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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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最大の効果を目指す努力を

いよいよ作戦が開始され、私達は自らにできる最大限を果たすために動き始めました。


あくまで『犠牲者を出さない』ことを最大の目標としつつも、それを成し遂げるにはゴヘノヘそのものを撃破することがやはり一番確実なことももちろん承知しています。最初から完全に引き分け狙いでは、想定どおりにいかなかった時には狙いを大きく下回る結果になることもあるでしょう。


まずは最大の効果を目指す努力をし、最終的にそれには至れなくても、


『悪くても被害者が出ない』


という結果を獲得できればそれでいいのです。


ですから、口では、


「犠牲者を出さないことを目標とする」


とは言いつつも、少佐と私と伍長の三人は、ゴヘノヘの撃破を目指し、それを可能とする準備を徹底して行いました。


獣人達に行ってもらっている準備も、当然、それを目指したものです。


ただ、毎回そのつもりで挑んでいる猪人(ししじん)達はともかく、他の獣人達に『撃破を目指す』と告げると、


『そんなことは無理だ!』


と尻込みしてしまう可能性があったので、敢えて『犠牲者を出さないことを目指す』と告げたわけですね。


これらは<戦略>ということでしょうか。


ある意味では彼らを欺いているとも言えるかも知れませんが、『犠牲者を出さないようにするために』という意味では嘘は言っていません。


賞賛を浴びることになるか、罵倒されることになるか。


罵倒を浴びる時には、彼らを欺いていた点も含めて非難されるでしょう。


その覚悟はあります。


私達は、


<責任を負う立場>


ですから。




そんな私達の想いとは関係なく、獣人達は懸命に動いてくれました。彼らにとっても、ゴヘノヘの災禍を無事にやり過ごすことは悲願でしょう。だからこそ真剣にもなる。


兎の特性を持つ兎人(とじん)達には、<穴>を掘ってもらいます。そう、落とし穴そのものです。


私達のような<普通の人間>では、ちゃんとした金属製のスコップを使っても容易ではない穴掘りを、途轍もない勢いで行ってくれます。


もちろん、専用のロボットを用いればその方が早いですが、今はとても心強い。


同時に、鼠人(そじん)達による伐採も、素晴らしい働きでした。


さらに梟人(きょうじん)達と山猫人(ねこじん)達には、自分達の安全は確保しつつゴヘノヘを撹乱するためのフォーメーションの確認と同時に、哨戒に当ってもらっています。より早くゴヘノヘの接近を探知し、より適切な準備を行うためにです。


そして、山羊人(やぎじん)としては唯一参加してくれたトームも、たった一人で鼠人(そじん)が伐採し整形してくれた丸太の運搬を行ってくれました。


正直、苦役以外の何物でもなかったでしょうが、今は彼に頼るしかありません……



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