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俺と彼奴の3ヵ月  作者: <br />
第三話
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_ _1




「翠ーそろそろ時間だぜー」




 間の抜けた蒼海の声が聞こえ、一気に集中力が途絶える


 頭のどこかで緊張というか張り詰めていた糸が切れるような感覚を感じた




「おー.もうそんな時間かー」




 生徒会室から空を見上げれば、日は沈み始め、そろそろ夜が近づこうとしている


 ちらりと生徒会室に設置された古いアナログ時計を見やると、時刻は19:00をとうに過ぎていた




「あれ.碧空は?」




 部屋を一通り見渡すが、俺と蒼海以外には誰もいない



 連日徹夜気味だったらしい藍人は兎も角として、碧空が俺達より先に帰るなんてのは滅多にない




「ああ、碧空は整理した書類を職員室に持って行った」




 「ほら」と蒼海が指を指す方を見れば、藍人が整理した山積みだったはずの書類が机上から消えていた




「なんか職員室でまた色々サインとか貰わないといけないらしいから、先帰ってろってさ」




 と、蒼海が両手に何か箱を手に持っているのに気がついた




「何それ」


「あ、これのこと?」




 蒼海が左右の手首を動かし箱を揺さぶる




「なんか碧空の親衛隊の子がくれたらしいんだけど、彼奴チョコ食べる気分じゃないんだってさ。翠の集中力が途切れたら二人で食べてくれって」


「へえ」




 折角だから貰おうぜ、と蒼海が綺麗に包装されたかなり面積のある箱から中身を取り出す



 …が




「…なあこれ本当に貰って大丈夫なのか?」


「…多分」




 チョコはチョコでも、箱の中身は如何にも高そうな外国のチョコだった




「まあバレンタインでもないのに急にチョコなんか持ってこないよな」


「この前の休みにでも旅行に行ったんだろ」


「でもそれなら普通すぐ持って来るよな?」


「…まさか、飛行機の中とかで溶けるといけないから現地直送便か何かで」




 有り得ないと言い切れないから余計に怖い



 金持ちの学校だとは思っていたけれどまさか此処までとは…




「…で、どうするよこれ」




 板チョコ程度なら貰っても大丈夫かな程度にしか考えてなかった



 やっぱ碧空に返した方が…




「は?食うに決まってんじゃん」




 …まさかの






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