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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
102/404

プランC

<プランC>


それは、少ない情報と時間で用意できた<最後の手段>。手っ取り早く言えば<総力戦>ですね。


とは言え、軍人ではない獣人達に犠牲を強いることはできません。彼らにはあくまで支援に徹してもらいつつ、私達が戦闘を行います。


十分な情報と時間があればさらに多くの作戦の準備もできたのですが、与えられた条件の中で最大の効果を目指すのが私達軍人の役目。


加えて今回の作戦は、次回以降のゴヘノヘの襲来に備えての前哨戦の意味もあります。今回だけ何とかなればそれでいいわけではないんです。


だから私達自身も生き延びて次に備えなければいけません。


それを肝に銘じつつ、私は、<投槍器(アトラトル)>と呼ばれる、槍の投擲を容易にする器具を用いて、鼠人(そじん)達が作ってくれた木の槍を、ゴヘノヘ目掛けて放ちました。


非常に原始的な道具ですが、僅かな修練で女性や子供でも正確かつ強力な槍の投擲が可能になるという、<人間の知恵>や<発想>の妙を示す例の一つとして語られるものですね。


地球でも、氷河期の頃に大型の動物を狩る際に多く用いられたと言われています。なので、ゴヘノヘに対してはまさにうってつけでしょう。


後に弓矢や銃砲に取って代わられていきながらも、実際に使ってみると、確かに射程では弓矢や銃砲とは比べ物にならないとはいえ、この単純な構造で確実な効果を発揮することには感嘆を覚えずにいられません。


実際、ゴヘノヘの胴に刺さります。


ですが、さすがに巨大なゴヘノヘにとっては、待ち針が刺さった程度でしょうか。もちろん刺されば痛いにしても、興奮状態にある時にはそれだけではまったく大きなダメージになりません。


しかし、生物である以上、小さなダメージでも蓄積すれば、自らを守ろうとする本能が撤退を選択させる可能性は高いです。


なので、梟人(きょうじん)達と山猫人(ねこじん)達に攪乱してもらいながら、少佐と共に、森のあちこちに用意してもらった槍を次々放ちます。


するとそこに、


「うおおおおおおおおおおっっ!!!」


獣の咆哮のような声。


伍長でした。ゴヘノヘに突破された伍長と猪人(ししじん)達が追いついたのです。


すると彼は、最初の仕掛けで放ち地面に落ちていた杭を手にすると同時に、医師に『ゴリラ並みの筋力です』と言われたという自身の渾身の力を込めて、自らをカタパルトとして、あるいは弩砲として、重さ約二十キロの杭をゴヘノヘ目掛けて放ちました。


しかも、彼が杭を拾った瞬間、少佐は彼の意図を察したのでしょう、


「スクリーム!!」


梟人(きょうじん)達に向けて指示を出します。


瞬間、A班からD班までの梟人(きょうじん)全員が、


「ロロロロロロロロロローッッ!!」


一斉に声を発したのでした。



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