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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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慎重さが必要

『悲観していても状況は好転しない。まずはできることをするべきだと私も思う』


少佐は私達に向けてそう促し、


「なので、私と千里(せんり)、ビアンカ、ドリス、垣内、グレンの軍人チームは周辺を捜索し、危険がないかを確認。科学者・技術者チームは拠点作りをと思うのだが、どうだろう?」


提案しましたが、誰も異を唱える者はいませんでした。当然ですか。まずは状況を確認しなければ話になりませんし。


こうして私達軍人チームの六人でまずは周辺を探索。脅威のあるなしと、現時点でこの場にいる三十一人以外のメンバーの捜索。および可能であれば食料の確保を目指しました。


六人が並んで扇状に進出。百歩歩いたところで引き返し、確認できた状況を報告。今度は二百歩進んで引き返し、再び報告という形で行います。


こう聞くと非常に効率が悪いようにも感じるかもしれませんが、現状では私達自身、全裸で何一つ装備を持っていないのですから、自らの安全確保も蔑ろにはできません。リスクを低く抑え、かつ確実に情報を得るにはこの慎重さが必要なのです。


私はゆっくりと歩数を数えながら、木の枝を簡単に加工しただけの<槍>を手に、周囲を窺いつつ進みました。


裸足なので、足を怪我しないようにも気を配らなければなりません。


すると、五十歩ほど歩いたところで、とても大きな葉を持つ木に行き当たりました。<ホオバ>と呼ばれる木の葉にとても良く似たそれを見付けた瞬間、閃きます。


『これで水着みたいなものが作れるかも……!』


私は早速それの特に大きいもの二十枚ほど手に取り、歩きながら感触などを確かめてみました。


その葉の表は非常にツルツルしていて、肌触りが良く、刺激が少なく、しかも葉脈が強く、採取しようとした時にも太い糸のようなものがしっかりと繋がっていて、爪を立てたくらいでは簡単に切れませんでした。


<槍>の切っ先を当ててようやく切れるほどの強さです。これはそのまま<糸>や<紐>にも使えそうですね。


念のため、葉の一部を千切りとって肌に当てたまま、しばらく歩きます。


<パッチテスト>というものです。これによって人体にどのような影響があるかが、大まかではありますが分かります。


赤くなったりするようであればそれは少なくない<刺激>があるということであり、場合によって<毒>であることも想定されます。


そうして私は百歩進み、すぐさま帰路につきました。


そこまでで多少汗もかき、肌に貼り付けた葉っぱの欠片も貼り付いて落ちません。さらに五十歩ほど歩いたところで葉の欠片を剥がしてみましたが、まったく変化が見られませんでした。


本当はもう少し長く様子を見るべきなのだとしても、最初の感触でも刺激を感じませんでしたし、おそらく大きな影響はないだろうと判断、歩きながら葉っぱを加工し、簡単な<水着のようなもの>を作ったのでした。



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