。

 ここで日本のTRPGでそこそこ使われているのがステージ制だろうと思います。余談になりますが、ステージ制は日本のTRPGに独特のもののように思えます。もちろん、日本のTRPGのすべてが採用しているわけではありませんが。

 ステージ制においていくつのステージがあるかですが、2 〜 6 ステージのものがあるようです。そこで、ここでは次のものを考えてみましょう:

  1. イントロ・ステージ:

    PCに目的を提示する。

  2. 情報収集・装備獲得ステージ

    目的達成のために、PCが情報や装備を獲得する。

  3. 対決ステージ

    目的達成のためのステージ。「対決」とあるが戦闘とは限らない。

  4. エンディング・ステージ

    対決ステージ後をPC/プレイヤーに伝える。

    セッションの後処理。

    キャンペーンなら、次回予告のようなものを含む。


 あるいは「情報収集・装備獲得ステージ」と「対決ステージ」を繰り返し、次のようにもできるとしてみましょう:

  1. イントロ・ステージ:

    PCに目的を提示する。

  2. 情報収集・装備獲得ステージ

    目的達成のために、PCが情報や装備を獲得する。

  3. 中間対決ステージ

    目的達成のためのステージ。「対決」とあるが戦闘とは限らない。

    PC側は敗北したり、関連する新しい目標が与えられる

  4. 情報充実・装備充実ステージ

    敗北したことに対して、あるいは新しい目標のために情報の充実や装

    備の充実を行なう。

  5. 最終対決ステージ

    最終的な対決のステージ。「対決」とあるが戦闘とは限らない。

  6. エンディング・ステージ

    対決ステージ後をPC/プレイヤーに伝える。

    セッションの後処理。

    キャンペーンなら、次回予告のようなものを含む。


 このようにステージが明示されているなら、先の「これは失敗できないところなのか?」という勘所について、セッション全体に対してのものではなく、ステージに対しての勘所となります。ステージを明示する場合、単純に想定する物事の量が少なくなるため、セッション全体を通してのものよりも、「これは失敗できないところなのか?」という判断は容易になるかもしれません。

 また、そもそもステージ進行によって、おそらくは失敗できない度合は増していくでしょうから、それも勘所というよりも目に見えるものとしての判断材料になるかもしれません。


 ただ、このようなステージ制が必要かどうかは、個人的には疑問です。というのも、古い TRPG プレイヤー (GMも含む) にとっては、「プロップのファンクション」は常識であり、ステージとして進行が明示される必要はそもそもないからです。

 「プロップのファンクション」については、小説家になろうに投稿してある「プロット製作の参考資料になればいいなと思い」を参照してください。


 とは言え、ステージ制になんの利点もないわけでもありません。ステージが明示されることから、ステージ毎の特殊ルールを用意するということも可能ではあり、またステージ毎の特殊ルールを用意する理由にもなるからです。

 また、シナリオの進行度合を明らかにすることにもなります。もっとも、進行度合ということであれば、ステージ制ではなく、これまたおはじきを積み上げて (?) 行く方法でも明示できますが。


 セッションが成功するか失敗するかは、ルールやシステムのみで決まることではありません。また、セッションの成功/失敗と、シナリオの目的の成功/失敗は、必ずしも同じ意味ではありません。しかし、シナリオの目的をできるだけ成功するようにする方策には上記のようなものがあります。もっとも、最終的には「ヒーロー・ポイント」に帰結するわけですが。付け加えるなら「プロップのファンクション」のような知識にも帰結しますが。

 このあたりをどう組み込むかは、検討してみてもいいでしょう。


 なんであれ、ルールにしたりシステムにすると処理は明確になりますが、その分の制約がかかってきたりもします。次回からはそれらについても含め、すでに一回触れていることではありますがバグ・フィックス、要はテスト・プレイの話になります。


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