髪を切る
「髪を切る」
ただ、伸びたから。
ただ、今に飽きたから。
…
なぜ、そんなに理由が必要なんだろう。
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ずっと、理由もなく伸ばしていた髪を切った。
別に理由はない。
失恋した。とか、何か理由があるわけでもない。
今、これを書いているのも、何か理由があるわけではない。
別に、誰かに何かを言われた訳ではない。
ロングから、ボブくらいに切った。
本当に理由はない。
理由はないけど…
誰かなんか言え!!!!!!
いや明らかに違うだろうが!!!!
何かないんかい!!!!!
と、誰も何も言ってくれない空間に叫び続けている。
こう思っているだけで、気づいて欲しいと想っている人がいることに気づく。
別に誰かに気づいて欲しいわけでもなく。
一人で良いわけで。
あぁ。めんどくさいな。と自分に笑う。
「異動する時に唐突に髪を切ってきた人がいたんだよね。
”えっ。あの人どうしたの”って周りに聞いたら
”そこは気づいてあげてくださいよぉ。”
って言われちゃった。」
私は、そんなにかわいくないから、例え会えなくなる日が分かっていても、
その日を狙って切ったりしない。
こっそり、終わった後に切って、それと一緒にさよならするんだ。
だって、そうじゃないとその姿をみて
「かわいいじゃん。似合ってんね」って言ってくれた記憶も貰っちゃうでしょ。
今回は、気持ちを断つ意味で切ったんじゃなくて、切り替える為に切ったから、
「髪、切ったんですよ」って、「うん、かわいいじゃん」って言って貰おう。
これから、あなたがいなくなっても、あなたのところに私の生きている証拠が届くように、
”あの子頑張ってるみたいですよ”って届くようにするから、見ててね。っていう切り替えだから。
あと少し、近くにいてください。
あなたのいない世界でも頑張って生きるから。
今までも、何度も「この人じゃないとダメだ。」と思った。
でも、そんなことなかった。
「時薬が一番」
その通りだった。
だから、あなたと出会えたこの幸運は、他の人に会うためのステップアップでしかないんだ。
ありがとうございます。私と出会ってくれて。
育ててくれて。まだ一人前じゃないけど、でも。頑張ります。
頑張るから。安心して…は無理だと思いますが、行ってください。
先へ。
ここに、留まり続ける人じゃない。誰が見ても明白。
もっと上に。上に。
「微風さんもだよ。他を見た方がいい。」
その気持ちも受け取る。そうしたい。
他で遣える人間になるために頑張るんだ。
先に私にだけ言ってくれたその気持ちも、関係性も大切にします。
いつか、また一緒に働けるように、近くに行けるように自分を磨きます。
あなたを励みに。
ありがとう。ありがとう。
それでは、また。