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#33 メンバー会議・前半戦(SIDE:ラナ)



□■□■□






 みんなの話を聞いていて、遂に黙って聞いてる訳にはいかない内容になってきたので、説明してもらおうと思ったわたしは幼馴染の3人と最近パーティーに入った竜人の娘を呼び、みんなから少し離れた所に移動しました。

 何故か同僚も付いてきてしまいましたが。


「…さて、と。どういうことか説明してもらえる?」


「ちょ、おい待てってラナ、ちゃんと説明すっから少し落ち着けって」


「…何を言ってるのかな?もちろん落ち着いてるけど?わたし」


「…ラーちゃん……それぇ、落ち着いてるぅようにはぁ…見えないぃ……」


「な、なぁ、ラナ。ちょっと深呼吸しよか?なっ?」


「だから落ち着いてるって言ってるでしょ?そんなの必要ありません。さぁ早く説明してもらえる?」


 何故かわたしに落ち着くよう勧める3人、どこもおかしくは無いですけど?何をそんな怯えた感じになっているのかな?


「ちょっとラナ、ワタシから見てもその固められた笑顔はどう見てもおかしいから。あとその光ってない眼も。いいから普通に戻しなよ」


「………」


 どうやら笑顔のまま硬直していたようです、更に眼から光も失われていた模様。

 本人至って普通だと思っていましたが。

 同僚に言われてはどうしようもありません、しょうがないので顔の筋肉を緩めるとしましょう。


「…それで普通に戻したんかよ……さっきの顔のがまだマシ「い・い・か・ら!早く説明してっ!」………すまん、シータ頼むわ……」


「え、ウチっ!?」


「お願いぃ…シーちゃんん……」


「うぅ…せ、せやけど、何から説明すればええの…?」


「じゃあわたしから聞くけど、まずハーレムって冗談じゃなかったのっ?パーティー組んだだけじゃないのっ!?」


「いやっ、えっと、それはやな…リズが、知っとると思うんやけど……」


 わたしが知らない事を同僚が知っているそうです。

 もうその時点で疎外感が半端ありません。


「ちょっとシータちゃんっ、そこでワタシに振るのはどうなのよっ!」


「やって…ウチ、今のラナに上手く説明出来る自信あらへんもん……」


「すまんっリズ!こうなったラナは手が付けられねぇんだよ…。だから頼むっ!」


「私からもぉ…お願いぃぃ、リズちゃんん……」


「ちょっ、皆してワタシ頼みっ!?幼馴染の元パーティーメンバーはどこ行ったのさっ!?」


「リ・ズ。話しなさい、ほら」


「う…わ、分かったわよ……」


 幼馴染達からは話してくれなさそうだったので、同僚に聞くことにしました。

 もう誰でもいいから早く説明して。


「それで?どうしてリズも知ってるのか含めてちゃんと説明してね?」


「そ、そこも…?」


「もちろん」


「ハァ…。何でラナがそこまで気にしてるのか、何となく想像は出来るけど…まぁ、そこは置いといて。えーっと、どこから話せばいいんだっけ…」


「リ・ズ」


「わっ、分かってるってば…。ほら、皆がパーティー申請しに来た時、ワタシもいたでしょ?」


 あの時は確か…わたしがパーティー更新作業から戻って来た時、リズが窓口でみんなと話してたかな?てっきりリズがサボってるのかと思った記憶が。


「リズがサボってた時ね」


「違うよっ!?ナオトが気になってたから話しにいっただけだからねっ!?」


「はいはい、それで?」


「むぅぅ…。その時にね、パーティー組んじゃったら周りからホントにハーレムって見られちゃうんじゃない?それでもいいの?って聞いたら、みんな別に構わないって言ってて」


「へぇ…構わなかったんだ…。どうして?」


 3人の方を向いて聞いてみました、もしかして本当にハーレムにしようとしてたんじゃないかと思って。


「いや、あん時はほら、降格ギリギリだったじゃんか…」


「だからぁ…ハーレムとかぁ、そんなのぉ気にしてるぅ場合じゃぁ無いよねぇってぇ……」


「……まぁ、ウチはもう、あん時言い訳出来へんくらいやらかした後やったしな………」


 あの時はみんな悪ノリして大騒ぎでしたからね…わたしとヒロシさんのせいで。

 でも不謹慎かもしれないけどちょっと楽しかったです、それに…ナオトさんがわたしを助けてくれたこと、それが何よりも嬉しかったです…。


「…まぁ、あの時は確かにみんな切羽詰まってたもんね。それで?」


「だから、あの時はホントにハーレムなんかじゃなくて、単にパーティー組んだだけってワタシも知ってたんだけど、さっきの話聞いたらそうじゃなくなってたみたい。そこはワタシも知らないから説明出来ないよ?っていうかワタシもそこが一番知りたいんだけどねぇー」


「…シータ、アーネ、マール。わたしの担当漂流者であるナオトさんに、何・を・し・た・のっ!?」


「いや、ホンマ何もしとらんてっ!パーティー組んで一緒にクエストしてただけやってっ!」


「シータの言う通りだってのっ!」


「…まだぁ、ちょっとしかぁ〜クエストぉ熟してぇないけどぉ……それなりにはぁ〜いろいろぉあったよぉねぇ〜」


「「マッ、マールっ!?」」


「なぁにぃ〜?ラーちゃんにぃ隠し事ぉするつもりなのぉ〜?二人ともぉ〜」


「うっ…いや、そんなつもりは無ぇけどよ……」


「せっ、せやかてホンマこんなんなる様なことしとらんやろ…?」


「本当ぉにぃ〜そう思ってるのぉ〜?」



「「………」」



 どうやら少しは身に覚えがあるようです。

 確かにクエスト中の詳細な出来事は聞いていませんし、クエスト中は四六時中ナオトさんと一緒でしたでしょうから、いろんな事があったのは分かります。

 分かりますけど、ハーレムなんて言われたらどうしてもそういう事があったって普通は思うでしょう?


