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プロローグ
俺は夢をみていた。
"孤独"じゃない世界の夢――
俺は孤独じゃない!
そう思える世界の……
だが、俺には何も残っていない。
いや、そうじゃない。
"残すのモノ"がなかったんだ。
最初から持っているものなんて何もなかった。
総て手に入れようと手を伸ばすが、届く前に消えていく……。
こんな俺には
あの時
何ができただろう?
俺が孤独から抜け出す事を望まなければこんなにも苦しまなかったかも知れない。
俺は孤独に愛されてしまった人間だ――
だから俺は……