表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長く続いたネクロニカ  作者: 神坂将人
29/37

第三章 エンドパート

 戦闘の後、その場には多くの肉塊が転がり、自身の顔をしたアンデッドも無造作に置かれた機械も再び起き上がろうとする者はいなかった。


行動判定


シルヴァ(将人)出目…8 成功

アリア(ドラン)出目…9 成功

サリィ(カナリア)出目…5 失敗

リリン(ルーン)出目…6 成功

ルルナ(ジャッジ)出目…9 成功

ララ(ヴァン)出目…9 成功

ベス(NPC)出目…6 成功


サリィはまだ激しい戦闘での疲労が残っているのか、周りを見ていなかったが、他のドールはそれぞれ何かに気付いたようだ。


シルヴァとアリアが気付いたのは壊された棺桶、その中に入っていたあの少女がいなくなっていた。あの戦闘で壊された時に、落としてしまったのか、辺りを見渡すが見当たらない。だが、その棺桶に付着した少ない血痕が少女がこの中に入っていたことを証明している。


リリンとベスが気付いたのは、Wの事だった。さっきまでスピーカーから流れていた声は聞こえず、車椅子に座ったままだらりと手をぶら下げて、口も開けたまま、乾いた口からはよだれも垂れずに微動だにしない。


そして、ルルナは動かなくなった自分の母親の姿をしたアンデッドの前に座り込む。ララはその事を見ていたが、その時にそのアンデッドの指先が、ピクリと動いたことに気付く。


ララ:「ルルナ!」


突然叫んだララの声に、姉妹たちが目を向けるとルルナの腕をアンデッドが掴んでいた。


ラナ:「ル…ル…ナ……?…」


ルルナ:「ママ…?」


ラナ:「や…やっぱり…ルル……ナ…よ…ね……あ…アタシは……もう……」


母親の姿のアンデッド、ラナは先ほどまでの襲い掛かるような行動はせず、ただ目の前の娘に向けて理性の籠った眼で話しています。その姿は生前の彼女であることにルルナとララは気付いていいでしょう。ただ違うのはその肌は冷たく生きているということを感じられない容姿だけ…


ラナ:「ルルナ……ララ………ママは…もう…死んでるの…かな?」


ルルナ:「ううん…違うよ……これは…ゆめだよ……」


ラナ:「ゆ…め…?…あぁ…そうか……そう…よね……じゃあ…目が覚めたら…また……」


ルルナ:「うん…だから…大丈夫……」


ラナ:「うん…夢の中なのに…眠くなってきちゃった……ルルナ…頭を…撫でさせて……そうしたら…ママ、ぐっすり…眠れそ…う……ふたりとも………ま…また……あした……お…おやす………」


ラナは血だらけの手をルルナの頭に置いて優しく撫でるとその手はそのまま地面に落ちる。それでもまだアンデッドとして活動できる粘菌は残っている。もし、このままにすれば彼女はまた危害を加えるアンデッドとして動き続けるのかもしれない。


ララ:「ルルナ、下がって…」


ララが最後の一撃を下そうとバールを振り上げようとするが、その手をルルナが掴んで離さない。


ララ:「ルルナ!気持ちは分かるけれど、このままじゃ…!」


ルルナはそのままララから奪うようにバールを取るとそのままへたり込むように座りバール振り上げる。


「もう大丈夫、もう…痛くないから…もう…ゆっくり休めるから……だから…だ…から……ぐすっ……お……ひぅ……お……おやすみなさい………ママ……」


振り降ろされたバールの先はラナの後頭部に深々と突き刺さった。傷から流れる粘菌はアンデッドの肉眼でも視認できないがびくりと痙攣してアンデッドを形成する機能を失い死滅した。


すると、部屋の奥、ガラス窓越しにパチパチと手を叩く音が聞こえる、その音に気付いたドールたちはその音の方向へ目を向けるだろう。


???:「…まさか、有り合わせとはいえ、倒すとはね…それだけじゃなくて、俺でも出来なかった失った自我を一時的とはいえ取り戻すなんて…死の恐怖だけでなくアンデッド化の副作用さえ抑え込むほどの支えが彼女にとっての微かな自我を呼び戻したのか」


 その声の主である少女は興味深いように君たち、特にラナの方に目を向けて呟くと、Wの方に歩んでその手を取る。


???:「突然この身体に切り替わったから、まさかと思ったけど……そんなに驚きはないな…元々限界だったというのもあるけど、少し熱が入り過ぎたか…それで死ぬほどガタが来ていたということか」


アリア:「あなた、もしかしてWさんなの?」


ララ:「えっ!?」


その言葉に反応するようにルルナは武器を構える。その少女は両手をあげる。


W:「もう戦う気はないよ。それにこれには戦う武器はおろか、スペアとしても予備の予備だからね」


アリア:「何を言っている?私達を殺そうとして今更何を…!」


W:「この家は全て好きにしていい、荒らす者は排除しろ、前者は彼女の取引、後者は友人からの命令で従ってただけ、いくら俺でも負けると分かっている戦いに挑むほど愚かじゃない」


Wはパソコンを操作するとガラス窓が開き、床のパネルの一部が開きそこから階段が現れる。


W:「ついてこい、話しはそれからだ」


ドールたちは顔を見合わせてその誘いに乗るか否か、迷っていた、その先に別の刺客がいるのではないかという不安を感じて、しかしルルナは迷う素振りもなくついていく。ララはその危険を顧みない行動に慌ててその後を追う。他の姉妹たちもそれに続くように、階段を降りる。


