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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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ヒーローごっこ

『一度の全体の四十パーセントを超える再生を行うとクローンを作るのと変わらなくなる』


その基準がいかなる解釈の下で決められたのかは、私は法律の専門家ではないので分かりませんし、あまり突っ込んで考えようと思ったことはありません。


その辺りは、様々な思惑なども複雑に絡まり合ったことでしょうから、迂闊に首を突っ込むと藪蛇ということもあるでしょう。そして私は軍人です。軍人が法律関係に深入りするのはだいたいロクなことになりませんし。


なので、あくまで『そういうもの』としか考えないようにしています。


だからそれについてはまあ脇に置くとして、とにかく私達はあの<透明で不定形な謎の存在>については、敢えて排除しようとは考えていません。また、現実問題として排除が可能だとも思いません。


フィクションにおいてそういう怪物を排除できたりする展開があったりしますが、その多くは極めて『運頼み』で、本当にたまたま上手くいった事例について面白おかしく描いているだけなのだというのが、実際に戦場で敵と相対したことのある者としての実感ですね。


戦場においても、


『藪を突いて蛇を出す』


ことは避けるのが原則です。自分達の作戦行動から外れる位置に敵が隠れていることを察しても、それについて私達の部隊で対処するようなことは基本的にはしません。なぜなら、それぞれの部隊には、元々の作戦を遂行するための準備しかされていないんです。


その上で、たまたま偶発的に遭遇戦になってしまったような状況でもないのに余計なことを行うなど、ただの無謀というものです。だから、想定されていない敵が伏していることを察したら、その情報を持ち帰り、改めて対処する準備を行います。


別の部隊が。


だいたい、そこで無理に戦闘して私達の部隊が撃破されたら、それこそ情報を持ち帰ることもできず、結果として自軍を危険に曝すことになるじゃないですか。


それじゃ意味がないんです。


フィクションで描かれるような<英雄的行動>は、多くの場合、リスクにしかなりません。


本来なら上手くいくはずのないことが上手くいったりするから、フィクションの中ではカタルシスとして成立するのでしょう?


リアルじゃないんです。


いわゆる<主人公補正>と<御都合主義>とが組み合わさることで成立してるんですよ。そういうのは。


なのに、軍には、<ヒーロー願望>丸出しの志願者が来たりすることも少なくありません。


まったく、勘弁してもらいたいものです。


ヒーローごっこがしたいなら役者にでもなってください。


迷惑ですから。



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