雨夜の疑念
申し訳ありませんでしたああああorz
普通に投稿する話の順番を間違えました。
今回の話が前話「ぶっ倒れるまで頑張るぞい!!」の次話となります。
「紅鷹さ~ん、起きてくださ~い、起きないと2度と起きれられなくなりますよ~」
「ハイハイ…起きてまs……
って!なに!?2度と起きられなくなるって!?」
「あら!起きちゃいましたかぁ。残念ですぅ」
毎度のようにアリッシェさんの冗談ともつかないアラームで起こされる。今回はやたら怖い冗談だった。…可愛く言っても永眠はダメですよ!?
異世界に来たというのに人間の適応力というか慣れとというかすごいものである。もはやいつもと変わらない日常へと変化していった。ベルンハルトさんの講義を受ける。
今日の天気はあいにくと雨のようだ。雨というのはどうしても気分が下がるものだ。外に出る機会はないのだけれど、この世界で初めて見る雨はあちらとは変わりがなかった。
「さて、今日は前回できなかった話をしたいと思います」
「今日もよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。それでは早速、本題に入りましょうか。今回は『魂』というものについてお話したいと思います」
「…魂?…ですか?」
(たましい?魂ってあれだよな確か人が死んだ時に重さを計測すると21グラム減っていたことから魂の重さは21グラムだっていうやつ、あれ違うらしいんだよなぁ、35グラムってのもあるらしいし)
「なかなか、信じられないような話ですがこのアインアンダーでは、魂は極一部の者たちは実際に視覚で存在を認識できるようになりました」
「マジですか!その極一部の人たちって……」
「そうですね…いつも私の話を聞いてるだけではつまらないかと思いますので、紅鷹殿に考えてもらいましょうか、どんな人たちだと思われますか?」
ベルンハルトさん俺を試すかのように、いつもと変わらない笑みを浮かべらながら質問を投げ掛ける。
「そうですね、面白そうですし少し考えてみます」
確かにいつも聞いてばかりなので考えてみるのも面白そうだ。ってことで考えてみますか。
(さてと、イメージとかだと教会の神父やシスターとかか?いや、でも魂って神様と同じっていうわけではないしな、スピリチュアルって感じではあるけど…そもそもあの女神を信仰する奴なんているのか?それだと信仰を始めた人たちも見えるようになるってことか?それならもっと人がいても良さそうだし、う~ん)
「質問に質問で返すのは愚かなのは承知で一つ聞いてもいいですか?」
色々と考えてみて一つ思いつくことがあったのでそれを確認するために聞きたいことがあった。
「ええ、分からないことも多いでしょう。構いませんよ?」
「ありがとうございます、その見える人たちの中に異世界からの召喚者は含まれていますか?」
「ほほぅ、そうですね…回答としましては含まれることもあれば含まれないこともあります、ですね」
少し驚いたような様子を見せるベルンハルトさん。解答の核心に迫る質問だったようだ。
(なるほど、今の発言にベルンハルトさんが最初にアインアンダーではって言い方、できるようになったった、ってことを考えれば……)
「魔法を使える人たち、それもとても強い魔法師かと思うのですが…どうでしょう?」
「お見事、『ほぼ』正解でございます」
「『ほぼ』ですかぁ」
「そうですね、一応答えに至った考えを聞いてもよろしいですか?」
解説を求められたので簡単に俺の頭の中で考えた内容を説明することに。
「まぁ、説明する程のものではないのですが、まず先程の質問で異世界人も見れるということ、そしてその異世界人でも見れる人が限られるとなれば力を持った人、つまり魔法を使える人となるのではないかと考えました。付け加えてただ魔法を使えるだけならもっと数が多いと思ったのでそれならとても強い魔法師かなぁと考えたってかんじですかね」
