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ほかーく‼︎

 ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎




 ボクハ女の子にフクヲ脱がされマシタ。




 俺は裸だ。何を憚ることもなく、ただ純粋に全裸だ。裸で裸な裸だったりする。




 人としての最後の一線であるパンツももぎ取られた。目の前で身動きを動けば口付けをすると脅された上で強引に。不幸中の幸いに彼女はまともな意識を保っていないのでこの件を忘れてくれるという事だけが救いであるのは間違いない。




 今の俺に残っている物は一体なんなのか。




 プライド? 羞恥心? そんなものはとうに残っていない。笑顔満面の彼女に剥ぎ取られてしまった。残っているのは濁った敗北感と事態の深刻さを受け止めきれないチャチなハートだけ。




「せめてもの抗議で何とか意識の無いチビを抱いて隠してるけど……何だこの虚しさ……」

「うーん、やっぱり一枚ずつ脱がしていくのはエロいですね」

「エロいっつーか半ば強姦まがいに脱がされた行為にエロスなんて一切無いですよ? 」

「何たって一番の驚きはレイの身体が……ぽっ」

「『ぽっ』じゃねーよ‼︎ 何人の体をマジマジと観察して顔を赤らめてんの? 」

「私、同い年の男の方の裸体を見るのは初めてですので……はあ、程良く引き締まった背筋に、幾つかに分かれ分かれしている腹筋とさりげない強調を忘れない胸筋に……」

「もういいから‼︎ そんなに本気で観察してんなった‼︎ つーかガン見じゃねーか‼︎ 」




 正直俺も我慢の限界でしたはい。体の部位についての感想を一つ一つ言われることなんて人生で一度もあるかないかの体験だぞ? とてもじゃないが耐えられない。




「いやー、悪くないものですね。このパンツ……返して欲しいですか? 」

「返してくださいお願いします」

「はやっ……土下座までするってガチですね……」




 おい……そっちこそ俺のパンツ奪っておいて一歩引くのはどうなんですか? 酷くないですか?




 ポーシャには幾ら笑われても構わない。このまま全裸待機で宴に参加し続けて他の誰かにこの場を抑えられる方がダメージは大きい。




 ポーシャのお陰で周りにいた大人達は全滅……もとい生き残りも他へ散っていてこの場は誰にも見られていない。だがそれも時間の問題で、いつ誰が様子を見にきて悲鳴を上げるか気が気でない。




「はい、どうぞ」

「え? 履いてもいいの? 」

「何ですかその言い方は……履きたくないんですか? 」

「履きたいです‼︎ 」




 急いで差し出されたパンツを受け取り、下着代わりに使っていたチビを引き渡した。ああなんて懐かしい肌触りにフィット感に涙が出そうだ。




「でも、何で返してくれたんだ? 」

「何でって……私だってそこまで鬼じゃありませんけど……返さない方が良かったですか? 」

「いえ! 返してくれた方が良いです! 」

「まあ、本音を言うなら別に目的があったんですけど……」

「別の目的? 」

「今にわかりますよっ……と、ほら来た……」

「はわわわわわ‼︎ 二人とも何してるんですか⁉︎ とゆーかお兄さんは何でパンツ一枚⁉︎ 」

「ほかーく開始‼︎ 」

「……え? 」








 ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎ ✖︎







「これがどういう事か説明してもらえますか? 」

「いや、俺にも正直何が何やら……ついて行けてないから」

「いいから服着てください‼︎ そんな格好で居られると目に毒というかなんというか……取り敢えずコレ‼︎ 」

「ダーメですよー? レイは負けるべくして負けた敗者なんですから甘んじて罰を受けないとー」

「んで、どうしてポーシャさんが顔真っ赤にしてにへらにへらしてるんですか? こんな笑顔見たことですけど……」

「色々あってな……今のポーシャはメーター振り切れてるぞ」

「ううう……嫌な予感しかしないんですけどぉ‼︎ 」

「大丈夫ですよー? 痛くはしませんから……」

「これマジでヤバいやつですよ‼︎ お兄さん‼︎ 助けてください‼︎ 」

「む、無理っす……」

「そんなぁ〜! 」




 華奢だった筈のポーシャからは予想も出来ない俊敏な動きでミハルは容易く捕獲され、何故か都合良く準備されてあった縄で雁字搦めに。




「では続きを始めましょう……」

「は? 続きって……」

「そんなもの、パッキーゲームの続きに決まってるでしょう? 」

「んなっ‼︎ お兄さん、ポーシャさんとそんな事してたんですかぁ⁉︎ 」

「あーもう‼︎ 話すと長くなるからお前は黙ってろ! 」




 怒りを露わにするミハルの口に手を当てがい黙らせると同時にポーシャへと質問を投げかける。




「やるもなにも俺は自分から負けて服を脱いだぞ? それにもう一度やれと言われても俺は直ぐに折るからな‼︎ 」

「そうですか……してくれないんですね。やっぱり自分が犠牲になる程度の罰ゲームでは生温いか……」




 ミハルも同席しているのに目の前であんな事、出来るはずがないだろうが……。てか今、不吉な言葉が聞こえてきたんですけど……?








「レイならそう言うと思いました……よっと」

「ばっ、何してんだポーシャ‼︎ 」

「はぇ? ちょ、ちょっと‼︎ 姉さん何してるんですかそこは服だってキャァァァ‼︎‼︎ 」

「勝負を盛り上げるにはやっぱり罰ゲームがないといけませんから……協力してもらいますよ生贄さん♡ 」




 

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