#06 三獣姫と共に
当作品を目に取って頂きありがとうございます。
ブックマークや評価増えるのがこれ程嬉しいものとは思いませんでした…。
のんびり進行ですが、引き続き楽しんで頂ければ幸いです。
おっと、そうだ、クエスト行く前に姫達と話しとかないとな…さっきの件について。
待合所の一角で姫達3人が固まって座ってたんだけど、こっちもまだ呆けた感じが少し残ってるみたい…いや、1人おかしな事になってる、何でまだグズってんのっ!?もう終わったんだからいい加減戻ってきててもいいんじゃないか…?
「よう、お姫様達。まだボケっとしてるのか?」
さっきの事もあるからちょっと強めに話し掛けてみた、別に怒ってるわけじゃないんだけどね、何となくノリで。
「…ふぇっ……だ、だん゛な゛ざま゛ぁ……っ!」
待て待て待てぃ!何で泣きながら抱き付いてくる、シータっ!もう終わったんだって!いつまでやるつもりだよっ!!
「ちょっ、おいっ!何これどーなってんのっ!?」
「…ナオト……お前、ホントに…何でもないのか…?」
「ん?あぁ、見ての通りだよ。それより、さっきのあれ、どういうつもりだよっ。あと、今のコレっ」
「……シーちゃんがぁ〜…戻って来ないのぉ〜………」
え、そんなに本気で心配してくれてたの?いや、昨日の今日でそこまでなんて誰も思わんて…あー、でも、まぁ、現に今こうなっちゃってるわけだしなぁ……しゃーないか…。
「あー、うん、悪かったって…ほら、俺何ともないからさ、もう泣くなって……」
柄でも無いのは承知の上だけど、俺のせいなんだろうから抱き付いて来たシータを軽く抱き返して、頭をポンポンしてやった…だからな、もう戻って来いって。
「……ホ…ホンマに……?何ともないん……?」
「うん、何ともなってないって。ほら、確かめてみてもいいぞ?」
って言った途端、余計にギュッて抱き付いてきたよ…え、なに、そういう確かめ方なの?いや、うん、俺はいいんだけどね…ほら、その、正直いろいろとね、気持ちがいいし…。
「…おいシータ、いつまでやってんだよ、それ……」
「シーちゃんってばぁ〜…ここぉ、何処だかぁ分かってるのぉ〜…?」
「………??……………っっ!?!?」
おぅ、どうやら戻って来たみたいだな、良かった良かった。
声も出さず凄い勢いで俺から離れていったよ、まぁ、こんな所だし当然だと思うけど。
「で?シータも戻って来たことだし?どういうことだか説明してもらおうか、アーネ」
「う…ア、アタイなのかよ……」
「当然。どうせ言い出しっぺはアーネなんだろ?」
「そ、そんなコト「あるよな?」……あぁ、そーだよ、アタイだよっ」
悪巫山戯悪乗り大好きっぽいから、こーゆーのはアーネからしか出てこないだろ、マールとシータは率先してやるタイプには思えないしな…。
「いや、ナオトがよぉ、あのナンパヤローに突っ掛かってたのが見えたからさぁ…アタイらも便乗して日頃の鬱憤晴らしてやろーかと思ってよぉ……」
「まぁ、大方そんなとこだろうとは思ってたけどさ。でもだぞ?あれはやり過ぎじゃねぇの?」
「あー、うん、そこは…ちょっと悪乗りし過ぎた、反省してるよ……」
「私もぉ〜…途中からぁちょっとぉ〜楽しくなってぇきちゃってぇ〜……」
「………ウ、ウチは……なんて事を…………っ」
あれでちょっととか、アーネの基準がよく分からんし、マールはマールで楽しくなったとか、何を以てして楽しくなったのかさっぱりだ…シータは、まぁ、うん、頑張ったな…。
「しかもだぞ?あのヒロシってやつ、別にハーレム野郎でも何でも無かったよな?あの二人はただのパーティーメンバーだって言ってたし」
