そっちの気はないんだってぇ〜
初連日投稿、これで私も神の仲間入りといっても過言ではないはず(すいません、過言でした)
長い廊下を進み、いくつも部屋を超えたところで客室用の風呂場へと案内される。お姫様に案内されるような場所ではないよなぁ〜とか思いながら到着する。
「それでは紅鷹様どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。今の時間には他の者はいませんので
一応、外には護衛と世話係を立たせておきますので何かあれば何なりとお申し付けくださいませ。」
しばらくすると本物のメイドさんが2、3人ほどやってきた。本物という表現をするような豪華な廊下に合うようなメイドさんだった。とにかく、向こうにいるようなメイドもどきと違ってコスプレ感というか服に着られてる感が全くない。
メイド服は一般的なイメージのロングではなく、暑くなってくるためなのかミニ丈の黒を基調としたワンピースで足首や太ももがちらりと見え、白いフリルの付いたエプロンに頭にはカチューシャを付けており少し露出が多い感じだった。
(いかんいかん、気持ち悪いくらいガン見してた。特に足に目が吸い寄せられてしまった。それにしてもこっちの世界だと綺麗な人多いのか?それともメイドさんだからなのか?)
メイドは、どの人もとても整った容姿をしていた。
俺が動けないことを想定して準備してもらっていたらしい。動けなかった時はメイドさんたちに体を洗ってもらう予定だったらしい。それは人によってはご褒美かもしれないが俺は残念ながら恥ずかしさが勝るので遠慮しておいた。
ということでさっそく風呂場へと入る。靴を脱ぎ、濡れた衣服を脱衣所で脱ぎ終わり、木刀は近くに立てかけて置き風呂場へと向かう。ちなみに客室の風呂場は他にもいくつかあり種類もあるそうだ。無駄に金がかかってる。
かなりの大きさのドアを開けると、プールのような大きな浴槽、大理石と思われる作りに豪華な装飾や高価そうな石鹸やシャンプーなど今まで一番と断言していい豪華さだった。
残念ながら俺の好きな露天風呂はないようだがそれにしてもこんな風呂に入れるとは感嘆である。
広い浴槽に飛び込みたくなるのを我慢しながら体を洗う。
(やっぱり背中ぐらい流して貰えば良かったか?だが今更言うのは恥ずかしいし。そういや消毒されたのに体洗う必要あるか?)
シャワーの使いなどは地球の時とはあまり変わらないようで特に問題なく使えたというより少し便利な感じもした。
(手をかざすだけでいいのか!)
「そこにいるやつ…」
さてと浴槽に入りますかね。体を洗い終わりようやく広い浴槽に浸かろうとする。
「すまんが頭の泡で前見えなくてな、お湯出してくれると助かるんだが?」
いや、それにしても本当に広いなァー
「おーいそこにいるだろ、頼むよぉ~」
うーん、どう考えても俺の気のせいとか幻覚じゃあないな。
さっきから見ないようにしてたけどなんだこのゴツくてむさ苦しそうなおっさん。誰もいないって言ってたはずだけどなぁ。
とりあえず、流石におっさんがかわいそうなのでお湯を出してあげることにする。
「ガハハハ、いや〜助かった。ありがとよボウズ。」
「いえ、別に大したことじゃないですよ。」
何故かむさ苦しそうなおっさんと並んで風呂に浸かっている。
(マジで誰得だよこの絵面)
それにしても…弦さんに似てるな、四条さんのときといい俺の見知った顔が多いな、まさに顔だけなんだけど…なんでだ?
「ちょいと帰りが遅くなっちまっていつもの風呂場が空いてなくてな。ちょうどここが空いててな
いや〜すまんなせっかく一人だったところに。」
「はあ、まあいいですけど。」
本当はまったっくもって良くないけど言っても仕方ないのでそう答えておく。
「それにしても、ボウズ結構いい体してんな。」
「そうですか?そうは言ってもあなたに比べたらそんなでもないですよ」
確かに俺も多少はサボったりした時もあって毎日とはいかないもののそれでも向こうではかなり?鍛えていた方らしいがおっさんの体つきにはやはり劣る。
それにしても本当にすごいな。お世辞ではなく実際に40代くらいだろうおっさんの身体は2メートル直の大きさで傷やあざなどが身体中にあり腕や胸、足などどこも筋肉の塊みたいな体型をしている。
話していてもなんとも言えない雰囲気がある。間違いなく強いと断言できるような人だけどどこか親しみのある変わった人だと分析している俺の様子などお構いなくおっさんは……
「そうか?やっぱりそうだよなぁいや〜ボウズよくわかってんじゃねぇか。」
と嬉しそうに言い始めた時には後の祭りだった。
とにかく、筋肉へのこだわりやら近頃の者は鍛え方が足らんだとかなんやらで話がまー長い。のぼせるくらいには長かった。
「すんません、俺はこの辺で失礼します。」
流石にのぼせそうだったので少し無理やり話の腰を折り湯船から上がろうとする。フラフラになりながら立ち上がろうとしたところ、のぼせ気味なのに加えて浮力で浮いていた状態から重力の強さを考えていなかったため倒れる。
少し大きな音がしておっさんが駆け寄り抱きかかえるような態勢となる。
……それがいけなかった。
