プロローグ ■ 夢 ■
※作者は創作初心者なのでそこらへんはご了承ください。
※文法などは元々よく知りませんが大体は仕様です。
(・・・・・・ここは?)
目を開けると俺はそこにいた。
「ここはいったい・・・」
俺は周りを見回した。そこには大きな、俺の数十倍はありそうな墓があった。
他には俺の後ろに続く長い階段と墓の上に浮かぶ・・・・・・巨人。
その巨人には手足がなく、全身に鎧を纏っていた。顔も兜で隠れている。
俺は前に読んだギリシャ神話の本を思い出した。
『人間は死ぬと、死後の楽園【エーリュシオン】に飛ばされる』
そこに載っていた絵が、この状況とそっくりだった。
神が眠っている大きな墓があり、それを守る大天使が墓の上に浮いている。
「ってことは、俺は死んだのか?」
いやいや、俺はちゃんと自分の部屋でいつもどうり寝たはずだ。
(寝ている間に誰かに殺された?)
でも俺は誰かの恨みをかうような真似をした覚えはない。
(・・・・・・ってことは夢か?)
そんなことを考えていると、不意に巨人が動き出した。こっちに向かってきている。
俺はうしろの階段に向かって走り出した。
夢だと思ったが俺の足は止まらなかった。巨人はさっきよりも速く、俺を逃がすまいと追ってきている。
階段に到着した俺は二段抜かしで駆け下りた。
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・・・・・・10分くらいたっただろうか。どれだけ走ったか分からないほどに、階段は長かった。
夢だからだろうか。いくら走っても息は切れない。
いつの間にか、あたり一面霧に覆われている。
俺は走ったままうしろを振り返った。霧のせいで巨人がいるかどうか分からないが、気配で分かる。俺のすぐ後ろにいる・・・・・・。
(!?)
突然霧を抜けた。
俺は落ちそうになった。階段がここでなくなっていたのだ。
眼下に広がるのは、ずっと続く深い闇・・・・・・。
後ろから、どんどん巨人の気配が近づいてくる。
(どうする?)
考えた末に・・・・・・
俺は飛び降りた。
どうしても逃げなければいけない気がしたのだ。
俺の体は重力によって深い闇に引きずり込まれていく。
俺はうしろを振り返ってみた。小さいがまだ階段が見える。
巨人の気配は・・・・・・消えていた。
「まぁ、夢だしな・・・・・・。」
俺の体は、意識とともに深い闇へと落ちていった・・・・・・。