「ほぅ、なるほどなかなか鋭い考察でした、問いの答えとしましては正確には莫大な魔力を持つ魔法師です、強いでもあながち間違えではないのですが…」
けっこう惜しい解答だったらしい。まあこれだけの情報で俺の今の知識ならこんなもんだろう。それと俺の予想だと…
「もしかしてしてですけど…ベルンハルトさんも見えたりします…?」
「いえ、確かに昔は一時期見えたこともありましたが今はもう衰えてしまい、見えないでしょう。しかし、まばゆい光を放つ球体であったのはよく覚えております」
「さ、流石っすね」
やっぱ、すげえ人なんだな。それにしても球体かあ、火の玉みたいな形ではないんだな。
「いえ、そんなすごいものでもないですよ。それと魂を見たことのある人は皆誰かが亡くなったときですね。かくいう私もそうでした」
「そうですか」
魂を見るときは人が死ぬときってことか…ハハ、おいおい、今一瞬何考えたんだよ俺やばいな、うんいったん落ち着こう。チリっと頭の中で嫌な考えが浮かぶがブンブンと頭を振ってすぐに頭を切り替える。
「どうかされましたか?」
「いえ、何でもないです」
「それでは話を続けますね、魂には不思議なことがありまして魂は人の体内に入り込むことがあるんですよ。」
「入り込む?ってどういうことです?」
「普通といえるのかわかりませんが、おそらくは魂は器である身体が役目を終えたとき体外へと顕現します。その後は天へと返ると言われています。しかし、天へと返らずにその場に残る場合があります。そのような魂が他の生きている器に入り込むことが稀にあります。」
さらにベルンハルトさんの話が続く。
「そして時間が経つと生きている器と混じりあいます。そしてその器の者、入り込まれた者はその魂の元の器の記憶や感情、情報、場合によっては魔法も受け継ぐという事例が存在します」
「それって、二重人格みたいなことになるってことですか?」
「いえ、あくまで主導権はもともとの器の魂ですから後から入り込んだ魂が大きく影響することはまずありません。しかし、魂の融合具合や親和性によっては属性魔法にも関わってくるそうで一例として属性魔法が二つもつという事例もあります」
「確かにそいつはすごいですね」
「ええ、前にもお話したと思いますが属性魔法は一人一つなっています。しかし、例外として稀に二つ持っている場合の事例の一つなのです」
「事例の一つということは、他にもあるっぽいですね」
「私の知る他の事例としましては、他の種族とのハーフの者が極稀に二つ持つことがあったということです」
ベルンハルトさんがどこか悲しむような、懐かしむような複雑な顔を一瞬みせたがすぐに何事もなかったように振舞う。
ハーフね、ここでも差別の対象とかなのかねえ…異世界と言えばハーフエルフとかってところだろうけど、もしかしたら会えるかもしれないな。少し楽しみができたと思いながら話の続きを興味深く聞く。
「そしてもう一つ魂に関係しているとされる種族が精霊族です」
「ほう、精霊ですか」
これまた、いわずもがなのものがでてきたもんだな。この世界だと、どういう位置づけにあたるのか。
「はい、この種族は魂同様見える者が限られており、魔力を持ったものでも見えたり、見えなかったり。さらには特定の形を持っているわけではないようなのでなんともまあ分からないことだらけですね。一応、種族としております。」
「へえ~そうですか」
相変わらずわからないことが多いもんだ。結局は珍しい種族ってところなのか。
「今日は以上で終わりになります。それと魔法の扱いに関して少しうまくいってないと聞きましたので、老婆心ながらアドバイスを…私の経験から申し上げるならば若いころは多少無茶しても案外大丈夫なものです、しかしくれぐれも自分のことを気にかけてくれる方々に気持ちを忘れることのないようにとだけ‥‥」
「はい、ありがとうございます」
なんともまあありがたいお言葉をいただいたものである。要するにエーデルフィア様に感謝しろって話だな。もちろん言われなくても普通にありがたいと思っていますとも。
