表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空の羽 Remake  作者: 夢宇希宇


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/79

第63話

 始まりの樹に隣接するように建てられた建物。木造の2階建てのどこか懐かしさの漂う建物だった。先を行く、ガスキュールが建物の説明をしようとしていた。

「本日はこちらにお泊りいただきます。明日には、バルディ様がお戻りになるでしょう。ささやかですが、食事をご用意致しますので、まずは中へお入り下さいませ」

 そう言うと、ガスキュールが建物の正面のドアを開けた。

「仕方ないわね」桜は諦めたように建物の中へ入った。しかし、室内は明り取りの窓はあれど、薄暗くて良く見えない。

「ガスキュール、見え…」

 桜が全てを言い終える前に、ガスキュールの言葉が飛んで来た。

「おお、失礼致しました。直ぐに明かりをお灯しします」

 そう言うや、ガスキュールが両手をポンと合わせると、天井の照明器具らしきものが光を放ち始めた。電気設備や火の明かりではなく、何やら不思議なチカラによるものだと思われる。

「手品みたい。便利ね」

 桜は特段驚くことなく呟いた。

「これでも、バルディ様の執事でございます。執事たる者、これくらい出来なければ務まりません」

 ガスキュールは何事もなかったかのように言葉を返す。

 桜は思った。バルディだけではなく、このガスキュールも不思議なチカラを持っている。ただの執事であろうはずもなく、油断は出来ない。見かけで判断してもいけないと思った。

「では、私は厨房でお食事の準備を致しますので、姫様は食堂にてお待ち下さい」

 桜には食堂を指差し、そこで待つようにと言い残し、ガスキュールは厨房らしき部屋へと消えた。

 

 厨房へと消えた、ガスキュールは張り切っていた。そして、一人呟いていた。

「さて、バルディ様が取り寄せて下さった食材で、姫様の世界の料理を再現してみせますぞ」

 厨房には、棚に鍋や何かの器らしきものが並べられ、ガスキュールの手元には、包丁などの刃物もあった。

 ポンっと、両手を合わせると、テーブルの上に様々な食材が現れた。次に、ポンと両手を合わせると、コンロらしきものに火が付いた。

「始めると致しましょう」


 トントン トントン グツグツ ジュージュー

 グツグツ ジュージュー グツグツ ジュージュー

 トントン ザクザク グツグツ ジュージュー 


 歌うような、ガスキュールの料理をする音が厨房を賑やかにしていた。

 暫くして…「完璧でございます」ガスキュールは納得したように一人宣言するように言った。


 賑やかな食卓となった。テーブルの上には、どう見ても和食らしき料理の数々が並んで、日本茶らしきものまであり、桜は驚いていた。

「良い匂いね」

「姫様の世界のお国の料理です。姫様が喜んでいただければ、このガスキュールも嬉しゅうございます」ガスキュールは視線をじっと桜に向けている。

 料理は、天ぷららしく、何と箸まで用意されていた。それに、この匂いは…と視線を送ると、察したガスキュールが「炊きたてでございます」と桜に示したのは、おひつのご飯で、茶碗によそってくれた。それに、味噌汁まであって、味噌の豊かな香りが桜の食欲をかき立てた。

「美味しそうね。お腹が鳴りそうだわ」

「ささ、召し上がって下さいませ」

「そうね。いただくことにするわ」

「沢山、召し上がって下さい」

「あなたは何か食べないの?」桜が言うと、ガスキュールは大きなスープ皿を指し示し、「これは私の大好物の海藻のシチューで、私はこれがあれば十分です」

「そう、じゃあ、いただきます」

 そう言い、桜は久しぶりの和食を楽しむことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