考古学好きな令嬢、婚約破棄されてしまうも今日も発掘作業に取りかかる
「アネット・ロマーナ! お前との婚約を破棄する!」
ある日の夜会での出来事だった。
伯爵家の令息ガロック・アモイによって、男爵家の令嬢であるアネットは婚約破棄を言い渡された。
アネットは赤茶色の髪を三つ編みにし、栗色の瞳を持ち、素朴ながら整った顔立ちを持つ令嬢だった。
しかし、今は婚約破棄を受けて、顔色が青ざめている。
「お前の家系は考古学で爵位を得た家系というから、さぞ古代の財宝なんかをたんまり持ってるものだと思ってた。ところがどうだ!?」
ガロックは一枚の皿を手に取った。以前、アネットが彼にプレゼントしたものだ。
「それはドルオ文明の土器ですね。非常に歴史的価値があり……」
「“歴史的価値”なんかどうでもいいんだよォ!」
ガロックは土器を床に叩きつけ、割ってしまった。
さらに踏みつけて、粉々に砕いてしまう。
「鑑定を依頼したら、二束三文じゃねえか! 黄金の皿ならともかく、こんな土くれに金なんか出せねえってよ!」
「わ、私はガロック様にあの土器を通じて、ドルオ文明の人々の生活を感じ取って欲しいと……」
「そんなもん感じたくもねえよ! カビの生えた時代の人間のことなんかよ!」
「ううっ……!」
「ったく、どんなすごい家系かと思いきや、蓋を開けたらとんだガラクタ収集家だったぜ!」
吐き捨てるように言われ、アネットは呆然とするしかない。
「なぁ、リーシャ?」
ガロックが一人の令嬢を呼ぶ。
「ええ、ガロック様」
リーシャと呼ばれた金髪の令嬢が、ガロックの腕に組みつく。
彼女はリーシャ・ロポリといい、アネットと同じく男爵家の令嬢である。しかし、アネットの家は考古学の功績で貴族になれたに過ぎないので、格式としてはロポリ家の方が上になる。
「俺はお前との婚約は破棄し、このリーシャと婚約することにした。文句はないな」
婚約を破棄され、プレゼントを破壊され、挙句“ガラクタ収集家”と侮辱され――
もはや、アネットには返事をするのが精一杯だった。
「……はい」
***
ロマーナ家の邸宅に戻ったアネット。
邸宅といっても、彼女の家は財産の大半を考古学に費やしており、一般的な貴族の家に比べると小さいものだ。
アネットの父アーガス・ロマーナが、打ちひしがれた娘に話しかける。
「聞いたよ、夜会でのこと……」
「お父さん……」
「こんな一方的な婚約破棄、本来ならば許されるものではない。しかし、私の力ではとてもアモイ家には対抗できない……」
口惜しそうに話す父に、アネットは少し報われた思いだった。
「ううん、いいの。ガロック様は歴史や考古学に興味はないようだったし、結婚してもきっと上手くいかなかっただろうから……」
「アネット……」
「それより、私は今自分のやってる発掘を進めたいな。昔この国を治めてたとされる“消えた王家”の謎に迫るために!」
「ああ、アネット。お前ならやれる。私は私で進めねばならない研究があるから手伝えないが……」
「大丈夫! 私一人でやってみせる!」
明るさを取り戻したアネットを見て、父アーガスも安堵した。
***
翌日、アネットはある土地に来ていた。
土と岩しかない、荒涼とした大地。彼女は今ここで発掘作業を進めている。
およそ500年前から、この王国は『ラーミッド王家』が治めている。
しかし、それは“ある王家”を滅ぼしてのことと言われている。その“ある王家”は現在まで詳細が謎に包まれているのである。
むろん、ラーミッド王家が今更そのことを責められる筋合いはない。が、ラーミッド王家の王位に正当性はないと主張する一派も少ないながら存在する。
アネットはそんな埋もれた歴史に迫りたかった。考古学者の一族として。
「さ、今日も発掘発掘!」
数々の文献を吟味した結果、アネットはこの誰も見向きもしなかった荒れ果てた土地に歴史から“消えた王家”の痕跡があると踏んでいた。