「あー、そう言えばそんなコト言ってたな……」
「つまりだ、あの場でハーレム野郎はこの俺だってことになってたわけだ。そうだよな?ん?」
「「「……………」」」
「…何か言うことは?」
「「「ご…ごめんなさい(ぃ〜)……」」」
「……まぁ?あそこで3人が来てくれたから、何とかなったってところもあるし?あとは、その…あれだ。正直に言うとだな、俺的には大変いい思いをさせてもらいましたありがとうございますっ」
この際正直にぶっちゃけといた方が、これから先気まずくなる事も無いかな、なんてちょっと思ったりもして、勢いに任せて素直に頭なんか下げてみた。
「…そ、そうなの…か?ナオト的には、あれでいい思い出来たのか……」
「…そりゃ、俺だってこう見えて男だし……あんなにされて嬉しくないわけ無いって素直に思いました、ハイ」
「…ぷっ、ナオちゃんってぇ〜正直者ぉなんだねぇ〜、うふふっ」
「んー、まぁ、正直者っていうか、これからパーティー組んで一緒にやってくんだったら、ちゃんと言っとかないとなって思っただけだよ。こんな奴だよって教えとかないと皆に迷惑掛かるだろうし…」
「いや、今回のはアタイらからやったことなんだから、別にそこまで言わなくてもいいっつーか…むしろ迷惑掛けたのこっちだしよ……」
いや、俺的には迷惑でもなんでも無かったんだけどね、結果的にあの状況を打開出来たわけだし。
あと、いろんな意味でご馳走様でした、と言ってもいいわけで…。
「ま、とりあえずクエストも受けられたし、結果的に問題無いってことでいいかな。シータも頑張ってたみたいだし、ね」
「………あかん…………ウチ、もう、ここに顔出せへん…………っ!!」
その場で蹲って顔隠してしまった…けどな、シータ、もう十分手遅れだと思うぞ?実を言うとな、俺がここに来てからずっと他の冒険者達がチラチラこっち伺ってるのバレバレだったから。
さっきの抱擁シーンもバッチリ見られてるってことだ…。
「いや、しかしよぉ…まさかシータがここまでやるとは、アタイも思ってなかったわ……」
「そうだねぇ〜…でもぉ、昨日のぉ夜からぁ〜ちょっとぉ興奮してたからぁねぇ……」
昨日の夜っていうと…あれか、裏庭での一件か。
いや、でもあの時は特にこれと言って何かあったわけでもなく、普通に話してただけだと思うんだが…え、そう思ってたのは俺だけってこと?
「……ウチ……もう消えたい…………」
「ま、まぁ、ほら、やっちまったものはしょうがないだろ…?だからな、その…元気出せって……」
「……………無理ぃ………………っ!」
ですよねー、あー、これどうしたらいいんだろうな…なんて思ってたら、俺の後ろから誰かが笑いを堪えながら声掛けてきた。
「くっくっくっ…いや、朝からいい見世物だったぞ」
「…んだよ、ガズのおっさんまで見てたのかよ…っ」
振り返ってみたら、昨日話した厳ついおっさん、ラナさん見守り隊のガズさんだった。
「おう、見てたぜ。まぁ、ナオトがもう少し遅かったら俺がラナの所へ行こうとしてたんだがな。今日はいつにも増してしつこかったからな、アイツは」
「そうだったんですか…もしかして、俺余計な事しちゃいましたか?」
「いや、そんな事はねぇぞ。むしろこっちが礼を言いたいくらいだ、ラナを助けてくれたんだしな」
「あ、いえ、助けたなんて…ただ単に専属のラナさんに用があっただけですから……昨日約束してましたし」
昨日の帰り際に、また明日来ますのでよろしくお願いしますって言ったから、会わないわけにはいかなかったってだけで…。
