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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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変化するメンタリティ

『関係がぎくしゃくしていった』


と言っても、よくあるドラマのように分かりやすく衝突したわけじゃありません。


いえ、厳密には、


相堂(しょうどう)伍長の言動を除けば』


ですが。ただ、彼については、少佐がいればそれほど問題ではありませんでした。攻撃的なのも、自分よりも立場が上の者に対してだけですし。


だからそれについてはそれほど気にする必要もなかったです。


もちろん、雰囲気は悪くなることもありつつ、それさえ実は、


『皆の不満を代弁してもらってガス抜きを行う』


という少佐の狙いもあったようですね。


なので、私自身は彼のことは好きではなかったものの、全体としては概ね上手くいってたと言えるでしょう。


ただ、やはり、『万事それでOK』とはいかないのも人間というものですから……


十枚(とおまい)アレクセイをリーダーとするグループと、少佐をリーダーとするグループとにおおまかに別れて、お互い、すごく余所余所しい感じになってしまったのです。


向こうのグル―プには、個人的には親しい人もいたけれど、やっぱり全体としてこういう雰囲気になってしまうと、私としてもそれを無視して親しそうにするのは気が引けてしまって……


そうして、


「これはもう、お互いに距離を置いた方がいいかもしれないね」


「ああ、それが好ましいと思う。ここの<危険>は、私達のような軍人としてのスキルを必要とするほどのものじゃないし」


十枚(とおまい)アレクセイと少佐との間でそのような合意がなされ、少佐、私、相堂(しょうどう)伍長を含む十一人が離脱することになりました。


こちらのグループには軍人も多く、サバイバル技術は高いので、新しい場所に移ってもすぐに適応できるという少佐の判断で、私達の方が出ていくことになったわけですね。


無駄にここまで築いたものの権利を主張するよりは、この方がむしろ面倒も少ないというのは私も分かります。


それに私は、少佐と一緒ならどこでも構わないんです。


……相堂(しょうどう)伍長も一緒なのは少々不満がないわけでもありませんでしたが……


まあでも、少佐でないと彼を制御できないので、あちらのグループにとっては大きすぎる負担ですし、仕方ないですね。




そんなわけで私達は二つのグループに別れたのです。


徒歩で一日分以上離れたところまで移動し、同じような湖の畔を見付けて、私達はそこに新しい拠点を設けました。


一から拠点を作り直すのは大変でしたけど、気を遣わなくて済むようになったのはむしろありがたかったかも。


しかも、少佐との距離もすごく縮まって。


少佐って、すっごいイケメンでエリートで有能で、よく完璧な人に思われがちなんですけど、実を言うと人付き合いが苦手なんですよね。


だから、人数が減って、加えて十一人それぞれが自分の家を作って、これまで以上にプライバシーが守れるようになったことで、気が楽になったみたいですね。



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