あっさりと作業の許可は下り、彼女は発掘作業に勤しむこととなった。
本来ならば人を雇うところであるが、彼女の家はそこまで裕福ではないので、一人での作業となる。ただし、彼女は楽しんでいる。
発掘作業に夢中になったおかげで、婚約破棄のショックもだいぶ薄らいだ。
そんな日々がしばらく続いたある日のこと、発掘作業をしている彼女に話しかけてくる者があった。
「へえ、本当に一人で発掘を頑張ってるんだな」
「え!?」
話しかけてきたのは青年だった。
黒髪で、パッチリとした目をしており、爽やかな印象を受ける。
「あなたは……?」
「僕はシェイド・ワット。よろしく」
シェイドを名乗る青年は男爵である父を持つ、れっきとした貴族だった。
そんな彼がなぜ、アネットの前に現れたのだろうか。
「君は“消えた王家”の研究をしてるんだろう? 発掘作業をぜひ手伝わせて欲しくてさ」
アネットからすればありがたい話である。
今の発掘ペースでは、彼女の研究はいつまでたっても終わらないであろう。
だが、発掘はデリケートな作業でもある。ただがむしゃらに土を掘られても困る。
アネットがそれを確認すると、
「その点については大丈夫! 君の力になれる自信がある! もし邪魔だと思ったら、いつでもクビにしてくれていいから!」
こう言い切るので、アネットは彼に手伝ってもらうことにした。
発掘にかかると、とたんにシェイドの目つきが変わった。
「さて、掘っていくか……」
先ほどまでの陽気さが消え失せ、厳格さを帯びる。
シェイドはやはりアネットに比べて数段腕力と体力に優れており、この日の作業は大いに捗った。
時折、シェイドは神妙な顔つきで独り言をつぶやく。
「やはり500年も経つとずいぶん埋まってしまうものだな……」
アネットはそんな彼を見てこう思った。
まるで、人が変わったようだわ――
日没近くになり、この日の作業は終了となる。
アネットはシェイドに礼を言う。
「ありがとうございます。だいぶ作業が進みました。やはり男の人の手があると違いますね」
「こっちこそ! いやぁ、発掘ってのは疲れるもんだね!」
出会った時の陽気さが戻っている。
「それにしてもお腹減らない? よかったらご飯でもどう?」
気さくに食事に誘われ、アネットも思わず、
「は、はい!」
快諾してしまった。
二人は発掘現場近くの町に立ち寄り、レストランで食事をした。
アネットは初めて出会った発掘仲間に対して、矢継ぎ早に考古学トークを披露する。
「コーカ文明の青銅器は本当に美しくって……!」
「へぇ~、是非見てみたいな」
「今度実物を持ってきますよ!」
「頼むよ。楽しみにしてる!」
会話は弾むが、アネットは途中でハッとする。
「あ、ごめんなさい! 私ばかり話してしまって……!」
「ううん、いいよ。君の話は面白いし、勉強にもなるしさ。もっと聞かせてよ」
「ありがとうございます!」
アネットは嬉しかった。
発掘は進んだし、素敵な仲間にも出会えた。
婚約破棄で受けた傷を癒すには十分すぎる一日となった。
***
アネットはシェイドと共に発掘作業を進めた。
500年前に歴史の闇に消えてしまった幻の王家に迫るために。
彼らはやはりラーミッド王家に滅ぼされてしまったのか――
「シェイド様、今日も頑張りましょう!」
「ああ! 君とならきっと王家の痕跡を見つけられるさ!」
普段は爽やかなシェイドだが、発掘に入るとやはり目つきが変わり、口調もやや高圧的になる。
「このあたりが匂うな……掘っていくぞ」
「分かりました!」
食事中などでの会話から、シェイドに考古学の知識がさほどないことは間違いない。
だが、発掘作業になると気配が変わり、妙な確信を持って「掘るべき場所」を指示してくる。
作業が終わるととたんに陽気な顔になり、
「じゃあまた明日ね、アネット!」
爽やかな笑顔で挨拶する。
