思い出の場所。
この作品を読もうと思って頂きありがとうございます、感謝感謝です!
実はこの作品が初めてなのですっごく不安ですがめちゃくちゃ頑張りますので応援をしてもらえれば幸いです!
俺はこの場所で昔の事を思い出していた。
この場所は中学校で遠の昔に廃校になっていて子供達の秘密基地化となっていたこの廃校の屋上で見たあの景色。
『おい!見ろよ、アレ!』
『う、わ…すげ…。』
子供ながらに初めて声が出ない程にその景色が美しく綺麗で感動したのを今でも覚えている。
夜中に家を抜け出し、夜明けと共に家にコッソリと帰る。
だがこの日だけは、蛍を見る事が目的で帰るに帰れずそのまま夜明けが来た。
もうダメだと思ったその時に沢山の光が一斉に飛び立ち、皆口をポカンと開けてその景色を見ていた。
その日は朝に帰ったんだっけか。
めちゃくちゃ親父に怒られたのを覚えている。
そんな幼くてまだまだガキだった俺ももう23歳だ。
俺は久振りに田舎に帰り、この思い出の廃校の屋上に来て寝転びながら昔の事を思い出して居た。
するとそろそろ夜明けが来るという時間にコツコツと誰かが屋上に入って来た音がした。
不思議と恐怖感も出ずに、俺は寝転んだ侭ゆっくりと頭だけを扉の方に向けて確認した。
「…お!夕人じゃねーか!」
「光か…?久振りだな!」
「いつ帰って来たんだよ、お前!」
「んー、昨日だよ。つーか、それより何でお前がこんなとこにいんだよ?」
「やー、皆考える事ァ一緒ってな。」
「はァ?言ってる事が分かんねーんだよ!」
俺はグシャグシャと光の頭を掻き乱す。
俺と光は所謂幼馴染みで小さい時からいっつも遊んでいっつも何かしらの悪さをしていた。
だが俺は高校卒業後に専門学校に行く為に光と離れた。
蛍を見たのも光と俺の2人だった。
光は俺の1番の良き理解者でもあり、双子の兄の様な奴だ。
そんな双子の兄の様な光が此処に来た理由は薄々気付いていた。
俺も光も考える事は同じで
ただただあの蛍に会いたい。
その為にもう一度此処に自然に集まって来たのだろう。
俺は光から目を逸らし夜明けが近付く空に目を移した。