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どこにでもよくあるただの異世界物語  作者: スノーホーク
2.置き去りまでの王国編
11/23

鷹王

みなさま、強い台風が来るそうなのでお気をつけて

「おはようございまーす、紅鷹さ〜ん朝ですよ~起きないとチューしちゃいますよ~」


目覚ましの代わりにアリッシェさんが俺を起こしに来てくれる。起こし方が独特だが…


「あーはいはい、起きてますよ~、なのでチューはやめてくださいねえ~」


そんな軽い冗談を言い合えるくらいにはアリッシェさんと仲良くなった。召喚されてから1週間がたったのとアリッシェさんが気さくな人だからだろう。ノリは近所のウザいお姉さんみたいだ。


だいたい午前8時くらいの時間帯に目が覚めるようになる。向こうでは寝る時間だっというのに今では起きる時間となってしまった。まあそれが普通なんだけど。


部屋の窓からは手入れの行き届いた立派な中庭が見える。もはや立派すぎて庭園と言えるだろう。ちなみに玄関というか入り口がここから見えない。まだ行ったことがないが、聞いたところによると正門までは徒歩だと少し時間がかかるという。どんだけ広いんだか。


王城の外へ行ってみたい気持ちもある。しかし訓練があるのに加え外出が禁止されているせいで残念ながらその願いは叶わない。


窓から入ってくる太陽を浴びて一日の活力を得る。向こうと同じで太陽も月も1つと変わりがない。異世界なら太陽が3つ月が2つあったりしそうなものだと思ったのだが案外変わらなかった。向こうにいたときよりもかなり健康的な生活で過ごしていると思う。


顔を洗い、歯を磨き口をゆすぐ。朝の朝食がメイドさんによって届けられる。今日は、クロワッサンとイチゴジャム、ベーコンとスクランブルエッグにレタストマトなどの野菜、スープがついてデザートにゼリーがついていた。おそらく食べ物もそれほど変わっていないように思える。部屋の豪華さ以外は一般的な朝食風景である。



どれも非常においしいが特にパンがおいしい!結婚式や高級ホテルの食事に出てくるパンがおいしいのと似ていると思う。コーヒーを飲み、小休止を終えるとさっそくお勉強にはいる。


魔力保有量を増やし、雷の魔法を扱えるようになり魔王を倒す戦力として認められることが一番の目的ではある。


けれどさすがにエーデルフィア様も俺に付きっきりで一日中訓練をするほど暇でもなく、俺の身体ももたないので訓練の合間にこの世界アインアンダーのことについて教わる。これがお勉強の一つである。


といっても本来の目的はあくまで魔法を使うことのためこっちのほうはあまり時間をかけず、休憩がてら簡単に聞いてる感じである。


アインアンダーにはいくつかの国があり、その中でもこのエアステンス王国はこの世界で最も広い領土と人口を有しているとされ大陸の東側に位置し、隣には大洋が広がっている。


しかし、この世界全てを網羅しているわけではなく未発見の大陸もあるとされている。とこんな話を聞かされる感じである。


話というか実際に見て一つ驚いたことにこの国では文字の読み書きは英語だったりする。言語は日本語で通じるのに読み書きとなると言語が違って分からないので、頑張って覚えるというのは異世界らしい。のだが文字が英語だというのはなんとも異世界らしくはないだろう。


一応、真面目に受験勉強をして大学に入った学生だが最近はほとんど勉強などとは無縁だったため現役のころよりさらに衰えてはいるので残念ながら結構読めなかったりする。


なぜ、英語なんだというのは考えも仕方のないことなんだろう。考えられるのは外国の人が召喚させられて広まったのが一番ありそうだけど。



そしてもう一つとういかこっちが本来の目的である魔法についてのお勉強である。未だに研究中のことも多いが現在分かっている情報を教わっている。


その教育係として抜擢されたのが執事のベルンハルトさんである。たまに騎士の人が来ることもあったりするが基本的にはベルンハルトさんである。執事ではなく家庭教師でも呼べばと思うがその必要がないほど凄い人なのだ。


黒のタキシードに白い手袋、初老の紳士でまさにザ・執事という感じだ。そしてこのお方まさに物語に登場するような完全無欠のスーパー執事である。


元は王国の騎士だったらしく先代国王に恩があるらしい。先代国王が倒れても今の王城を支えているらしい。まあ、言ってしまえばよくある執事のパターンである。


元騎士ということもありまぁ強い、ゲーエンバート隊長がかしこまっていたぐらいだから隊長クラスの人だったんだろう。


また、家事スキルも持ち合わせて今日の朝食のパンはベルンハルトさんが焼いたらしくメイドさんたちにも頼られていたり、コーヒーを入れたら右に出る者はいない、などなど挙げるとキリがないとアリッシェさんに教えてもらった。


「さて紅鷹殿、今日はこの世界で暮らす種族を紹介しましょう」

「はい、よろしくお願いします」


一応メモのための紙が用意されている。紙が出てくるあたりやっぱり文化レベルが高いと言わざるを得ない。というか技術が偏ってるのかもしれないが……


「この世界は、私や紅鷹殿のような人間以外にも数多くの種族が存在しています。亜人という蔑称もあり、奴隷としている人間たちもいますが……」


(亜人という言い方は向こうでは定番だけど……)


「この国ではそのようことはしておりません。では気を取り直してまず、人間の次に多いエルフという種族から。彼らは成人への成長が早くとても綺麗な容姿をしております。また、魔法にも秀でたものが多くいるようです。前に魔法の発現について話をしましたが覚えているでしょうか?」