アネットが約束通り、古代の土器や青銅器などを見せると、子供のように喜んでいた。
陽気モードと発掘モード。明らかな二面性を持つシェイド。そのミステリアスな魅力に、アネットは惹かれつつあった。
発掘作業が楽しいのはもちろんだが、シェイドと過ごす時間も楽しむようになっていった。
そして、ついに――
「何か出てきましたね!」
「ああ、ようやくだ」
何らかの建造物が土の中から姿を見せた。
これが“消えた王家”の痕跡を示すものなのだろうか。
さらに発掘を進めていくうち、アネットは確信に至る。
「これは間違いなく……王墓です!」
王族クラスの人間を弔う施設であることに疑いの余地はない。
「あと一息だ。もっと掘っていくぞ。アネット」
「はいっ!」
建造物を傷つけないよう慎重に掘り進め、ついに全貌が露出する。
石で作られた、見事な王墓だった。
これが500年前のものだとして、それを感じさせないほど強固な造りになっている。
「やったな、アネット」
「ええ、ついに見つけることができました!」
発掘モードのシェイドとともに喜ぶ。
王墓には二つ入り口があることが分かった。
その入り口からは地下に通路が伸びており、内部にはさらに広大なスペースがあるものと推測される。
入り口には文字が書いてあり、これはアネットが解読できるものだった。
「一つは、遺体が安置された部屋ですね。『立ち入るべからず』とも書いてあります。もう一つは倉庫のような部屋のようです」
「どちらから調べる?」
価値が高いのは、やはり遺体の方であろうが――
「倉庫から調べましょう!」
「遺体はいいのか?」
「立ち入るなと書いてありますし、むやみにお墓を暴くようなことはしたくないので……」
「優しいな、アネット」
シェイドに褒められ、アネットは赤面してしまう。
王墓の中は推測通り広大で、しばらく歩くことになった。
やがて、二人は小さな部屋にたどり着く。
「ここが、この王墓の倉庫のようですね。調べてみましょう」
調べると、一冊の書物が置かれていた。
表紙の文字からして、王墓が作られた経緯が書かれた本だった。
アネットは「これで消えた王家の謎に迫れる」と胸を高鳴らせる。
「さっそく読んでみなよ!」
「はい!」
いつの間にか陽気モードになっていたシェイドに促され、アネットは書物を読み始める。
夢中になって文字を追うアネット。
そこには次のようなことが書かれていた。
我らは“ラーミッド家”に王権を託すものとする――
書物はこのような始まり方をした。
この“我ら”が“消えた王家”なのは間違いないだろう。
500年前、この地域は戦国の世だった。多くの国が生まれ、亡び、また生まれ……そんなことを繰り返していた。
“消えた王家”はあまり戦いが得意ではなく平和を好む一族だったという。自分たちの統治では、この戦国の世を生き残れないと悟った。
そこで、優れた武力と統率力を持っていた臣下であるラーミッド家に王権を託したのである。
これが現在のラーミッド王家の始まりとなる。
全てを託した“消えた王家”はラーミッド王家の臣下となり、あと腐れがないよう、自分たちが王であった痕跡も全て消すことにしたという。
だが、ラーミッド王家は主への最後の奉公として、この王墓を建てた。
この墓には“消えた王家”最後の王と王妃が眠っている。
この“消えた王家”の名は――『ルーワット王家』だった。
アネットはつぶやく。
「ルーワット……? どこかで聞いたような……」
そして、すぐにある人物の名を思い出す。
「シェイド……ワット!」
「流石だね、アネット。気づくのが早い」
シェイドは笑った。
「僕の一族には代々隠し名が伝わっていてね。本当の本名は……『シェイド・ルー・ワット』なんだ」
「……! ということは、あなたはルーワット家の……」
「うん、末裔ってことになるのかな」
シェイドの家、ワット家は“消えた王家”の流れを受け継いできた一族だったのだ。
