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茶店の歌姫4  作者: 渋谷かな
11/20

エヘッ! 11

「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」

 おみっちゃんは茶店で看板娘としてアルバイトをしていました。

「おみっちゃん、しっかりキャンペーンも宣伝するんだよ。」

 おみっちゃんの雇い主の女将さん。

「はい! 今なら看板娘と戦って勝ったらお茶とお団子が無料ですよ! タダ!」

 茶店はキャンペーン中であった。

「私が挑戦しよう!」

 タダが嫌いな者はおらず、次々と挑戦者は現れる。

「私はのっぺらぼう! おみっちゃん! いざ! 勝負だ! タダでお茶とお団子は頂いた!」

 新しい挑戦者が現れた。

「いいですよ。お相手致しますよ。そのかわり負けたら何でも言うことを聞いてもらいますからね。エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。さりげなく恐ろしい交換条件を出す。

「くらえ! 必殺! 顔飛ばし!」

 挑戦者が必殺技で攻撃してくる。

「そんなもの! 私の歌でかき消してあげますよ!」

 おみっちゃんは歌を歌い出す。

「耳栓用意!」

 女将さんは耳栓をする。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。

「バカな!? 歌で私の攻撃がかき消された!? いったいどんな歌だよ!?」

 挑戦者はおみっちゃんの歌声に恐怖した。

「こんな歌です。エヘッ!」

 可愛い子ぶるエヘ幽霊。

「今度は私の番ですよ! 私の美しい歌を聞かせてあげましょう!」

 死の戦慄の間違いである。

「1番! おみっちゃん歌います! 曲は茶店の歌姫!」

 おみっちゃんが歌を歌い始める。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんのデスボイスは挑戦者の脳みそを破壊する殺人ソングである。

「参った! やめてくれ! 頭が割れて破裂しそうだ! 私の負けだ!」

 苦しんだ挑戦者は降参した。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌が歌えて満足の茶店の歌姫のエヘ幽霊。

