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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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フィクションの一ジャンル

『ここにも例の怪物が生息しててよ、どうやらそれが落雷とかの強い刺激を受けると、何かの生き物に変化するらしい。


で、それには俺達<人間>…つか、<コーネリアス号のメンバー>も含まれるってことみたいだな』


伍長のこの話が本当に事実であるなら、私達は、<遭難>どころか、人間の理解の及ばない、途方もない事に巻き込まれているということなのでしょう。


まさに、フィクションの一ジャンルとして今も人気だという、


<異世界転移>


や、


<異世界転生>


のような。


それらは、現実を基にしたフィクションを作る際に、様々な方面に対して求められる<配慮>を回避するための方便として、<異世界>という舞台が用意されるのだと聞きます。


フィクションを発表するに当ってアナウンスされる、


『この物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません』


というものをより一層確実にするために、


『現実とは何の繋がりもないまったく別の世界の話である』


として描くということですね。


何しろ、すでに外宇宙にまでその活動範囲を広げ、次々と新しい惑星を発見しては殖民を行い、自治権を得て独自の文化を築いている惑星もあるくらいなので、本当に様々な価値観や生活様式が確立されていて、それらすべてに配慮しなければいけないのですから、物語で描かれる表現や背景が問題ないものかどうかを確認するのも大変な作業になるそうです。


それが、<現実とは何の繋がりもないまったく別の世界の話>であれば、多少似ている点があったとしても、<偶然の一致>であると言えるので、労力の削減になるのだとか。


そこまでしなければいけないというのも大変だと感じます。


しかし、現実にそんなことが起こりえるなどというのは、当然、私達は想定していませんでした。


でも、今、私達が現実に巻き込まれているこれはまぎれもなく<異世界転移>や<異世界転生>に類するものでしょう。


まったく、冗談じゃありません。


ですが、現実としてそういう事態が目の前にあるのなら、それに即した対応をするしかないのも事実。


だから私も少佐も、伍長の話に真剣に耳を傾けました。彼がもたらす情報を基に対処しなければいけませんから。


その中で明かされた、彼がこの<世界>に現れたのはもう二十年以上前のことであるという点についてももう驚くに値しませんでした。そしてそこから窺えるのは、


『先ほどまで私達がいた<世界>と、<現実の世界>とでは、時間の流れそのものが違う』


ということ。


もしかするとあまりに超高精度なシミュレーションを行っていることで、リアルな時間までは同期できないのかもしれませんね。



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