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05.掌編、詩

言葉の海を渡りゆく


想うだけでは伝わらないから、


僕らは五十の音を繋ぎ合わせて言葉を紡ぐ。


そこへ気持ちを乗せてゆく。


ほら。今、君へ言葉を届けるよ。



でも、僕は口下手だから、


想いの全てを伝えることなど出来なくて。



でも、この世界はどうだい?


文字に溢れたこの世界。


口と耳を結ぶだけが全てじゃない。



ここでは心と手を使い、


君の瞳を通じて、言葉を、想いを届けることが出来るんだ。


そこには年齢も性別の境もない。


誰もが等しい存在で。誰もが自由で。



そして誰もが、言葉の海をそれぞれの泳ぎで渡る。


荒々しい人。ゆったりとした人。独創的な人。


誰の真似をしなくてもいい。思うがままの泳ぎでいい。


そこにはきっと、みんなが楽しむための必要最低限なルールしかない。


そうして掻き分けた軌跡は、自分だけの物語を紡いでゆくから。



一人でも多くの人に、僕の物語を知って欲しいから。


誰かの心にそれが響いて、想いを共有できたなら、


それはきっと、とても幸せなことで。


それはきっと、とても幸せなことで。



朝靄にけむる見慣れた街を見渡して、不意にそんなことを想ったんだ。


そうして今日も、これからも、言葉の海を渡りゆくだろう。


僕だけの物語を、まだ見ぬ誰かへ届けるために。



走り続ける者にこそ力は存在する。


僕の大好きなその言葉が、不意に聞こえた気がしたんだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『カフェ・ルポゼで会いましょう』の後に本作を拝読しました。帆ノ風さんの創作にかける想いを感じながら、私自身も日頃感じていることが(そして、時々忘れそうになることも)この詩の中にあるようで、…
[良い点] 活動報告で銘尾さんがこの詩にコメントをつけられたことを読んで、成程なと思いました。 御作の一ページ目を読ませて頂きましたが、筆力を持っていらっしゃる方と推察します。 ヘタに受けを狙わない、…
[良い点] 素敵な詩ですね。「言葉の海」。改めて思い知らされました。それを紡ぐのは我々書き手です。どんな海になるのか、楽しみに作品を読みたいものです。
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