(`д´)ゝ(`д´)ゝ(`д´)ゝ(`д´)ゝ(`д´)ゝ(`д´)ゝ
さて、昼食もとり終え魔法の訓練に向かうとしますかね。と思っていたところ急にエーデルフィア様の予定が入ったらしく、他に手の空いている人もいないということで一人で好きにしろということだった。まったく、最近の俺の扱いが目に見えて雑になってきてるな。まあ、大した変化もないから仕方のないことだが。
魔法の練習をしようかとも考えたが、最近行き詰っていることもあり久々に日課の木刀の素振りでもすることにした。
「197、198、199、200…っとお!フゥー」
こっちに来てから全然振っていなかったがなかなか衰えていないものだ、重力の影響も最近じゃすっかり忘れてるぐらいだし…
と木刀の素振りをしているところに
「おお~やっとるなあボウズ、なかなか鋭い振りしてるじゃないか」
バードのおっさんがやってきた。隊長なのは重々承知だがこの人を隊長と呼ぶのはなんか嫌だったのでおっさんに定着した。
「どうしたんです?急に現れて、仕事サボってきたんですか?」
「なんだ!ボウズ俺がそんなことする奴に見えるのか全くその逆だ、ちょうど一仕事終えて報告がてら様子を見にやってきたんだ」
なかなか面倒見がいい人だな。別に気にする必要もないけど…って言ってもありがいたいことには変わりないけどな。
「そうですか、サボりじゃないんですか。姫様にチクってやろうかと思ったんですけど」
少し恥ずかしかったのか軽口で返す。
「ハハハ残念だったな。それと聞いた話だと魔法の特訓うまくいってないらしいな?」
「そうなんですねえ~結構やばそうなんで若干焦ってはいますね、今は気分転換で木刀振ってますけど」
「そうそう、さっきも言ったがなかなか鋭かったぞ、最近の騎士たちは魔法にばかり目にいくからそういう基礎的な身体を使うことが少なくてなぁ~見習ってほしいもんだ、全くどいつも筋肉の素晴らしさがまるでわかっておらん」
「まぁ…気持ちはわからなくはないですけどね」
魔法によっては相手に全く近寄らず近寄らせずに勝つことだってできるだろう、そう考えれば身体を鍛えるよりは魔法を鍛えるという発想になるのは至極当然ともいえるだろう。俺ですらそう思うのだからこの世界ではより顕著だろう。それにしても相変わらず筋肉大好きだなこの人、属性魔法筋肉だったりしてな。
「ムッ、そういえばボウズ無属性の魔法の身体強化はやってみたか?」
「身体強化ですか?俺の場合属性魔法中心にやってたので無属性はまったくです」
本当はやってみたいとは常々思ってはいたがそんな余裕もなかったからな、途中から考えてもいなかったな。
「そうかそうか、なら一度試してはみてはどうだ?」
「えー、無属性魔法って難しいって話じゃありませんでした?」
「いやなに、俺が一度見せてやるから大丈夫だ。」
そういうとおっさんは素早く体中に魔力を分散させ、体から魔力の光を纏う姿へと変わる。見た目には全身が魔力の光に包まれているぐらいでそれほど大きな変化はないように思うが感覚的にはおっさんからすごいプレッシャーを感じる。
「よし、こんな感じだ!さあやってみろ」
「いやいや、見ただけでやれとかおかしいだろ!どうやってやるんだよ!」
「ん?おかしなこと言うなボウズ、今間近で見ただろ?このくらい、筋肉だ筋肉をイメージすればできるぞ、できなきゃできないんだろう」
(この人前から思ってたけど頭の中まで筋肉の脳筋だな、間違いない)
「ハァ〜、まぁなんとなくわかったよ、おっさんがバカなことはな」
そう不平を漏らすと自分なりのイメージで魔力を練る上げる。
(でも、イメージが筋肉ってのはあながち間違ってなさそうなんだよなぁ、身体強化なんだしそりゃあ言われなくても筋肉はイメージするわな。そうだなイメージは筋繊維の強化・肥大化、太くなった筋繊維の束をさらに全体を強化した自身のイメージで魔力を練り上げるってところか?)