「あれ? 死んでる。」

 挑戦者はおみっちゃんの歌声にあの世を見た。  

「生きてるわい!」

 ツッコむために生き返る挑戦者。

「そうですね。あなたは・・・・・・皿洗いでもしてもらいましょう。エヘッ!」

 心優しいエヘ幽霊。

「え!? そんなバカな!? どうして私が!?」

 抵抗する挑戦者。

「負けたら何でも言うことを聞いてもらう約束ですよ。エヘッ!」

 笑っていれば許されるエヘ幽霊。

「さすが茶店の看板娘だよ。イヒッ!」

 タダ働きのアルバイトが手に入って大喜びの女将さん。


「私の出番が少ないないじゃないか?」

 女将さんがクレームを入れてくる。

「仕方がありませんよ。趣を大切にすると女将さんの出番はありません。エヘッ!」

 雇い主にも笑って抵抗エヘ幽霊。

「いいのかい? あんたの給料を減らすこともできるんだよ。イヒッ!」

 守銭奴な女将さん。

「私が悪うございました! それだけはご勘弁ください! 悪代官様! うるうる・・・・・・。」

 給料が減らされることには弱いおみっちゃん。

「誰が悪代官だ! 誰が!」

 おみっちゃんの相手をする女将さんの苦労は絶えない。

「可愛いから許してください。エヘッ!」

 無敵のエヘ幽霊。


「提灯とのっぺらぼうはどちらが強いんだろうね?」

 女将さんはふと思った。

「こういう時は二人に戦ってもらいましょう。」

 おみっちゃんは歌えばデスボイスで世界征服できてしまうので、他の人に戦ってもらうことにした。

「いくぞ! 強いのは私だ!」

「かかってこい! 返り討ちにしてくれるわ!」

 こうして二人は戦うことになった。

「くらえ! 必殺! 提灯火!」

 提灯お化けは火を吐いて攻撃する。

「うそ~ん!?」

 のっぺらぼうは顔がないだけの小僧である。

「ギャアアアアアアー!」

 のっぺらぼうは倒された。

「提灯お化けの勝ち!」

 勝者は提灯お化け。

「やったー! 勝ったぞ!」

 大喜びの提灯お化け。

「悔しい! この屈辱は修行して必ず晴らしてやる!」

 復讐に燃えるのっぺらぼう。


「まあ、こうやっていけば新しい物語にはとりあえずなるよね。」

 解説の女将さん。

「そうですね。新キャラクターだけ私と戦えてピックアップ状態です。エヘッ!」

 何様的なエヘ幽霊。

「前の対戦で負けた方と戦わせて、負ければそれまで。勝てば前に買った方とも戦わせばいいんだね。」

 簡単なシステム。

「これならスマホゲームになってもガチャのキャラクターに困りませんね。エヘッ!」

 ちゃっかり課金ガチャで儲けることを考えているエヘ幽霊。

「さすがおみっちゃん。私の茶店の看板娘だよ。イヒッ!」

 銭勘定が大好きな女将さん。

「お代官様に似てきました。エヘッ!」

 まるで越後屋のエヘ幽霊。

「ワッハッハー!」

 笑いが止まらない女将さんとおみっちゃん。

「この人達と関わっていていいのだろうか?」

 身の危険を感じる提灯、唐傘、のっぺらぼうであった。それでも毎回登場してキャラクターを確立させていくことは大切なことである。


「別にこれ、新キャラクターは妖怪に拘る必要はないんだよね?」

 解説の女将さん。

「そうですね。人間でも、魔王でも、神でも、宇宙の支配者テスラ―総統でも、冷蔵庫でも何でもいいと思いますよ。」

 実況のおみっちゃん。

「一丁、強い新キャラクターを登場させて私たちの陰口を言っているあいつらを懲らしめよう。」

 女将さんは元締めである。

「へい! 親分。ガッテンだ! エヘッ!」

 子分のエヘ幽霊。


「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」

 おみっちゃんは茶店で看板娘としてアルバイトをしていました。

「おみっちゃん、しっかりキャンペーンも宣伝するんだよ。」

 おみっちゃんの雇い主の女将さん。

「はい! 今なら看板娘と戦って勝ったらお茶とお団子が無料ですよ! タダ!」

 茶店はキャンペーン中であった。

「私が挑戦しよう!」

 タダが嫌いな者はおらず、次々と挑戦者は現れる。

「私はドラゴン! おみっちゃん! いざ! 勝負だ! タダでお茶とお団子は頂いた!」

 新しい挑戦者が現れた。

「いいですよ。お相手致しますよ。そのかわり負けたら何でも言うことを聞いてもらいますからね。エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。さりげなく恐ろしい交換条件を出す。

「くらえ! 必殺! ドラゴン・ファイア!」

 挑戦者が必殺技で攻撃してくる。

「そんなもの! 私の歌でかき消してあげますよ!」

 おみっちゃんは歌を歌い出す。

「耳栓用意!」

 女将さんは耳栓をする。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。

「バカな!? 歌で私の攻撃がかき消された!? いったいどんな歌だよ!?」

 挑戦者はおみっちゃんの歌声に恐怖した。

「こんな歌です。エヘッ!」

 可愛い子ぶるエヘ幽霊。

「今度は私の番ですよ! 私の美しい歌を聞かせてあげましょう!」

 死の戦慄の間違いである。

「1番! おみっちゃん歌います! 曲は茶店の歌姫!」

 おみっちゃんが歌を歌い始める。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんのデスボイスは挑戦者の脳みそを破壊する殺人ソングである。

「参った! やめてくれ! 頭が割れて破裂しそうだ! 私の負けだ!」

 苦しんだ挑戦者は降参した。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌が歌えて満足の茶店の歌姫のエヘ幽霊。

