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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第二部
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ゴヘノヘ祭り(仮)

そんなこんなで、<ゴヘノヘ祭り(仮)>の開催が決定したんですが、当然、その準備は容易ではありませんでした。


ただ、<対ゴヘノヘ用決戦兵器>の演習用の<的>の製作については早々に取り掛かることに。


ゴヘノヘを撃退するためにした様々な準備で大活躍だった鼠人(そじん)達が特に乗り気で。


なにしろ、ゴヘノヘに対する攻撃手段として用意された<杭>や<槍>は全て彼らの手によるもので、それがゴヘノヘの撃退に最も貢献したわけですから、彼らにとってはそれこそ<誇り>そのものでしょう。


鼠人(そじん)は、どうしても体が小さく、獣人達がそれこそただの<獣>と変わりなかった頃には、猪人(ししじん)梟人(きょうじん)山猫人(ねこじん)らにとっては捕食対象だった過去もあるのです。


獣人達に文明の兆しのようなものが見え始めてからは、原始的な<言語>も生まれ、それで獣人同士のコミュニケーションが複雑化。これに伴い、


『意思の疎通ができる相手を食うのはちょっと……』


という意識が芽生え、


鼠人(そじん)を獲物として襲う行為>


は廃れていったそうです。


とはいえ、


<無意識のレベルまで刻み込まれた捕食者への恐怖>


はそう簡単に拭い去れるものでもなく、特に、梟人(きょうじん)山猫人(ねこじん)らはつい数世代前まで彼らを捕食していたそうなので、鼠人(そじん)らは自分達の非力さそのものを恐れ、他の獣人らの目から隠れて生きるような暮らしをしてきたとのこと。


なのに、先のゴヘノヘ襲来の際には彼らの作った<武器>こそが<勝利の鍵>となったとも言え、それが彼らに自信と誇りをもたらし、


<物作りへの関心>


を励起したようですね。


<対ゴヘノヘ用決戦兵器>についても、部品の大半は鼠人(そじん)らの手によるものなのですから。


そして、鼠人(そじん)らに次いで先のゴヘノヘ戦で大きな働きをしたのは兎人(とじん)です。彼らの<穴掘り>の能力がなければゴヘノヘに対して有効な落とし穴は用意できなかったでしょう。


兎人(とじん)は、鼠人(そじん)に比べれば体も大きく、見た目の印象とは裏腹に力も強くて特に足の力は山猫人(ねこじん)を上回り、それを活かした強烈な<蹴り>は、まともに食らえば骨は容易く砕け内臓が破裂するレベルのものでした。


なので、鼠人(そじん)ほどは狙われはしなかったものの、やはり猪人(ししじん)山猫人(ねこじん)らのことは苦手としていたのも事実です。


加えて、<対ゴヘノヘ用決戦兵器>製造の際には、足場を組むための基礎となる柱をしっかり立てる用の穴掘りや、鼠人(そじん)ほどではないものの木の伐採や加工でも力を発揮したこともあり、非常にやる気になっていたのでした。



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