第37話
緊張を打ち破るように事の真相をダラスは話し始めた。
「今から3日前のことです。黒い衣装を纏った謎の集団が我が国に突如現れました。その数、約2万人。盟主を名乗る男は、自らをバルディと名乗り、この世界を統治すると宣言しました」
やはり、バルディはこの世界にいた。
「我が国、そして、この世界がバルディと名乗る男の軍団に征服されるのに時間は掛かりませんでした。2日です。たったの2日で私たちの世界は…」
ダラスの沈痛な言葉が届いた。
海人はダラスにバルディを倒すためにこの世界に来たことを伝えた。そして、ダラスが海人に提案して来たのである。レジスタンスのリーダーになってくれと。海人の力がバルディの軍団に対抗出来る最後の鍵だとも言われた。
しかし、バルディの軍団は約2万人。一筋縄ではいきそうにない。
「ダラスさん、ここ以外にもレジスタンスがいると言いましたね?まず、全員で情報を共有し、団結する必要があります。俺1人の力では、2万の相手をするのは無理だと思います」
ダラスが壁に貼られた地図をテーブルに並べた。この世界は文明が発達しているのであろう。地図は海人の世界と同じような球体を意識した地図になっていた。
「我々の国はここです」指を指した場所は、地図では一番大きな大陸だった。
「私達の世界の中心は我々の国が秩序を守って来ました。それ故に、軍事力が世界一でした。しかし、その力を発揮したのは50年以上も昔のことです。今は平和な世界なのです」
ここで一つの疑問が海人の頭に浮かんだ。バルディの軍団が現れた時に対処出来なかったのだろうか。
これから先のためにダラスに聞いてみる。
「ダラスさん、バルディの軍団は2万人でしたね。この世界にはもっと多くの軍隊がありそうなのですが、対処出来なかったのですか?」
ダラスは少し俯き、事の真相を海人に話してくれた。
「バルディとその配下を名乗る軍団は、この国の軍隊をどういった力を使ったのかわかりませんが、自分の操り人形のようにしてしまったのです。先程我々を捕らえていたのは、我々の元同朋です」
バルディはきっと魔法の魔力を使ったのだろう。
「海人さん、海あなたの使った不思議な力は、バルディに通じるものがあると見ました。それ故に、あなたに我々レジスタンスのリーダーをお願いしたのです」
バルディは近いのだろうか。
「俺の考えではバルディを倒せば、またこの世界は平和になると思います。バルディはどこにいるのですか?それと、俺1人ではバルディに辿り着きそうにありません。情報を下さい。それから作戦を決めましょう。俺はバルディを倒すためにこの世界に来たのですから」
ダラスは新しい地図をテーブルに並べた。
「これがこの国の地図と下水道の地図です。我々レジスタンスは、このオレンジの位置にあります。レジスタンスの数は約1000人。皆、バルディの軍団に捕らわれてしまいました。バルディの軍団2万人と元我々の軍隊を併せるとバルディの戦力は約1万2000人になります。私には良い考えが思いつきません」
1万2000人は多過ぎる。それに対し、レジスタンスは1000人。
「ダラスさん、良く聞いて下さい」
海人には、ある考えが浮かんでいた。