「あれ? 死んでる。」

 挑戦者はおみっちゃんの歌声にあの世を見た。  

「生きてるわい!」

 ツッコむために生き返る挑戦者。

「そうですね。あなたは茶店でペットとして飼ってあげましょう。エヘッ!」

 心優しいエヘ幽霊。

「え!? そんなバカな!? どうして私が!?」

 抵抗する挑戦者。

「負けたら何でも言うことを聞いてもらう約束ですよ。エヘッ!」

 笑っていれば許されるエヘ幽霊。

「さすが茶店の看板娘だよ。イヒッ!」

 タダ働きのアルバイトが手に入って大喜びの女将さん。


「さあ! ドラゴンさん対のっぺらぼうさんです!」

 ドリームマッチの始まりである。

「どうみてもドラゴンの勝ちですね。ドラゴンにはのっぺらぼう、提灯と唐傘を倒して3連勝するだろうね。」

 解説の女将さん。

「とりあえずやってみましょう! エヘッ!」

 実況のおみっちゃん。

「えええ~!? どうやってドラゴンと戦うんだ!?」

 のっぺらぼうは気絶しそうだった。

「ガオー! おまえが私の相手だと? 笑わせるな。ワッハッハー!」

 もう勝ったつもりのドラゴン。

「どうする? 絶対に戦闘力では勝てない・・・・・・。考えろ。何か策はないのか?」

 作戦を考えるのっぺらぼう。

「それでは試合開始です!」

 ドリームマッチが始まる。

「先手必勝! くらえ! 必殺! 顔奪い!」

 のっぺらぼうはドラゴンの顔を奪う。

「ギャアアアアアアー! 私の顔が!?」

 ドラゴンの顔がのっぺらぼうに奪われた。

「ウギャアアアアアー! 目が見えない!? 助けてくれ!」

 ドラゴンの顔がのっぺらぼう状態になった。

「顔を返してほしければ負けを認めろ!」

 のっぺらぼうはドラゴンに脅しをかける。

「うっ・・・・・・参りました。」

 ドラゴンはのっぺらぼうに敗北した。

「やったー! 私なんかでも頭を使えばドラゴンに勝てた!」

 大喜びののっぺらぼう。

「いや~意外な結果になりましたね。女将さん。」

 実況のおみっちゃん。

「窮鼠猫を噛む。弱者でもやればできるんだね。」

 解説の女将さん。

「それでは挑戦権を獲得したのっぺらぼうさんには提灯お化けさんとの昇格をかけた戦いを行ってもらいましょう。」

 ドリームマッチは誰が勝っても続けていける恐ろしいシステムである。

「今度こそ提灯を倒す!」

 再戦に燃えるのっぺらぼう。

「まずい!? まずいぞ!? あの顔を奪うのっぺらぼうの技を破る方法を見つけなければ!?」

 鬼気迫る提灯お化け。

「それでは試合開始です!」

 始まった試合。

「先手必勝! くらえ! 提灯お化け! これが私の必殺! 顔奪いだ!」

 のっぺらぼうは提灯お化けの顔を奪おうとする。

「ギャアアアアアアー!」

 顔を奪われて提灯お化けは苦しむ。

「参りました。」

 素直に提灯お化けは負けを認めた。

「やったー! 提灯お化けにも勝ったぞ!」

 大喜びののっぺらぼう。

「いや~強いですね。のっぺらぼうさん。」

 実況のおみっちゃん。

「顔を奪うのは特殊能力ですからね。あれを破れないと誰ものっぺらぼうには勝てないだろうね。」

 解説の女将さん。

「続きましてのっぺらぼうさん対唐傘お化けさんの戦いを行います!」

 戦闘だけでこの展開力。なんて便利なシステムをあみだしたんだ。素晴らしい。

「今度こそ唐傘を倒す!」

 再戦に燃えるのっぺらぼう。

「王座は渡さん!」

 防衛戦に挑む唐傘お化け。

「ファイト!」

 試合が始まった。

「先手必勝! 顔奪い!」

 のっぺらぼうが試合開始早々に仕掛ける。

「ギャアアアアアアー!」

 唐傘お化けは顔を奪われてしまった。

「参りました。」

 あっさりと負けを認める唐傘お化け。

「やったー! 勝ったぞー!」

 大喜びののっぺらぼう。

「いや~勝っちゃいましたね。のっぺらぼうさん。」

 実況のおみっちゃん。

「おみっちゃん。出番だよ。」

 解説の女将さん。

「は~い。行ってきます~。エヘッ!」

 出陣するエヘ幽霊。

「え?」

 のっぺらぼうは目を丸くした。ただし目はない。

「ドリームマッチの優勝者には、茶店の歌姫の私と戦う権利が与えられます! エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で元気に前向きなエヘ幽霊。

「ええー!? 聞いてないよ!?」

 勝ったのもつかの間。地獄の歌姫との戦いが待ち受けていた。

「あ、あ、あ。発声練習はバッチリです。エヘッ!」

 歌う気満々のエヘ幽霊。

「こ、こ、殺される!?」

 戦わずに敵前逃亡しようとするのっぺらぼう。

「逃がしませんよ!」

 歌を歌おうとするおみっちゃん。

「耳栓用意!」

 女将さんは耳栓をする。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主であった。

「ギャアアアアアアー! 酷い音痴!? 耳が破裂しそうだ!?」

 おみっちゃんの歌声に藻掻き苦しむのっぺらぼう。

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 更におみっちゃんは歌を歌い続ける。

「参りました!? 命だけはお助け下さい!」

 降参するのっぺらぼう。

「ご清聴ありがとうございました! ああ~気持ち良かった! エヘッ!」

 大好きな歌が歌えてご満悦なエヘ幽霊。

「これじゃあ、勝っても地獄じゃないか!?」

 ドリームマッチの参加者のため息が零れる。

「きれいなオチだね。」

 呆れる女将さん。

「もっと歌を歌いたいな。エヘッ!」

 いつでも可愛いエヘ幽霊であった。

 つづく。

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