表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空の羽 Remake  作者: 夢宇希宇


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/79

第64話

 美味しかった。ガスキュールの天ぷらは、桜が今まで食べたどの天ぷらよりも美味しかった。(きす)、海老、イカ、南瓜に蓮根とさつま芋、オクラと、衣はサクッと中はジューシーで、本格的だった。それに、ご飯も艶々で甘みも感じられ、水加減も炊き方も完璧。ガスキュールのチカラか料理の腕なのかはわからなかったが、本当に美味しかった。

「ごちそうさまでした」桜が言い終えると、「こちらも今回本格的でして、豆から煎りました」

 そう言い差し出されたカップを受け取ると、熱々のコーヒーで、インスタントではない芳醇な香りがした。

「これも美味しそうね。良い香りだわ」

 一口飲むと、心を落ち着かせるかのような味がした。

「あなたは飲まないのね?」

 ガスキュールはあの苦味が苦手らしく、最初に一口飲んでからは口にしていなかった。

「私は、ちょっとあの苦味が苦手でして…」

 困ったような顔をガスキュールは返していた。

「慣れると美味しいんだけどね。苦味が苦手な人もいるようだから、仕方ないと思うわ」

 コーヒーを啜りながら一息ついていると、ガスキュールが様子を伺うように言った。

「姫様、2階に寝室がございます。本日はそちらにお泊り下さいませ。フカフカのベッドの御用意もあります」

「そう、わかったわ」

 桜は気の無い返事を返し「そう言えば、ここへ来た本当の目的は何?ただのバカンスという訳ではないわよね?」

 ガスキュールを軽く睨むと、「そ、それは私の口からは…」何か困ったかのような顔だ。

「まあ、いいわ。美味しい天ぷらも食べれたことだしね」

「2階の寝室にはお着替えの御用意もあります」

「そう、じゃあ、少し早いけど、休ませてもらうことにするわ」

「お休みなさいませ」

「お休み」

「私は、居間にて待機しておりますので、何かありましたらお呼び下さい」

「わかったわ」

 桜は食堂を出た右手側にある階段を上った。2階は2部屋あるくらいで、そんなに広くは無かったが、寝室らしき部屋は、簡素なものであったが、室内は綺麗で清掃がされていた。ベッドは、ガスキュールが言った通り、フカフカだった。壁際にはクローゼットらしきものもあり、中を確認すると女性ものの寝間着があった。

「どうしたものかしら…」

 桜にはこの現状が納得できていない。それも当然で、待遇こそよけれど自分で望んだ結果でもない。バルディに攫われ、囚われの身だ。

 クローゼットの寝間着を取り出し、着替えながら考えていた。着替えて、ベッドに腰かけると、眠気が襲って来た。このまま寝てしまってもいいものだろうか。部屋には何かのお香の香りが漂っているようで、気分を落ち着かせてくれるような気もした。

 うつらうつら、枕に顔を埋めて沈思に耽っていると、本格的な眠気に襲われ、夢の中へと落ちて行った。

 うつららうつら 

 うつらうつら

 夢の中へ。

 夢の中へ。

 

 桜は、深く深い眠りに、夢の世界へと入って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