流石に心配になったのだろう、外からメイドさんが覗きに来たところにばったりおっさんに抱きかかえられている姿を目撃される。
「あ…お、お邪魔しました〜」
メイドさんはそう言ってそっとドアを閉めていく…
「っちょ、ちょっと待って!!頼むから待ってえええぇぇぇ!!!違うんです!!これは事故なんですぅぅぅーーっ!!!!」
紅鷹の悲痛な叫びはメイドさんに届くことはなかった……
(´༎ຶོρ༎ຶོ`)(´༎ຶོρ༎ຶོ`)(´༎ຶོρ༎ຶོ`)(´༎ຶོρ༎ຶོ`)(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
風呂から上がるとフカフカのバスタオルに新しい高そうなバスローブが用意されておりそれに着替えて風呂場から出る。おっさんは俺の様子を見て無事を確認したところでさっさと出て行った。普通にいい人なんだけだ誤解は解いておいて欲しいなぁ。
風呂場の外に待機していたメイドさんが客室用の寝室に案内してくれるらしいので付いていくことに。
案内してくれるメイドさんの距離が遠いのと少し驚いた様子を見せているのは俺の気のせいではないだろう。
(もう泣きたい)
案内された部屋は大人が4、5人は寝れるような大きな広々としたベットに作りの良い机や衣装タンスなどの家具、芸術は分からない俺でも迫力が伝わるドラゴンの絵画とその額縁、装飾などなど風呂場同様に豪華なものだった。
洗面所やトイレなどもあるようだ。
トイレは夜中に場所が分かんなくて慌てる様子が目に浮かぶ予感があったから助かった。
部屋の軽い説明を終え、朝は起こしに来ることを伝えるとそそくさと出て行ってしまった。
(もう本当に泣きたい。明日には事故だってわかってもらえるかなぁ)
気分を変えるため部屋の中を軽く見て回る。それにしてもこのドラゴンの絵すごいな。芸術に触れることはほとんどないがそんな俺でも著名な人が描いたとわかるつくりで特にこの目なんか本物みたいだ。
ファンタジー世界ではお馴染みともいえるドラゴン。このような絵画があるということはドラゴンが存在しているということだろうか?伝説上の存在としてというパータンもあり得るな。う~ん、もしいるならぜひ見てみたい。
今何時なのか分からないけどもうかなり夜遅く深夜なのだろう。カーテンの隙間から光は差し込んでいなかったしあたりの静かな様子などからそう感じる。
ポンコツ女神に召喚されていた時間を考慮しても向こうと似通った時間なのかもしれない。あのよくわからん空間だと時間の感覚がズレたりするのか?それともあいつが時間を調節してくれたり…はないな。
さて頑張って寝る準備でもしますか。それにしてもあの強そうなおっさん何者だったんだろ?まっ今はいっか。
いつもなら普通に起きている時間だが明日起きるためにも頑張って寝ようとしていたが疲れていたのかそれともベットが高級だからだろうか、以外にもすぐに眠気が襲ってきて心地よいまどろみに落ちていった。
(-。-)y-゜゜゜(-。-)y-゜゜゜(-。-)y-゜゜゜(-。-)y-゜゜゜(-。-)y-゜゜゜
「ゲーエンバート隊長どこ行ってたんですかぁ~?任務から戻ってきてるはずなのにいないから探しましたよォ」
先ほどまで異世界からの召喚者をエーデルフィア姫殿下が出迎えるということで護衛として付き添っていた騎士が近衛兵と引継ぎが終わり隊長と呼ぶ男に不平を言う。
「いや~すまんすまんちょっと返り血で気持ち悪くてな風呂行ってたんだ」
「この時間騎士用の浴場空いてましたっけ?」
「それが空いてなかったから客室用の風呂場使ってたんだよ。ついでに異世界から来たっていうやつを観察しにな」
「え~!それ大丈夫なんですか?エーデルフィア姫殿下あたりはお怒りになりそうですけど…」
噂をすればエーデルフィアが近衛兵と共に慌てた様子でやってくる。
「バートさん!紅鷹様と一緒というか勝手に入浴していたそうですね!」
「ガハハハハ、いや~やっぱバレちまったかあ。」
ゲーエンバート隊長は笑ってごまかす。エーデルフィア姫殿下にこんな軽口を叩けるのはこの国にはそうそういないだろう。
「メイドたちが言ってましたよ。紅鷹様となにやらよろしくないことやっていたそうですね!」
エーデルフィア様がやたらと機嫌の悪そうな声で怒っている。
「なあ~に少し筋肉について語っていだけさ。それにしてもあの坊主、紅鷹と言ったか?なかなか見どころのあるやつだな。少しふらついていたとは言えこちらの重力に対する適応が異様に早いな。それに今までの者と違ってやけに落ち着いている。そしてなにより、筋肉をよくわかっている!」
ゲーエンバートはふざけているようでしっかりと紅鷹を観察しているようだった。
「筋肉はよくわかりませんが……やはり紅鷹様はすばらしいですよね?こちらの重力にすぐに対応できた人なんて今までいませんしたし!あの方ならきっと…」
「まあ期待はしていいかもしれんが…んじゃ俺はもう眠いから寝るわ。姫様ももう夜遅いんだから早く寝ろよ~それじゃあとよろしく」
ゲーエンバートは部下にエーデルフィアのことを任せて眠たそうに歩いて行った。
「……」
ゲーエンバートが少し開きかけた口は開かれることはなかった。
次回の更新は明日の予定です(※あくまで予定です)




