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「知ってんならなんで告白したんだよ」
「いや、まだ告白終わってないから、続きがあるから」
途中で翠が遮るから、中途半端になっちゃったじゃん
ぶつぶつと文句を言いながら再度蒼海は俺に向き直る
「翠が10年前から好きだ。だけど翠が俺を幼なじみ以上に思ってないのは知ってる。だから3ヶ月間、俺を意識して」
「3ヶ月?」
蒼海によると、今度の11月に開催される文化祭で俺に告白するつもりだったらしい
恒例行事の後夜祭で着火されるキャンプファイアの前で、好きな人と互いに配布されたアイテムを交換すると、ずっと恋人で居られる、とかいうふざけたジンクスを蒼海はどうやら信じているみたいだ
「で?なんで3ヶ月先の予定を今にずらしたんだ?」
「文化祭の時に告白しても、翠は絶対OKしてくれないって思ったんだ」
案の定今振られたしね
蒼海は苦笑いをしながら言葉を続ける
「だから、先に好きだと伝えて3ヶ月間俺を見てもらおうと思って。そしたら翠だって少しは俺を気にかけてくれるだろ?」
「…まあ」
「3ヶ月だけでいいから俺を意識して。それで、俺を好きになってくれたら後夜祭で改めて告白するから、OKを頂
戴。もし、翠が俺を嫌いになっても3ヶ月間だけは離れないから」
蒼海はそういって不敵に笑う
つか
「なんで告白するためにわざわざキスしたんだよ」
「だってそうでもしないと、翠俺の話真剣に聞いてくれなかっただろ」
「毎日毎日好き好き言われてたら一々反応しなくなるだろ」
「だからいつもとは違うインパクトが必要かなって」
そんな理由で……
「…もういい」
「怒った?」
「怒ってねえよ…呆れただけだ」
俺は腕に縋ってくる蒼海を払うと、自室へと向かった
こうして、俺とこいつとの3ヶ月が幕をあけた