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獣人のよろずやさん  作者: 京衛武百十
第一部
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ゴヘノヘの脅威

「あれが…ゴヘノヘ……」


森の木々の向こうに見えた影に、私は思わず呟いていました。


「大きい……! 二十メートルはある……?」


そう。私が見たゴヘノヘは、話に聞いていた十五メートルをはるかに上回るものだったのです。


もちろん個体差はあるでしょうから別に不思議じゃないのかもしれませんが、子供の頃に見た怪獣映画さながらの、いえ、それよりもはるかに異様で例えようのない<圧>が私の体を鷲掴みにしようとするのを感じつつ、


「みんな! 練習通りに! 始めて!!」


竦んでしまいそうな自分を奮い立たせるためにも、はっきりと明確に腹から声を出します。


それでも、戦場でさえ感じたことのない空気感。


でも逆に、梟人(きょうじん)達も山猫人(ねこじん)達も、ゴヘノヘの姿を見たからこそ腹も据わったようでした。


特に山猫人(ねこじん)達は、どこか嬉しそうでさえあります。


普段は怠惰で気まぐれなところもある彼らですが、いざスイッチが入ると愉悦が勝るのも彼らの習性なのだとか。


ゴヘノヘに向かって走り、けれど、決して捕まることのない距離を保って右に左にと駆け回りました。


その姿は、まさに猫が遊んでいる時のそれ。


「ゴォアアアアーッ!!」


ゴヘノヘが咆哮を上げるとパッと飛び散り、けれどゴヘノヘが立ち止ると山猫人(ねこじん)も立ち止まり、頭だけは見事に固定して体だけを揺さぶる、猫が見せるあの動きで挑発しました。


そんな山猫人(ねこじん)達に気を取られている隙に私は距離を詰め、<罠>を作動させます。


木を目いっぱいしならせてそれをバネとし、先を尖らせた丸太を打ち出す仕掛けでした。


その場にあった五基を次々と作動させると、私の腕より太い丸太が、必殺の勢いでゴヘノヘ目掛けて打ち出されます。


いくら巨大でも相手は生物です。これが直撃すればタダではすみません。


なのにゴヘノヘは、自身に迫るそれに気付くと、前足でものの見事に二本を払い除けたのです。残りの三本は残念ながら狙いが外れました。


<恐竜>、それもTレックスと呼ばれるものによく似た姿をしたゴヘノヘですが、Tレックスの前足が非常に貧弱であったとされるのにくらべ、ゴヘノヘのそれは、フィクションに登場する<ゴジラ>と呼ばれるタイプの怪獣のそれ以上に立派で強靭なものでした。


ちなみに<ゴジラ>は、かつては特定のキャラクターに付けられた固有名詞だったそうですが、現在では<ゴジラタイプの怪獣>を指す一般名詞として使われています。


まあそれは余談として、完全に<腕>として機能し、その巨体さえ支えられるものと見えました。


時速にすれば百キロを大きく超える速度で迫ったはずの丸太を空中で払い除けるのですから、非常に強力かつ器用さも兼ね備えているのが分かります。


それだけでも恐ろしい敵であるのが分かるというものですね。



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