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1-1 覚醒
ああ。臭い臭い屋上体育館からようやく脱出した。今度の社会のレポートはここの公害問題について書こう。早急に冷房と換気扇の増設を訴えなければならない。
そんなことを考えながらエレベーターを待っていると、後ろから背中を叩かれた。
「ねえ修」
「ん? ああ」
沖田怜。数少ない同級生だ。いつもはおろしている長い金髪を、いまは纏めてお団子にしている。
「あのさ、今日裏庭で食べようよ」
「え〜教室でよくない?」
「体育のあとの教室やだ」
「あ〜なるほど」
確かにあれ、ちょっと独特な匂いだよな。
チン、と音が鳴り、綺麗な運動でドアが開く。
「すごいよな〜、これ」
「何が?」
「MSE」
乗り込んで、閉じるを押す。
「え? なんで今更?」
「すごいことなんだよこれって。1度は滅びかけたバイオテクノロジーの結晶でさ」
「ふ〜ん」
「最近勉強したんだよ」
「へ〜」
「あんま興味なさそうだな」
「うん」
そのときだった。
下がり始めたエレベーターが急停止したのは。