表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空の羽 Remake  作者: 夢宇希宇


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/79

第75話

 ぼんやりとした意識がはっきりとして行く。

「ここは…?」

 時空の鏡に入った海人だったが、その先に何があってどの場所に現れるかはわからないので、周囲の様子を伺った。どうやら、木造の建物で大きな天蓋付きのベッドがあるので、寝室らしい。

「奴じゃ。近くにおるぞ」ナナカミの声が飛んで来た。

「近く?」

「正確には、この建物を出た先じゃ」

「急ごう」

「おう」

「ちョ、ちょっと待ってヨ」小脇に抱えた、ルウィンが抗議の声を上げる。

「何だよ、ルウィン?」

「ボクはここに置いて行ってヨ。ボクは戦いには向かないからサ」

「わかった」海人は、小脇に抱えたルウィンを床に下ろした。

「海人、行くぞ」

 ナナカミに応えて「そうだね。急ごう」

「ちょっと待ってヨ」

 ルウィンだった。

「どうしたんだ?急ぐんだよ」海人は気が急いた。

「あのネ。あの高さのドアだとボクが届かなくて出れないからサ。全部のドアは開けておいてネ?」

 良く考えたらそうだった。確かにあの高さのドアノブがあっては、ルウィンには開けられない。

「わかった。気づかなくってごめんね」

 そう言った海人に「ううン、ほらほラ、急ぎなんだよネ?海人なら大丈夫、行っておいデ」

 海人は急ぎ建物を後にしたが、出る途中のドアは全部を大きく開けておいた。先を進み急ぎ後ろを振り返ると、建物はどうやら、2階建ての木造家屋らしかった。


「海人、この小道を上った先じゃ。まだ奴の存在を感じる」

 春のような陽射しが降り注ぐ中、建物の背後にある小道を駆け上り、先を急ぐ海人にナナカミの言葉が飛ぶ。

「桜ちゃんは?」

「それはわからぬが、バルディは確実におる」

「そうか、じゃあ、バルディに聞くしかなさそうだね」

 道の両脇には名前を知らない白い背の低い花が咲き誇っていた。心を落ち着かせるかのような香りのする花だった。

 一心不乱に先を進むと、突然開かれた場所に出た。広くはない。だが、ついに見つけた。

 バルディ…だけではなく、桜の姿、桜をついに見つけた。

 二人は、墓標みたいなものを前にして、何やら話していたようだったが、海人の出現により、我に返ったようだ。

 海人は叫ぶように言った。

「桜ちゃん!!!」

「海人君!」桜が海人に応えた。

「来たか!小僧!」バルディは余裕の表情だ。

 ついに、ついに桜を見つけることが出来た。その桜の隣には、バルディがいる。バルディの背後には海人の知らない、背の低い男が控えている。

 背の低い男がバルディに小さく訴える「ここは場所が悪いようで…」

「そうだな、ガスキュールよ。どれ、場所を変えるとするか」

 そう言ったバルディは、指をパチリと鳴らした。

 次の瞬間に、その場の全ての者が姿を消した。桜一人を残して。

「海人君…どこへ行ったの?」

 残された桜の声は弱々しく、その場から消えた海人には届かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