「はい、もちろん覚えてます」


魔法は誰しもが使えるわけではない。もちろん、この世界には魔素が存在しているので生物は皆魔力を有してはいる。しかし魔力→魔法として使えるかはまた別の話なのである。


なので魔法が使えない人の方が多いので魔法を使える人すなわち魔法師は希少なのだそうだ。基本的に魔法師は小学校から中学校ぐらいの歳で魔法の資質が目覚めることが多いとのことだ。


「それでは話を戻しますね。彼らは幼子から魔法師としての才覚を発揮します。しかし、人間の暮らすような場所では彼らにとっては体温調節が難しく、汚れた空気での生活となり長く滞在することが出来ません。基本的には空気の綺麗な森での生活が主となります。そのため寿命が人間よりも短いと言われています」


(森での生活はやっぱりって感じだけど寿命は短いのか )


他にもドワーフや獣人、竜人だったりがいるそうだ。彼らは魔素が発生した時期に現れたという。なぜ、どうやって生まれたのかもまだ分からないそうだ。


(ホントに分からないことが多いな)


「さて、ここまでは意思疎通のできる人間に近しい種族でした。次は、魔物(まもの)魔獣(まじゅう)魔蟲(まちゅう)魔生(ませい)についてお話ししましょう。魔物はひとまず置いておいて、まずは、魔獣・魔蟲・魔生についてから、お気づきかもしれませんが順に動物・昆虫・植物が魔素の発生によって変化した総称ですね。基本的に人間に害を及ぼすものが多く、討伐の対象となります。しかし、魔法によって使役がなされて労働力、戦力はたまた愛玩動物として利用されることもあります」

「なるほど…それで、魔物についてはどうなんでしようか?」


「はい、ですが魔物の説明の前に魔結晶の話をしておきましょう。魔結晶とは空気中に存在する魔素が結晶化したものです。まあ、名前の通りです。基本的には魔素が多くあるの場所、ダンジョンと呼ばれる場所ですね、そのようなところでしか見る機会はないでしょう。その魔結晶が何らかの影響で生物として形を成し魔物となります。なぜ、そのような魔物が発生するのかも研究中ですね」

「ダンジョンですか!」


ダンジョンという言葉に俺は目を輝かせる。


「ダンジョンという言葉に興味を惹かれるかと思いますがそれはまた今度ということで。ひとまずここまででの話の中で何か質問はありますか?」

「はい!」


どうぞと言って俺への質問を聞いてくれる。


「今、魔物の話をして気になったんですが、俺が今使わしてもらっている部屋に、ドラゴンで通じますかね?絵があったと思うんですけどその絵に描かれている生物は実在するのでしょうか?」

「はい、龍のことですね。分類としては魔物に属しますね。かなり珍しいですが存在が確認されています。かくいう私も若い頃、一戦交えたことがありましたがお互いボロボロで痛み分けでしたね。ハッハッハ」


「ハ…ハハハ、ま、マジですか…ドラゴンと引き分けるとか……」


正直、ドン引きである。さすが完全無欠のスーパー執事である。


「そうですね…龍の話題が出たので鷹王(ようおう)について話しておきましょうか」

「ようおう?」


聞いたことのない単語に俺は首をかしげる。


「鷹の王と書いて鷹王です。分類としては魔獣に属します。龍は確かにこの世界でもかなり強いとされていますが私の見解を申し上げれば鷹王が最強の生物と言えるでしょう。紅鷹殿の後ろにも絵がありますよ」


ベルンハルトさんに言われて振り返ると少し離れた後ろの壁に絵がかかっていた。


俺が見たドラゴンの絵よりさらに大きく描かれた体格、雪のような真っ白な羽毛、黄金の瞳は全てを見透かすような深さを持ち、鋭い爪、空の王者の風格を漂わせている。


「私が龍よりも鷹王が強いと言えるのは実際に戦っているところを目撃したからです。30年ほど前のことです。皆が寝静まったような真夜中に龍が現れました。ちょうど私は、ダンジョンに異常が発生したということで確認のために数名の騎士と共に任務へ赴き、その任務を終えて帰還するところでした。その期間の途中でどこからやってきたかはわかりませんが龍が我を忘れたように暴れまわっていました。そこに現れたのが鷹王です」


ベルンハルトさんは少し興奮したように話を続ける。


「鷹王は龍よりも俊敏に空を翔け、鋭い爪は龍の鱗も簡単に貫きました。なにより鷹王の使う魔法は威力・規模共に圧倒的でした。龍は鷹王に倒されました。とまあこのようなことがあり鷹王の強さを間近で見たからこそ言えることです。しかし、鷹王を見ることは滅多にありません。実際、あの絵も私の話を参考にして描かれたものですし、龍よりも強いといってもなかなかその強さを分かる方はいないでしょうなぁ……すみません、少し話過ぎてしまいましたね。このような老骨の話に付き合わしてしまって申し訳ありません」


「いえいえ、とても興味深い話でした。ありがとうございます」

「おや、もう昼食の時間になってしまいました。もう一つお伝えしたいことがありましたが、またの機会にいたしましょう」


ドラゴンよりも強いと言われる鷹王、やっぱ一度は見てみたいなと思いながら昼食に向かう。


昼食を終えて休憩の後はエーデルフィア様による魔法の訓練なのだが……チョット心の準備が必要なのである…





試験のため(せいで)連日投稿はここまでになります。次回の更新は11月ごろを予定しております。

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