閑話_異世界転移以外でも白くだだっ広い空間は割と使われている
三話ウェーイッ! 書き溜めコレで無くなったぜウェーイ! ウェーイwww
特定条件を満たした為閑話を開始します。尚、本文を読んでもストーリーに全く関係ありません。
「――え……」
――声が、聞こえる。
「ねぇってば……もう、ちゃんと聞いてる? タクロー?」
気がつけば白い空間に居た。目の前には見慣れた『少女』ただ一人。おいおい俺は最近流行りの異世界転移でもしちまうのか?
「まーたそんな現実逃避してぇ、私の事いっつも無視するんだから。」
目の前の『少女』はぷぅっと頬を膨らませた。一般的な男子であれば可愛いと感じるのであろうが、俺は『目の前の存在』にそんな感情を抱く事は出来なかった。
「黙れ、そもそも此処は俺の夢の中だし『お前』は『アイツ』じゃねえ。『アイツ』は俺の存在を『忘れた』んだ。」
「そうだね、現実的に考えれば『私』は『あの娘』じゃない。でも、もし本物だったら?」
目の前の『少女』はあっさりと俺の言葉を肯定しつつもニヤリと笑う。その様子に俺は思わず舌打ちをした。
「煩え、何度も言ってるが『アイツ』は――俺の知ってる『☓☓☓』はお前の様な喋り方はしねぇ。阿呆だからな。よって、お前は俺の潜在意識が作り出した只の『偶像』だ。」
「随分と固定概念に捕われてるねぇ、自分が『異常』だっていうのに。『私』が『あの事件』で成長したみたいな発想は無いのかなぁ?」
「あるわけねぇだろ。この世を代表する阿呆が『アイツ』で全世界からかい易い選手権でぶっちぎりの一位が『アイツ』だ。わかったらさっさと口を閉じろ、その姿で喋るな、俺の前から消え失せろ。」
ヤレヤレと首を振る少女の発言を俺はバッサリとブッタ切る。それが気に入らなかったのか『ヤツ』はわざとらしく項垂れブツブツ言い始める。
「どーしてこんなに嫌われたかなー。ていうか記憶の限りでは『あの娘』はそんなに頭悪くなかったというか、君が一方的にからかってただけだと思うんだけど……」
何か言っている『少女』を尻目に俺は白い空間に寝そべる。此処は既に夢の中だが、寝るのもまあ悪くないだろう。そう思い目を閉じる。
「あっ!? ちょっと寝ないでよ、此処で寝ると現実に戻っちゃうんだから!」
「おい何でそれ言わなかった。さっさと寝て俺は現実に戻らせてもらう。」
「君がそういうと思って言わなかったんだよー……ねぇほら、身体起こして……?」
『少女』は俺の体をユサユサと両手で揺らす。超ウザい。
「いつも言ってるじゃん。君が悩みを抱えてたら君の『脳』が『この空間』を生成するんだよ。起きた時にこの空間の事は『忘れてしまう』けれど、また此処に来れば思い出せる。此処は君の夢の中であり、気持ちの整理をする空間なんだよ。」
「うっせぇ、眠れねえだろ静かにしろ。」
「全く人の話を聞かないね!? 一応私も君が作り出したある種の人格なんだよ!?」
「じゃあ主人格である俺に逆らうな。以上。」
俺はそう言うと『少女』に背を向けて眠りに着いた。
「あっ、ちょっと!? ねぇ待っ――
*
ハローハローグッモーニンエブリワン? 時刻は……午前三時。オイちょっと待て、三時間も寝てねぇじゃねぇか……うっわ眠い……何でこんな時間に起きてしまったんだ俺の脳は。ふざけんなよ、たとえ夢の中で得体のしれない化物が出てきても七時までは起きるな。俺はグッスリ睡眠を取りたい。
さて、脳にちゃんと言い聞かせたし……寝るか
*
気がつけば白い空間に居た。いや何でだ。
「だから言ったじゃん! 起きたら『此処での事は忘れてしまう』し、君が『悩みを抱えてるからこの空間が生成される』って!!」
「ふざけんな、無限ループに陥るじゃねぇかこの野郎。」
俺は少女の頭を拳で挟み、グリグリとする。
「ちょっと痛い痛いっ! 素直に私と話して気持ちに整理をつけたらいいんだよ馬鹿タクローっ!!」
「テメェに相談するような悩みなんてねぇよバーカ。」
「……『シャープペンシル』、『天童 明里』、『登場人物』、『期待』……後、強いて言うなら『私』も要因に入るのかな?」
「チッ。」
煩えよ。あぁ、わかってるさそんなもん。でも今更悩んでたってしょうがねぇじゃねぇか。
「舌打ちは肯定と見なします。ほらほら手を離して。」
催促されるがまま、俺は案外素直に拳を離してしまった。やはり、どこかで『変わりたい』と思っている自分が居るのかもしれない。そんな推測が頭をよぎり、また舌打ちが出る。
「んじゃあ駄弁ろうか。天道 明里ちゃんとどう関わるか。」
「シャーペンを嫌がらせのように押し付けそこからは全面的に無視。以上。」
そう言って俺はその場に寝転ぶ。さて、問題は解決したからもう起きれるだろう。
「ちょっと〜真面目に考えなよ。君のこれからの一生を左右するかもしれないんだよ?」
「誰よりも『平凡に生き』て『つまんねぇ生活』をして『ゴミの様に死ぬ』のが俺の人生だ。」
身体を揺すってくる『少女』に向かって俺はぶっきらぼうにそう言い捨てて目を瞑る。
「……それがたとえ、『歪』で『創られたもの』だとしても?」
『少女』はやけに悲しそうな声で言った。まあ恐らくそれはフリであろうが。
「当たり前だろ、抗う術なんてねぇんだ。それが俺に与えられた『役割』であり『生き方』だ。お前……というか俺自身理解してんだろ? 不毛な自問はやめろ。」
「……『私』は『君』であるけど『君』は『私』じゃない。『私』は不安定な主人格である『君』を支える為のサポーターだからね。『私』は『君』の考えを『見れる』けど、『君』とは別の考え方をするのが『私』なんだよ。」
チラリと見た『ソイツ』の顔は、やけに哀しげな苦笑を浮かべていた。
「よくわかんねぇが一方的に頭の中覗かれて何やかんや一々物事に突っ込んでくるすっげぇ理不尽で不公平な存在がお前だって事は理解した。」
「むー……君が本当に自分を見つめ直したら、私の頭の中も覗けると思う……っていうか、『私』、なんていう別人格は生まれない筈なんだけどなぁ……」
ヤレヤレ、なんて言って『少女』はわざとらしく溜め息を吐く。
「んで、その別人格様は天道 明里と関われと?」
「そうは言っていないよ。只――」
――君の本心は、彼女に何かを期待してるんじゃないかなぁって。
んなわけねぇだろ、そう言おうとしてふと気付く。空間が……歪んでいる。目の前の少女はグチャグチャにネジ曲がり白一色だった筈の空間は大量のコーヒーでも注いだかの様に段々と黒一色に染まっていく。その事実に気付いた俺は『彼女』を呼び止めようと叫んだ。
「おいちょっと待ッ――
*
……眠い。時刻は……ハァ? 午前三時半? 何で三十分しか寝てねぇんだふざけんなちゃんと七時までは寝ろって言ったろ俺の脳のクソ野郎が、ぶっ殺すぞテメェ。いやぶっ殺したら俺も死ぬけど。
あぁ眠い……寝るか。
ブッハwww 何で笑ってんだよ私(真顔)
さて、これからもちょくちょくこんな話が出てきます。そんな駄文です。よろすく