兄妹&姉弟モノ。(仮) 4
書き忘れていましたが、これは短編集です。(その面影はない)
ですから、なんか中途半端な話のまま投稿されたり、急に世界観が変わったりするかもしれませんが、気にしないでください!そういうもんなんです←
そして―――文化祭、前日祭。
みんな必要以上にテンションが高かった。
+*+
前日祭は、まず、クラスのステージ発表がある。
順番はさっき決まって、私は5番目。
全部で18クラスあるから、わりと最初のほうってことだね。
よかったよかった。
無駄なプレッシャーがかからなくて済む。
「がんばってね、翡翠!」
「黎夜も全力でやれよ!」
私が着替えに向かう途中には、クラスの皆に声をかけられた。
体育館のステージ裏にくると、他のクラスの出し物がぎゅうぎゅうに並べられていた。
私たちが使う楽器もそこにあった。
さてと、着替えますかー。
―――
「―――こんな感じかな」
衣装を着てみると、ぴったし。
一回も着てなかったから、着れなかったらダメなんだけど。
「んー、いよいよだね。黎夜、がんばろーねー」
楽器の調節をしていた黎夜は、私の方に向き直った。
「お。ちゃんと衣装も似合ってるね」
今回は曲がロック系なので、衣装もそれにあわせて黒がメイン。
私も黒と赤をメインに。
むー。
自分で選んだけど―――ちょっとスカートが短い。
元々スカートは制服以外では着ないほうなので、好きではない。
スースーする。
「・・・・・・」
黎夜が無言。
というか、何かいいたそうだが何も言っていない。
「あー・・・いや・・・なんでもない」
なんだなんだ?
いつもの黎夜らしくない。
そんな言い方をされたら気になるじゃないか。
「何でもないって何ー?ちゃんと言ってー」
「だから―――本当になんでもないから」
そういう黎夜の顔は、気のせいかもしれないけど赤い気がする。
「・・・本当に?」
「・・・ああ」
かなり気になるけど、話してくれそうにないし・・・
黎夜が大丈夫だったらいいか。
「次、私たちだな」
我ながら緊張してきた。
普段はそんなじゃないのに。
やっぱ、パソコン―――じゃなくてクラスの優勝がかかってるからね。
「やるからには、最後まで全力でやろう!」
「お前も、歌詞間違えんなよ」
私の手が黎夜の手を打つ。
いざ、ステージへ―――!!
ステージ発表終了。
ほかのクラスもだったけど、私も結構いけたかな。
とりあえず、満足。
だけどそんな暇もなく。
次はすぐに『ミス・ミスターコンテスト』略して『ミスコン』の準備である。
「んじゃ黎夜、あとでね」
男子、女子で更衣室が違うのでここで黎夜と別れ、体育館入り口で会うことになった。
そして、更衣室。
中では私の衣装を準備してくれたクラスメイトが、すごく楽しそうに待っていた。
確か自分の家がファッション専門店を開いているとか言ってた。
まあ、少なくとも変な格好はさせられないだろう。
「ささ、こっちに座ってー。まずは髪型からいこうか~♪」
―――あれ?
私の気のせい?
いや、気のせいであってほしい。
ものすごく、楽しそう。
てかむしろ、黒い笑みを浮かべているような・・・―――
少々の不安を残し、私は現実から目を背けながら着替えさせられたのだった。
~30分後~
―――えーと・・・
鏡を見た感想。
まず言わせてもらおう。
これ、誰?
「キャー!!可愛い!!」
「しかも綺麗!!」
「「完璧すぎるっ!!!」」
衣装係の2人が興奮(?)している。
・・・なんで私がこんな反応をしたかというと。
今、私が着ている服。
これはきっと―――そうであってほしくないが―――世間で言う、"ウェディングドレス"・・・だと思う。
しかも、本物の純白のドレス。
ご丁寧にブーケまで生花で出来ている。
もしかして、ファッション専門店って・・・ドレス専門店ですか。
かなり予想外だった。
だがしかし。
現実から目を背けたい私は最後の足掻きをみせる。
「―――一応聞きますが・・・、今回の我がクラスのテーマは・・・?」
「「"結婚式"で~す!!」」
―――脱力。
体育館入り口。
ここまでくれば予想できない人はいないだろう。
ミスコンの出場者の中でも、私たちはかなり目立っていた。
というか、浮いている。
黎夜も、白いスーツである。
仏頂面にはちょっとミスマッチだけど、まあ、普通にしていれば似合っている。
あ~~、もう、本当、いやだ。
「―――おい、翡翠」
「んあ~、何ぃ~?」
やる気がなさすぎて、返事まで変な感じに。
「分かってるよな」
「何を―――って、あーうん。一応ねー・・・」
そうだった。
忘れていた。
実は、ミスコンはただ衣装を披露するだけではない。
それにあった仕草や、ちょっとしたパフォーマンスをしなくてはいけない。
そして私たちのその内容は、ステージに行くまでは腕を組み、ステージ上では、ブーケで隠してキスをするふりをするというもの。
いや、別にこれをやるのは問題ではないのである。
これを人前でやるというのが問題なのである。
しかも、黎夜は自分からやりはしないだろうから、私がやらなければいけない。
―――ぬあー!
めんどくさい!!
早くやって終わろう!!
こうなったらもうヤケだ!!!
『さあ、お次は2年5組の美形双子!!テーマは"結婚式"です!!』
来た。
「・・・行くよ、黎夜」
「・・・ああ」
思いのほか、文化祭編が長くなってしまいました。
文字を打っているうちに気付いたら2000字越えていてビビりました。
1500字前後でいこうと思ってたのにね。
つうことで、文化祭編は次回も続きます。