表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

猫、倒れる!?

 茶々丸を猫風邪と飼育の相談で最初に動物病院に連れて行った帰りにアパートの下で大家夫人とたまたま遭遇しました。


「あら? 猫ちゃん? 見せて」


 そう言ってトイプードルを撫でながらやって来た大家夫人。当時使っていたキャリーバッグは上蓋が透明プラスチックの物だったので上から覗き込んで言いました。


「かっ……」


 か?


「可愛…いわね……」


 一瞬、止まりましたよね?

 お気を遣わせて申し訳ございません。まったく仔猫らしい可愛さを持ち合わせておらず、しかもノラっぽさ満点の卑屈な上目遣い。分かります、分かりますよ。それでも「可愛い」と絞り出した大家夫人、流石としか言いようがない。

 うちの猫は、アイドル的な可愛さが売りではないので良いんですよ。それで。

 凛々しさの中に垣間見えるちょっとしたしぐさの可愛さ、目指すは猫界の宝塚男役ですもの。

挿絵(By みてみん)

 ちょっとあのイケメン俳優に似てるわ。と思ったけど、名前が出て来ないので諦めた。

 あの人じゃない? ってお心当たりのある方は是非教えていただきたい。



 茶々丸に関する大家夫人の反応はもう一つあって、仕事帰りにアパートの下で会った時に感心した様子で話しかけられました。


「お宅の猫ちゃん全然鳴かないわねぇ」

「いえ……鳴いてますよ」

「え?」

「今も」

「??」


 何で気付くのか本当のところは分からないのですが、多分車のドアを閉める音で気付いて鳴き始めたんでしょうね。この時めっちゃ鳴いてたんですよ。

 でも、耳を澄ませても分からない様子の大家夫人。


「あの……この、びろ~んびろ~んって感じの鳴き声がうちの猫のです」

「え? これ? ……」


 絶句されてしまったので、そこでご挨拶をして部屋に入りました。

 分かります、分かりますよ。猫と言ったら「にゃー」と鳴くもんです。ましてや仔猫「みゅーみゅー」とか可愛く鳴くと思いますよね。

 そんなありきたりな鳴き声を出したりしません。うちの子は。

 これ以来、大家夫人が茶々丸の話題を出す事は一切なかった。



「びろ~ん、びろ~ん」と鳴いて私の帰宅を心待ちにしてくれる茶々丸ですが、手を洗ったりうがいをしたりしてなかなか「ただいま」が言えないでいるうちに急にピタッと静かになったりするとビックリしますよね?

 初め余りにも急に静かになったので驚いて部屋に入ってみたら、猫トイレに入ってました。

 あんまり鳴いてお腹の運動になり過ぎたのか、猫トイレに入って、片手をトイレのフチに掛けて仁王立ち。凄く難しい顔をして用を足しておりました。さすがはイケメン。


 まぁ、でも一番驚いたのは、初めて独りでお留守番させて帰って来た時ですね。

 「ミギャミギャ」言いながら私の足元をちょろちょろしていたので撫でようと手を伸ばしかけたその時。

 突然、手足をピーンと真っ直ぐに伸ばして後ろにバターンと倒れた!?

 頭が床に当たってゴチーンって音がし、もうほんと冷や汗が出るくらい驚いた。

 え? ひきつけ? 痙攣? 脳になんか問題が?

 パニクる私をよそに茶々丸は何事も無かったかのように立ち上がってスリスリし始めた。

 どうやら彼女、お腹を見せるのに寝っ転がろうとしたらしく、ただ嬉しすぎて上手にできなかったみたいでバターンといったらしい。

 何なのこの運動神経そこそこいいのにスキップできない子みたいなスキル。

 ちなみにこの癖は今でも微妙に残っていて「ミギャミギャ」言ってスリスリしては「ミギャ、ミ…ドゥフ!!」みたいになっている。



 私の帰宅時、いつも「ただいま」って部屋の戸を開けると茶々丸はすぐ前に座って待っていて……。

 そして何故か私が部屋に入るのと入れ違いに台所の方へ出て行く。

 なのに私が部屋の真ん中あたりまで進む間に戻って来て足元にスリスリし始めるので、なでなでするのですが、たまにそれを忘れてカーテンを閉めつつ隣の部屋に移動しようとすると……。

 アキレス腱を噛まれます。左右両方。

 ヤバい、確実に私の動きを封じに来てる。どこの組織の者だ!?


 まぁ、NNNなんでしょうけどもね。


 こういう猫の「ワタシが一番でしょ?」って感じのとこも可愛いなぁって思うんですけどね。


挿絵(By みてみん)

 PCとかスマホいじってると高確率で邪魔しに来ますよね。

 自分が構って欲しい時だけ限定で……。


 次回は、そんな構ってなのか、それとも分かっていてやっているのかの避妊手術のお話です。

うちの茶々丸はどうやら柳楽優弥さんに似てるらしいです(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