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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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再度検証

その後、クレアはますます様々な知識を身に付け、二ヶ月後には、普通に店番ができるくらいになりました。


二ケタ以上の暗算となるとかなり手間取りますが、一ケタの足し算引き算くらいならできるようになっていたのです。


と言っても、算数の計算式として理解しているというよりは、単純に、品物をいくつ渡せばいくつ残るのかという現象として理解している感じでしょうか。だから桁数が増えると途端に難しくなるのでしょうね。


それでも、獣人達もほぼ同程度の理解ですので、十分です。


そこで、少佐は、


「店はビアンカとクレアに任せて、私とユキとで、一度、例の<透明で不定形の謎の存在>について調査に行ってこようと思う」


と提案してきました。


「はい、分かりました」


正直なところ、伍長の代わりに私が行きたかったのですが、クレアはともかく伍長だけで店を任せるのは不安だったので、仕方ありません。


こうして翌日、少佐と伍長はあの<透明で不定形の謎の存在>を調査するべく出掛けて行きました。


ここでせっかくなので、<透明で不定形の謎の存在>について再度検証してみます。




私達があれの接近を許したのは、すぐ近くに来るまで誰も気付かず、しかも一切のセンサーに反応しなかったからです。


あれに似た不定形の生物はすでに確認されていましたからそちらは対応済みだったにも拘らず、高性能なセンサーどころか、メイトギアさえ捉えることができなかったという事実があります。


それが何故なのか検証するためのデータがないのであくまで推測になってしまいますが、あれは、生物のように見えて実際には生物ではない可能性が考えられるでしょう。あの時点では私達が遭遇したことのない、いわば<未知の現象>そのものだったと考えるのが妥当です。


だから、センサー類はその現象を感知できなかった。そして私達自身、あれを認識できなかった。


センサーは、あくまで既知の現象を探知するものです。ゆえに、完全に未知の現象については探知できない。


しかし、すぐ近くに来たことで、透明ではありつつ光がある程度屈折している状態を認知、それが私達の脳には、


<透明な何か>


として認識されたものだと思われます。


触れた瞬間の感触は、粘液のようにも思えながらも間違いなく<液体>やそれに類する物ではありませんでした。『濡れている』というよりは、まるで非常に高密度の<煙>にでも触れたようなというのが私の印象でした。


それもあって、私達はあれを<生物>とは断定できずにいるのです。



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