アネットはなぜシェイドが自分を手伝ってくれたかが分かったような気がした。
「あなたは自分がルーワット家の末裔だと知ってたんですね。そして、私が“消えた王家”について研究してると知って、発掘を手伝ってくれたんですね!」
「いや、正確には知ってたわけじゃない。僕も教えてもらったんだ」
「え? ご両親にですか?」
「いいや、両親や祖父母ですら隠し名の意味は知らなかったよ」
「……?」
首を傾げるアネット。
じゃあ一体シェイドはどうやって自分がルーワット家の流れを汲む人間だと知ったのだろう。
「これはもう実際に話してもらった方が早いな。待ってて、今“憑依”してもらうから」
「憑依……!?」
すると、シェイドの目つきが変わった。雰囲気も落ち着いたものになる。
陽気モードから“発掘モード”になったのだ。
「我がルーワット家の墓を発掘してくれてありがとう」
「あなたは……!」
アネットは理解した。
今、彼の中にいるのはシェイドのご先祖であると。
発掘モードのシェイドは、シェイドが先祖に体を貸している状態だったのだ。
だからこそ、どこを掘るべきか的確に指示することができた。
シェイドはこの状態のまま、喋り続ける。
「私はこの王墓に眠る、ルーワット家最後の王だ。かつての臣下だったラーミッド家が立派な墓を作ってくれたおかげで、安らかに眠っていた。子孫もワット家として、穏やかに暮らしているしな。だがその一方で、心苦しくも思っていた」
「なにをですか?」
「ラーミッド王家が悪者になってしまっていることだ。我々が痕跡を消したことがかえって仇となり、“ラーミッド王家は消えた王家から王位を簒奪した”という説が定説になってしまっている」
「あ……!」
その通りだった。
ラーミッド王家の正当性を疑問視する声は未だにあるし、よくも悪くも「力ずくで王位を奪った一族」というイメージがついてしまっている。
王位を譲った張本人としては、それを心苦しく思っていたのだ。
そして、“消えた王家”ことルーワット家の謎に迫ろうとするアネットの噂を聞き、シェイドの体を借りることにしたという。
「シェイド様の体を選んだ理由はあるんですか?」
「いかに子孫といえども、会話や憑依などそうできるものではない。その点、シェイドは私と波長がよく合った。枕もとに幽霊として出て、体を借りたい旨を話したら、快く了解してくれたよ。『ご先祖様のお役に立てるなら』と……」
「そういうことだったんですね」
アネットは全てに納得した。
シェイドと初めて出会った時の言葉『へえ、本当に一人で発掘を頑張ってるんだな』というのは、彼が先祖から「アネットという令嬢が、一人で発掘をしている」と教えてもらったから出た言葉だった。
「アネット、どうか頼む。この王墓のことを公表し、ラーミッド王家の悪評を絶って欲しいのだ」
「分かりました、やってみます!」
「それと、私の遺体がある部屋には財宝が眠っている。先ほどの書物に“安全に入る方法”も記されているはずだ。それを礼として受け取って欲しい」
すると、アネットは首を振った。
「いいえ、遺体を暴くつもりはありません」
「なに?」
「私が知りたいことはもう知ることができましたから……どうか、このまま安らかにお眠り下さい」
「ありがとう……」
こう言うと、先祖はシェイドの体から抜け出た。
年相応の好青年の顔つきになる。
「アネット、ご先祖様の遺体を暴かない選択をしてくれてありがとう。僕からも礼を言わせてくれ」
「私はあくまで歴史の真実を知りたいだけですから」
アネットが考古学を志す理由、それは名誉や金銭ではなく、歴史や知識の探求にこそあるのだ。
「それじゃアネット、二人で発掘の成果を公表しよう!」
「はい!」
陽気モードの――というより本来のシェイドと共に、アネットは発掘の成果を正式に公表することとなった。
