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閑話 とある国の悲劇

 その日、『湖畔』国の王はある儀を執り行った。


 長らく封じてきたその儀式を行使したのは、衰退した国を立てなおす為。

 再び繁栄を得る為だ。


 国を豊かなものに変えたい。

 誰もが安心して暮らしていける国を造りたい。

 若くして玉座についた彼は、強くそう思っていた。

 

 故にあちら側に助けを求めよう。

 国政や、産業、医療、何でもいい。

 とにかく革新的な進歩をもたらす知識や技術力を取り込もう。

 そう王は考えたのだ。


「かつて世界を破滅から救ったような英雄でなくてもいい。

 役に立つのなら、子供でも、女でも、年寄りでも構わない。

 国賓として手厚く扱い、例え従わなくとも鎖に繋ぎ止めて、この国に貢献させてやろう」


 かくして異世界召喚の儀が完了した。

 床に刻まれた円環から眩い光が溢れ、辺りに耳鳴りが響き渡り、次第に収まっていく。


 だがーー。

 果たして、そこから現れたものが何であったのか。


「……?」


 王は全く理解ができなかった。

 いや『認識』できなかった、というのが正確な表現だろう。


「儀式は成功したはず⁉︎ それなのに何故、何者も現れない‼︎」


 故に、王は大いに嘆き、大いに落胆した。


 無理もないだろう。

 何故なら、あちら側から呼ばれたのは小さな虫。

 一匹の蚤だったのだから。



 数ヶ月後、『湖畔』の国は突如発生したによって、滅亡した。

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