「…怒ってないから話してごらんなさい?ねっ?」


「……(これ(ぇ〜)、絶対(ぃ〜)怒ってる(ぅ〜)…)」


「まぁまぁラナ、ちゃんと話してくれるみたいだからゆっくり聞きましょ。ね?」


「…何でリズまで聞く気満々なんだよ……」


「そこはラナと同じ、漂流者担当の受付嬢として知っておかないと」


「えぇ〜…」


「…単純に面白がっとるだけやろ、絶対……」


「リズはどうでもいいから。ほら、何があったのか詳しく、事細かに」


「え、ちょっとラナっ、アナタ黒くなり過ぎよっ!」


 リズが聞こうがわたしが黒かろうがそんなことはどうでもいいのです。

 どんな事があったのか、今はそれが一番重要なのです。


「いや、ホントマジでラナが思ってるようなことは無かったって…。その、ちっとばっかしスキンシップがあったくらいでよ……」


「そこっ!それを詳しくっ!」


「私はぁ〜、最初のぉお花摘みでぇ〜…お姫様だっこぉしてもらっちゃったなぁ〜」



「「っ!?」」



 …なんですかそれは。

 お花摘みをするのに何故お姫様だっこが必要なんですか。


「あー、ウチもその後してもらったわ…。けどウチのは緊急時やったから運んでもらっただけやで?」


 緊急時…多分貴族様のご令嬢を救出した時ですね。

 それなら分からなくもないですけど…。


「アタイは…ナオトと一緒のベッドで寝「「ギルティっ!!」」…いや、ちょっ、最後まで聞「「問答無用っ!!」」」


 有罪が確定しました、完全にアウトです。

 そんなことしてるからハーレムになるんです、当たり前じゃないですかっ!3人とも何をやっているのかと思えば、もう真っ黒じゃないですかっ!


「何やってるのみんなっ!そんなことしてたらハーレムになって当然でしょうっ!!」


「流石にそれはねぇー、もうどうしようもないんじゃない?っていうかアナタ達オイシイ思いし過ぎよっ」


「いや、オイシイ思いて…一緒にクエストしとるんやからいろいろあるんは普通やん。まぁ、アーネのはちょっとしゃーない事情があったんやけど…」


「どんな事情があったら一緒のベッドで寝る事になるのっ!?」


「用意してもらった宿の部屋が四人部屋のベッド2つだったんだよっ!ナオトだけ床で寝ろって?ラナだったらそう言うのかよっ!」


「えっ…そ、それは……」


「ったく、人の話は最後まで聞けってのっ!」


「まぁ、そんな事情があったんならしょうがないとしても、じゃあそれでどんなスキンシップがあったのさ?」


「うっ、いや、それは……」


「ラーちゃんならぁ〜分かるでしょぉ〜?」


「あー…アレをやっちゃったのね……」


 アーネの寝相の悪さは知っています。

 わたしもあれにどれだけ苦しめられたか。

 硬いものには乗らないらしく、終いには大盾抱えて寝る羽目になりましたからねっ。


「アレって?」


「あ、うん、アーネってば凄く寝相悪いのよ…。隣に寝てると平気で人の上に乗っかってくるの」


「それはまた…。ってことは、当然の如くナオトの上にも乗っちゃったんだ…」


「…あーそーだよっ!悪かったなっ寝相悪くてよっ!」


「それ、ナオトさんは大丈夫だったの?」


「ちょっと困っとった感じやったけど、割と平気そうやったな」


 アレが平気とか、やっぱり男の人だからでしょうか…。

 だったらわたしでも…って何考えてるのわたしっ!


「そ、そう…平気だったんだ…。それでアーネは?その…どうだった…の?」


「いや、どうだったって…普通にぐっすり眠れたぜ。いつもより快適だったかもな…」


「ふーん…そんな事になっててもナオトからは手出されなかったんだ」


「ちょっとリズ!何言ってるのよっ!」


「え、だって男の人ってそういうものでしょ?ナオトはよく我慢出来たなぁーって」


「いや、流石にウチらも居たんやし、それは無いやろ…いくらなんでも」


「そーかなぁー。漂流者ってその辺の欲が強い人ばっかりだから、ナオトもそうなんじゃないかなぁーって思ってたんだけど」


「ナオちゃんはぁ〜他のぉ漂流者とぉ違ってぇ〜、ちゃんとぉ考えてくれてるよぉ〜?私たちのぉことぉ〜」


 そうですね、ナオトさんは他の漂流者とちょっと違ってますよね。

 威張り散らすようなことも無いし、上から押さえ付ける感じもないし、何より優しい感じのするところがいいです…。


「だからこそそれなりに我慢してるとこもあるんじゃないの?って。女の娘に囲まれて全然平気ってことはないでしょー、みんな可愛いんだし」



「「「………」」」



 何故そこでみんな黙って頬を紅く染めるのでしょうか。

 もしかして、ナオトさんにそれっぽい事言われたとか、そういう話ですか。

 だとしたら…こうなっちゃう事は必然だったのでしょうね…わたしから見ても幼馴染の3人は可愛いですし。

 あぁ…やっぱりそこにわたしも入れて欲しい…。



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