***
アネットの発表は、歴史や考古学の世界に大きな衝撃を与えた。
これまでの「ラーミッド王家は以前の王家を滅ぼして今の国を建てた」という通説が根こそぎ覆されたのだから。
もちろん反論する者もあったが、実際に王墓を発掘してみせたアネットの発表には太刀打ちできず、すぐさまそんな声は消えていった。
やがて、アネットとシェイドは現国王グレゴリウス・ラーミッドとの謁見に臨むこととなった。
「アネット・ロマーナよ、このたびは我が王家にも関わる新たな歴史を掘り起こしてくれてありがとう。余も今の王家の成り立ちには、どうしても罪悪感のようなものを抱いていた。しかし、おかげでそんな思いを払拭することができた」
「そうおっしゃって頂けると、考古学に携わる人間としては光栄の至りです」
「そして、シェイド・ワットよ」
「はいっ!」
「ワット家の爵位を昇格させる話、当主もおぬしも断るといったが、本当にいいのか?」
国王はワット家に王位を明け渡すことは流石にできないが、かつての王家だったということで、爵位の昇格を提案した。
だが、ワット家は断った。
「ええ、ご先祖としてのルーワット家は尊重しますが、今の我々はあくまでワット家です。今後もマイペースで家を存続させていこうと思っているので……」
「分かった……。ならば無理強いはしないでおこう」
表面上は現状維持だが、この件でロマーナ家もワット家も大いに名声を高めたことは言うまでもない。
今後、彼らの名は社交界で重要視されていくことだろう。
さて、こうしてルーワット家王墓の『遺体安置所』はほぼ手つかずのまま残されたのだが――それに目を付けた者があった。
「バカな奴らだ……こんなお宝が眠る墓を放置しておくなんてよ」
かつてのアネットの婚約者ガロック・アモイである。
「ホントよね。こういう墓は遺体とともに財宝が眠ってるって相場が決まってるんだから」
今や彼の妻となったリーシャも一緒だ。
「野郎ども、この墓を暴き尽くせ! 財宝も死体も、全部俺たちのもんだ!」
ある夜更け、ガロックは雇った盗掘集団とともに、王墓の遺体安置所に乗り込む。
『立ち入るべからず』の注意書きなど知ったことではない。
ところが――
「うぎゃああああっ!?」
「罠だ!?」
「ひいいいっ!」
遺体安置所への通路には、無数の罠が仕掛けてあった。
落とし穴、落石、飛んでくる矢、毒の池……。
かつて遺体を弔ったラーミッド王家が仕掛けたものだ。武に優れた一族だった彼らは、罠の設置もお手の物だった。500年経った今も、罠はしっかりと作動してみせた。
そう、“適切な手順”を踏まなければ、遺体を暴こうとする者は罠にかかる仕組みになっていたのだ。
アネットたちはその手順を知っているが、勝手に墓を暴こうとした彼らがそんなことを知るはずもない。
「こんなバカな……!」怯えるガロック。
「ど、どうするのよ!」リーシャの顔も醜く引きつっている。
「逃げるんだァ!」
しかし、一度奥まで足を踏み入れた者を逃がすほど、甘い罠ではなかった。
ガロックとリーシャに、大量の矢が飛んでくる。
「うぎゃあああっ……!」
「いやああああっ……!」
ガロックが墓荒らしをしようとしたことは大きなニュースとなり、これをきっかけにアモイ家は衰退の道を辿ることになる。
一方、アネットはシェイドと婚約をした。
二人の心はいつしか通じ合っていたのである。
父アーガスも娘の幸せを大いに喜んだ。
そして、結婚後も二人は発掘に夢中になっている。アネットの影響で、シェイドも今や立派な考古学者である。
二人の探求心は止まらない。
「シェイド、今日もイルフ遺跡を発掘しましょう!」
「ああ、イルフ族がどんな習慣を持っていたのか、是非とも知りたいしね!」
おわり
お読み下さいましてありがとうございました。
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