「それでもだよ。結果的にアイツから解放されたんだ、礼の一つも言わせてくれ」
「一応アタイらも噛んだんだけどな…」
「オマエ等は単に面白がって突っ込んでっただけだろうが。ま、そのせいで自分の首を締めたみたいだがなぁ?くっくっ」
「ぐっ…何も言い返せねぇ……っ」
そりゃ事実だしな、言い返せるわけないっての。
まぁ、俺もあんなので感謝されても困るんだけどなぁ…。
「こうなっちまったんだ、もういっその事ホントにしちまえばいいんじゃねぇか?」
「何をホントに…って、ハーレムをかよっ!?」
「いや、それは……」
「満更でもないんだろ?まぁ、今すぐそうしろってのも無理な話ってのは分かってるんだがな。だったらもうそれっぽくパーティー組んじまった方が周りも納得するんじゃねぇか?下手に誤魔化すよりは、な」
あー、うん、ガズのおっさんの言う事も、実を言うとちょっとだけ考えたっていうか、頭の中過ぎったんだけどね…もうこうなった以上、それも有りかなぁって。
ま、姫達次第なんだけどさ、姫達がそれでもいいっていうなら、もうパーティー組んじゃってもいいかって。
いや、確かに可愛い獣人娘達に囲まれて、満更でもないのは認める、認めるけど、決してハーレムのためとかでは無い、そこはハッキリ断言しておこう、だってそんなの無理だって分かってるんだから。
向こうで妻一人幸せに出来なかったやつがハーレムとか、何の冗談だっての、フザケてるとしか思えないし相手に失礼だ、だからそれは無いって言い切れる。
「まぁ、こうなった以上、ガズさんの言った通りの方がすんなりいく様な気もしてますけど…」
「…え?……ナ、ナオトはん……それって……」
「今すぐぅ〜…私達とぉ〜……」
「パーティー組んでも、いいってこと…か……?」
「…まぁ、皆がいいなら、だけど……」
「ちゃうやん、ウチらあんな事ナオトはんにしといて、それでもパーティー組んでくれるって……」
「そうだよぉ…調子にぃ乗っちゃってぇ〜いっぱいぃ迷惑ぅ掛けちゃってぇ……」
「…アタイも、もうダメかなって…さっき思ってたぜ……」
あんな事って言ってるけどね?あれ、俺的にはご褒美としか思ってないからね?迷惑とかこれっぽっちも思わなかったし。
さっきはほら、何ていうかノリで締めたみたいな感じだっただけで、別に怒ってたわけじゃないからさ。
「くっくっくっ、何だかんだ言って割といいパーティーになるんじゃねぇか?今なら丁度いいだろ、とっとと組んでこいよ」
「…ガズさんもこう言ってるし、お墨付きっぽいのももらったし……パーティー、組もうか」
「ま、マジか…ナオト……お前、ホントイイやつだな…っ」
「ナオちゃん〜…ありがとぉ〜……っ!」
「あ…ウチ、また泣くかもしれん……ナオトはん、ほんま、おおきに……っ」
「うん、じゃあガズさん、ラナさんの所行ってきます。何か背中押してもらったみたいで…ありがとうございます」
「俺は何もしてねぇさ。まぁ、これでちょっとは借りを返せたんなら、それでいい。ラナによろしく言っといてくれ。じゃあな、頑張れよ」
俺の肩をポンッと叩いて去って行くガズのおっさん…何だよ、めっちゃ面倒見いいな…顔は厳ついけど。
ま、とにかくもう踏ん切り付いたし、パーティー組んで、ついでだからパーティー用のクエストも一気に受けちまうかっ。
こうなったら姫達も安心させてやりたいし…な。
「んじゃ、ラナさんの所、皆でいこう」
「「おうっ!」「はぁ〜い」「うんっ!」」
うん、いい返事、これだけでパーティー組んでよかったって十分思えるくらいだ。




