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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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ナヌヘパン

ただ、<子供>とは言いましたが、実はラレアトは、体が小さいのは種族的な特徴であって、決して<幼児>というわけじゃないんですよね。地球人で言えば<中学生>くらいの感じでしょうか? 実年齢はもうすぐ十歳ということだそうですけど、獣人達の多くは十五歳くらいには<成体(おとな)>とされるとのこと。


ところでこの<ナヌヘ>。栄養価もあまり高くないのと同時に、他の果実などには含まれていることも多い、


<私達人間には消化できない成分>


が少ないんですよね。だから私達も貴重な食料の一つとして食べます。


ただ、そのまま食べるとあまりに味が単調で飽きるんですよ。


なので、それを乾燥させてすりつぶし粉にした後、パンを焼く要領で焼きます。


すると不思議なことに、そのまま食べるとまったくレーズンとは異なる系統の味なのに、微妙にレーズンパンっぽい味になるという。


たぶん、タネを熟成させるために寝かしている間に発酵し、それがレーズンっぽいフレーバー的な効果を生むのだと推測しています。


でもそうなると、


『ラレアト達の食べる分がなくならないか?』


と心配するかもしれませんが、それは大丈夫です。甘味が少なくて『ラレアト達から見て質の悪いもの』を選りすぐって原料にしてますから。その方がクセが少なくて毎日食べても飽きのこないパン?になりますから。


「ウマ~♡」


一方、美味しいナヌヘを食べられて、ラレアトは満足そうに笑顔を向けてくれました。それがまた可愛くて身悶えしそうになります♡


そのまま上機嫌で店を出ていく彼女を見送ると、今度はがっちりした体を持つ猪人(ししじん)が森の中から現れました。


猪人(ししじん)と言ってもブオゴとは別の獣人でした。名前は<バンゴ>。ブオゴの知人ですね。


でも、バンゴは、


「トトリの実とデンゲの葉、あと、ロイロイの根を頼む」


その、いかにも蛮族そうな見た目とは裏腹に、実に流暢な言葉を話し、確実に伝えてきます。


と言うのも、バンゴは<まじない師>なんです。


獣人達にとって<まじない師>は、文字通りの呪術的な力を持っているとされる存在ですが、実は知性が高く論理的な思考を求められる、ある意味では<カウンセラー>や、場合によっては<医師>のようなこともする役目でした。


医術的なことについては私達が来たことで需要は減ったらしいですが、今でも<まじない師>を頼る獣人は多く、彼自身の本音としては、


『今までは忙しすぎたからお前達が来てくれて助かった』


とも思ってるんだとか。


なので、私達のことも好意的な目で見てくれているんです。


そして今回は、<呪術的な治療>に使う原料を求めてきたということでした。


<トトリの実>


<デンゲの葉>


<ロイロイの根>


は、彼にとっては定番の<まじないの原料>ですが、これも確実に収穫するのが大変で、でもうちに来ると必ず手に入るということでご愛顧いただいてます。



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