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人の一生は一冊の本でできている。
私達が生まれた瞬間、真っ白い1ページに文字が記入されていく。
生きているかぎり書き足されるその本は、生まれて死ぬまでの様々な出来事を綴っていく。
人間が忘れてしまう小さな出来事も全て____。
生まれた瞬間の本の厚さも人それぞれで、綴られる内容ももちろん違う。
そんな中私たち人間は、生に対して無頓着で、人の一生は無限に続いていくかのように暮らしている。
生きていることが当たり前で、死については何もわからないまま最期を迎える。
子孫を残し、死をむかえ、また子孫を残す。そんな量産型の人の一生は広い宇宙の中の地球という小さなほしで、何年も前から繰り返されてきた。
これからもかわらないサイクルで人は生き、様々な文明を気づき自分たちが暮らしやすいように生活をする。
毎日が同じような繰り返しのようで、決して平たんではない人生は、最期には本いっぱいの文字で埋め尽くされている。
私たちが一生のうちで目にすることができない一冊の本。
その真っ白で何も書かれていないページを、
ただひたすらに、
私たちは生きている。