その階段は既に切れてかけている蛍光灯が点滅を繰り返しているが、アンデッドの視力であれば、暗闇でも普段の生活と変わらずに行動できる。その階段を降り始めて30秒もしないうちにその階段は下り終える。その先の扉を開けると、そこは打ちっぱなしの床と壁に多くの工具や何かの部品が整頓された、工場のような場所だった。


そこには2人の人影があった。Wと棺桶に入れてあった少女だ、しかし、その少女は怪我もなく服も最初にあった時と変わらない姿だった。


サリィ:「これは…」


W:「それと同じものを探しているんだろう?他にもほしいものがあれば持って行って構わない。勝者は常に何かを得て敗者は何かを失うものだ。そうだろう」


ララ:「それだけじゃない、私とルルナはあなたに聞きたいことがたくさんあるの、答えてくれるよね」


W:「やれやれ、まぁ、ここにはここ数百年だれも来なかったから構わないが、何を聞きたい?」


ルルナ:「なんでママを殺してアンデッドにした…ママをあんなに!!」


W:「アンデッドにしたのはこの家を守るためだ。ここは元々君たちの家だというのはさっきの会話で始めて知った。そして、勘違いをしているようだが、君たちの母親を殺していない」


ララ:「は?でもママのアンデッドはあんたが作ったんじゃないの?」


W:「確かに彼女をアンデッドにしたのは私だ。だが、それは殺した訳ではない。いや、そもそも俺は殺したことに関与は一切していない。この事は君たちの記憶には残っていなかったか、それにアンデッドにすることには本人にも許可を取ったからな、それでの取引だというのもあるが」


ララ:「何を…自我を無くしておいて私達の記憶も消しておいて!!」


W:「早とちりは困るな、俺は君たちの存在なんて知らなかったし君たちの創造主、ネクロマンサーじゃない、俺のアンデッドは彼女を含めてこれとその棺桶に入れてあったこの子だけ、どうやら途中で姿が保てなくなって、崩れてしまったようだけどね」


アリア:「どういう事?さっきからあんたの話しはよく分からないよ」


W:「気にしないでくれ、独り言混じりの回答だよ。君たちは見ただろう?あの廃棄予定の彼女らを、ほらこの顔と彼女の顔、似ていると思わない?あの失敗作はこれらをベースにして作った死体を使わない人口アンデッドだよ。君たちがこの館で初めて見たのは発声機能をつけた唯一の成功に近づけたやつで、感覚共有をしていたけど、天然物をケチったから崩れたみたいだね。いや、それでよく一ヶ月持った方だと言うべきか…」


リリン:「つまり、こういう事?あなたはこの屋敷の主であるララ姉とルルナ姉のママと友人の命令に従っていれば何をしてもいいと言われてそれ以外には特に何も私達に関与していないって事?」


W:「まぁ、そうだな。簡潔に言うとそういうことだ。まぁ、少しそっちの関係には心当たりがあるが…その前に、そこのお姉さん、さっきの戦いで気付いたがあなた、自分以外に傷つける事にトラウマがあるようだね。少しいいかい?」


Wはそう言ってアリアに近づく、反射的にアリアは一歩後ろに下がるがWは片手を掴むとアリアの腹部に手を押し込むように触れるとそこから暖かな気持ちが湧いてくる。


アリア ハンドアウト更新

シナリオ中1回のみアドベンチャーパートで機械系のオブジェクトを調べる際、任意で大成功にすることが出来る代わりに自分以外の姉妹のパーツが合計10個以上破損状態になると任意の未練を強制的に4つにする。→シナリオ中1回のみアドベンチャーパートで機械系のオブジェクトを調べる際、任意で大成功にすることが出来る代わりに自分以外の姉妹のパーツが合計10個以上破損状態になると任意の未練に狂気点を3点自由に振り分ける。


W:「…やはり、このアンデッドの体では無くすことは出来なかったか」


アリア:「今のはなに?」


W:「少し、君のトラウマを取り払おうと思ったが、流石にこの身体だと不完全だったらしい、でも以前よりは十分に正気を保てるようになっただろう。さぁ、俺が知っていることは大体話した。これ以上は話すことは無いよ。それらを持って出てってくれる?」


リリン:「ちょ、ちょっとまったく分からない事ばかりなんだけど!!」


W:「ふむ…俺も分からない事を聞かれても答えられないが……最後にいい事を教えてやろう。戦いに勝った褒美としてな。ここから西に向かった方に小さな研究所がある、そこの地下施設に行ってみるといい。きっと面白いものや、知りたいことがあるぞ…何事もなければ、の話しだけどな」


リリン:「何なの?その言い方は…」


W:「ララとルルナ…君たちの両親の事は悪いと思っている……だが、信じてくれ、俺は……」


そこまで言うとWは奥の部屋に駆け込む、すると、そこへの扉は独りでに閉まり、継ぎ目すらも消えてしまう。開けようと武器で壊そうとする姉妹もいるが、後もつかないほどのその壁は厚く傷つかない。


アリア:「とりあえず、当初の目的は果たしたわ、これらを一通り船に持っていきましょう。そして、今は他に手がかりもないし、あの人の言っていた研究所に行ってみましょう」


アリアはそう言って素材を持って階段へ向かう。他の姉妹も同じように戻るだろう。その中でもララとルルナは終始無言で、その場を後にする。


NC:「少し長くなったがこれでエンドパートは終了だ。色々と間違いがある事と肝心なところは分からない所が多々あるが、そこは解説と反省会で話すことにしよう」

次回未定

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