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volition  作者: 我輩
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目覚め(1)

秋もだいぶ冬に近づき肌寒くなってきた栞ヶ丘中学校に、今か今かと心待ちにしていた後期中間試験終了のチャイムが鳴り渡り、張り詰めた様な空気が一気に会話の渦に消しさられた。

右隣の席の弘人も背伸びをしながら話しかけてきた。


「優希!国語どうだった?!」


「解ける事は解けたんだけど時間足りなかった…」


「俺は最後まで行ったぜ!分かんないの4分の3位飛ばしたけど!」


「要するに出来てねぇじゃんか」


満面の笑みで聞いてくるから自信があるのかと思ったんだけどな。

お互いに一年生ながらサッカー部でレギュラーとして活躍していて毎日サッカー三昧。自分も勉強なんてテスト一週間前に少しやった位だし、弘人に関しては…今まで通り少しもしていないだろう。

弘人に言わせればテスト週間は午前中で帰れるラッキーデーらしい。

しかし自分の予想以上の出来の悪さに短く溜め息が出た。

ドッと疲れを感じたがテストも全て終わり、今日は部活も無いおかげで解放感もある。

重い腰を持ち上げて自分も背伸びをしてから


今日の昼飯なにかなぁ


そんな事を考えながら弘人と共に教室を出た。






同じような白っぽい二階建て住宅が立ち並ぶ真新しい住宅街の中に我が家はある。

玄関を開けるとすぐに、独特な甘い香りが漂ってきた。

カレーだ。


「ただいま」


リビングに入ると対面式になっているキッチンにいつもの母の姿があった。

我が母ながらなかなか美人だと思う。


「あ、優希?おかえりー」


「昼飯からハードなもの大量に作ってるねぇ」


「もちろん余ったのは夜ご飯よ。美希もお父さんもカレー大好きだから多めに作っちゃった!」


ニコッと笑ってそう言うと作業する手元に目線を戻した。

自分は特段カレーが好きな訳ではないが小学校4年生で妹の美希と親父が大のカレー好きだ。ただ何故か分からないが母は滅多にカレーを作らない。2人共帰ってきたら大喜びするだろうな。


「ご飯準備しといてあげるから荷物部屋に置いてきなー」


はいはいと二つ返事をして2階の自室へ上がる。

2階には2部屋あり片方は妹の美希の部屋だ。


自分の部屋に入り荷物を置き、勢いよくベットへ倒れこむ。

この脱力感がたまらなく好きだ。

寝具には大分こだわっていて、家族を色々な家具屋に連れ回して探し求めたフカフカのベットと布団たちは疲れを吸い取ってくれる気がした。

しばらくボーッとしていたが段々眠気が襲ってきた。

そのまま寝てしまいたいが母が下で待っているのでそういう訳にもいかない。

相変わらず重く感じる体をなんとか起こした。


「まだー?!用意できたよー?!」


「はぁーい!今行くから!」


そう言って外へ出ようとドアに手をかけた。



その時


突然足の力が抜け、ガクンと膝をついて前に倒れ込んだ。

息が上手く吸えない。

何が起こったか分からない。

背中に吹き出た冷たい汗がなおさら焦らせた。

目の奥に押されるような圧力を感じ視界が揺れ、視界が黒くなり狭くなってゆく。

そして、貧血によく似たクラっという、どこかへ落ちる様な感覚を最後に、


何も感じなくなった。


投稿二作目!連載としては初連載になります!


連載は書くのも初めてなので上手く続いてくれるといいですが…



内容はもちろんですが、読みやすさも重視したいため、一話一話を短く区切ってテンポよく進めていきたいと思います。


いたらぬ点も多いと思いますが、暖かく見守って頂ければ幸いです。

感想・アドバイス等お待ちしております!

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