「スゥゥー、ハァアアア」
息を吸い込み空気と魔力を取り込む、ゆっくりと力強く吐き出し練り上げた魔力を体全体に纏う。最後に息を力強く掃き出す。
「フッ!……あれ?もしかしてできたか?」
おっさんほどの練度はないものの先ほどのよりも体全体の力が上がったのが自分でも感じられる。とりあえず成功といっていいだろう。自分でもここまでうまくいくとは思っていなった。そのせいかあまり驚くに驚けなかった。
「おお!大した奴だ、間違いなくできてるぞ!本当にできるとは…よし、さっそくだが、とりあえず俺を殴ってみろ!」
「は!?大丈夫ですか主に頭とか、当たり前ですけどたまたまできたんで制御とか加減とかできる気がしませんよ?」
本当に何言ってんだこの人?初めてでそれもたまたまできたんだぞ。どうなるかわかったもんじゃない。
「安心しろ、こっちも身体強化を軽くかけとくから」
そう言って先ほどよりも少し弱い身体強化の魔法を自身に施すおっさん。
「本当にやるんですか?」
「おう!サッサとやれって」
「それじゃあ行きますよ?本当に大丈夫ですか?」
「おう!思いっきりこい!」
ということなのでおっさんの腹めがけて拳を放つ、流石に全力で殴ったら痛そうなので半分くらいの力で殴ることにする。
ドンッと身体強化の魔法同士がぶつかり合ったため爆発音とともにおっさんが後方へ5メートルほど飛ぶ。
「だ、大丈夫ですか!」
半分くらいの力で殴ろうと思ったが殴ろう力を入れた瞬間、突然拳に魔力が集まり想像以上の威力になってしまった、おっさんもかなりというか、吹っ飛んでいったし。慌てて駆け寄りおっさんの容態を確かめる。
「ガハハハッ!いや、おい!すごいな!まったく」
元気な声が返ってきたので大丈夫そうだ、というかおっさん自分から後ろに飛んで行ったなかったか?
「想像以上にいいパンチだった、こっちも思わず強化を上げてしまって悪かったな」
「ホッ、おっさんも無事でなによりだよ」
まあ、そんな気にすることではないし見たところも問題はなさそうで一安心である。その後、何事もなかったようにすくりと立ちあがり俺をジロジロと見ている。
「な、なんですか?」
「ん?そろそろだろうなと思ってな」
と言ったところで強烈な疲労感にブチっと筋肉の束が切れたような痛みが襲ってくる。それを見越しておっさんが俺を支えてくれる。
「まあ、初めての身体強化に全力で魔法を使って魔力を山ほど使って筋肉を酷使したからな、こうなるのも無理はない。それも見越したうえですぐに試したからな」
脳筋かと思ったけど意外と考えてるな。いや、それは分かったし普通に助かるけどなんで抱きかかえるように支えてんだよ!別に普通に肩かしてくれるだけどいいんだけど…それにこの状況デジャブな気がして嫌な予感が‥‥‥
「紅鷹さん、大丈夫ですか!?倒れられたと聞きまして駆けつけましたが………お邪魔みたいだったですね?」
あーもう!やっぱりこうなるのかよ!だからこれ誰得なんだよ!というかもう1回やったからいいだろ!
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グロースアートは目的地に向けて書類を持ちながら長い廊下を歩いていた。雨が降ると紙にしわができるため雨の日は気に障ることが多い。
目的地の扉の前に到着、コンコンと扉をノックし、グローアートは扉の向こうにいる人物に入室の許可を問う。
「入れ」
そう言われてグロースアートは国王であるグラウザムのいる大きな部屋に入室する。いつもの威圧するような言葉の覇気は今はない。
「報告が遅くなってしまい申し訳ございません。鑑定と根回しに少し手間取ってしまいました」
「よい、それで遅れたのには理由があるのか?」
グラウザムも元から時間がかかるということは想定していた。そのうえで遅れたとなればなにか理由があるのではないかと考える。
「はい、実は召喚者の鷹瀬紅鷹の能力値について少し気になる点が…」
「気になる点だと?」
「は、先日、紅鷹の属性魔法を測定した際に他の能力値も調べておりました。その結果が明らかに人間族の示す数値を大きく上回っておりました。そのため、人間族でない可能性がでてきました。それと…いえなんでもございません」
人間族でないと聞いた途端、グラウザムの雰囲気が変わった。怒りや憎しみ、嫌悪などとてつもない大きな負の感情を身にまとっていた。グロースアートは事前にグラウザムの態度が変わることを見越していたため大丈夫であったが他の者がいれば間違いなく意識を保っていられなかっただろう。それほどの感情を覇気として発していた。
2分ほどの時間が経ちようやく平静を保てるようになったグラウザムがグロースアートに問う。
「今の言葉は誠か?」
「はい、人間族であるかないかにつきましては可能性の域をでませんが能力値については異世界からの召喚者としてもまずありえない数値となっております。そこでもう一度紅鷹に測定を試みます。そこではっきりとするでしょう。」
不穏な空気が立ち込めていた。
まだ、間に話がありますので書き終わり次第すぐに投稿します。
ご迷惑をおかけします。




