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分水嶺

 タカは今日も西の山を見た。山を見るたび、記憶によみがえるその話を聞いたのは、いつ、誰からであったのか。タカの姉はいなくなった。幼馴染みも友だちも、だんだんいなくなっていく。つぎはタカの番なのだろうか。ある日、幼馴染みに遊びを断られ、ひとりで地面に絵を描いていたら、声を掛けられた。そして、タカの運命はがらりと変わったのだ。あの時、遊びを断られたから……。あれがタカの運命の、分水嶺だったのだ。
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