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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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大変な面も

とまあ、そういうわけで私達はここで<よろずや>を営みながら平穏に暮らしてるというわけです。


お客もなく、穏やかに時間が過ぎていくことに、私はいつしかうつらうつらと居眠りをしていました。


その時、


「あ~!」


ノーラの声でハッとなります。


「いけない…!」


私は慌ててあらかじめ用意してあったノーラの食事を持って部屋に行きました。


ノーラに食事を出しつつ、赤ん坊のオムツを替えます。


人間の赤ん坊のように大きな声で泣いたりはしないものの、オムツはすっかりウンチとおしっこで大変な状態でした。


仕方ないので、日当たりのいいところに置いてあった<ぬるい水>を使ってお風呂に。


獣人達にはまだオムツを使う習慣がないので、基本的に赤ん坊のウンチやおしっこはそのまま垂れ流しなことが多いですが、私達はさすがにそこまで割り切れないため、ノーラの赤ん坊については人間のやり方でやらせてもらいます。ノーラ自身がまともに育児をできませんので。


とは言え、湯沸かし器が完備されていてボタン一つで適温のお湯が出てくるような環境でもありませんから、完全には人間社会のそれで行くこともできません。


また、獣人達は基本的に私達人間よりも非常に頑健なので、赤ん坊を洗うのも冷たすぎる水でなければ大丈夫でした。


さすがに体を洗おうとすると、「みいみい」と泣きますが。


ノーラはその泣き声が気になるのか視線を向けつつも自分の食事を優先しています。


彼女には、『人間で言うところの発達障害がある』と言いましたが、彼女には他の山羊人(やぎじん)なら当たり前にできることができないという面があるのです。知能そのものは必ずしも低くないのに、


『言語野が未発達』


という以外にも、


山羊人(やぎじん)としての常識が理解できない』


山羊人(やぎじん)としての習慣がこなせない』


という特徴がありました。子供の面倒を見ようとしないのもその影響でしょうね。


人間の場合、


『子育てできないなら子供なんか作るな!』


と言われるところではありつつも、獣人達にはまだそこまでの分別はないようです。しかもノーラの赤ん坊の父親は、主食となる植物を求めて流浪する種族でもあり、ノーラも本来はそうなのですが、彼女にはそれについていけるだけの能力がないのです。


だからそもそもは生きていくこともできない個体だとも言えます。


しかし、獣人達の間にも、ノーラのような存在を庇おうという気持ちは芽生え始めているようです。


ただ、実際には、それを確実に行うためのノウハウが十分ではないこともあって、共倒れになりかねないというのも現実でした。


そこで私達がノーラと赤ん坊を預かり、保護しているというのもあります。



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