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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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闘いを楽しむ

下手をすれば命にも関わりそうな闘いを楽しむというのは、私には分かりません。


まあ、それは、私自身が、引っ込み思案だった自分自身を変えたくて軍に志願したからというのもあるかもしれませんが。


闘いを楽しむというメンタリティそのものが私には元々ないのです。


対して相堂(しょうどう)伍長は、まるで、闘うこと自体が、戦い自体が、自身の存在意義そのものであるかのように求めます。


とは言え、以前はそこまでではありませんでした。ちゃんと命令には従ってましたし。


<データヒューマン>になって以降でしょうか。特に好戦的になったのは。


単に、抑えていたものが表に出てきてしまっただけかもしれませんが。


いずれにせよ、ここに来てからの彼は、ある意味では活き活きとしているのかもしれません。


もしかすると彼にとってはとても『自分らしく』いられる場所なのかもしれませんね。


付き合わされる方にとってはたまったものではないですけど。


ただ、彼の相手をしているブオゴにとっても伍長の存在は大きいものである可能性はあります。


なにしろ猪人(ししじん)という種族そのものにとっても戦って自身の強さを示すことは大きな意味を持つようなのです。


少佐もそれが分かっているから、彼に対してあまり厳しいことをいわないのだというのも分かっています。


それでも私には理解できません。


同時に、理解できなくても止めることもできないのも分かってはいるんです。


何より、今、伍長の相手をしているブオゴが彼のことを認めている。私達以上に、彼のことを理解している。


その事実があるのに、私が一方的に『認めない』というのが通らないことも分かっています。




「かあっ!!」


地面に叩きつけられそうになった伍長は、ブオゴの腕に絡みつかせていた自身の両足を解いて体を捻り、着地した瞬間に、叩きつけられそうになっていた勢いをそのまま利用してブオゴを地面に引き倒し、再び腕を極めようとします。


ですが、ブオゴも、極められそうになっていた自身の手をがっちりと掴んで極まらないようにしました。


いわゆる<格闘術>を習っていたわけでもないのに、伍長の相手をしているうちに自然と対処法を身につけたみたいですね。


すごい格闘センスです。


しかしそれも当然でしょうか。


『戦う』のはロボットに任せることで、


『人を傷付けてはいけない』


などと言いつつ、


『平和を守るため』


という大儀を掲げて人を傷付けている。という矛盾の解消を目指している私達地球人類と違って、彼らにとっては『戦う』ということ自体が日常そのものなのですから。



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