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恨みの炎


   人は魔力を見出し、龍は神の奇跡を喚べた




フォレスタリア王国のある大陸を取り囲むように、13の島々が存在した_。


そこには龍人達の国があった


島を離れ、大陸に移動した一族も居たが

そこは龍の加護の島として、今も神秘に包まれている


人間との交流が盛んな地域と、そうでない地域がある


龍が住まない無人島を含めた24の島々も存在する


それらの領海を含め

フォレスタリアは、最強の軍事国家として君臨していた。



「ジュダリス、あの外道に嫁ぐ必要は無くなりましたが…」



龍の国が一つ、ハイーザの国の龍姫は思案する。


姉はジュダリスに嫁ぎ、殺されていた

ジュダリスは龍人を”トカゲ”と貶め、見下し、気に入っていた


人より丈夫な玩具だった。



「人との契約など破棄し、我々が姉の報復の為 戦いを仕掛ける そう出来たらいいのに…」



古の龍と人との戦い


その終結と共に結ばれた契約は人が有利であり、契約破棄は即ち

その一族の絶滅を意味していた。



「新たな人の王…愚王であれば、手玉に取り 操る事も可能かもしれません…」



従者は語る

フォレスタリアの没落と、血の薄まりを…





場所は、馬車の中の次期国王の元に戻る



事態は芳しくなかった


反国王を掲げた者達の集団が馬車一行を取り囲んでいたのだ



「ボクはジュダリスじゃないんだけど…」


まだ村人である、主人公は いきなり命を狙われ悲しくなった


今まで、命の危機はあっても 人に恨まれるような事はなかったからだ



「どうしても、退かぬのか? そちらの数は多いが こちらは護衛の精鋭だ 負ける事などない」



「俺は騎士の職を奪われ、妻と子は戯れに殺された 勝つための戦いではない 王の血を一滴でも多く流し、死ぬ為の戦いだ」



話から、連中は元騎士だったりする者が多いとわかる


フォレスタリアは連戦連勝常勝の軍隊だ


勝つことは当たり前、その中で芳しくない成果だと王が感じれば

ジュダリスはその騎士団ひとつを拷問し、処刑して見せた。


一族郎党、巻き添えで



並大抵の恨みではないのだ。



お互いの大将格は馬に乗ったまま話し合い、決裂し別れる


反乱軍から火弓が飛んで来た


何人かの護衛の騎士に当たり、倒れる


馬や人の叫び、怒号が鳴り響く


しかし、護衛側の馬車には魔法使いも備えていた


風の魔法で火矢は敵側の方に流れる


反乱軍にはない、聖銀の大盾部隊で敵の攻撃を防ぎ、どんどん押し返す


しかし、命を捨てる覚悟の猛烈な攻撃に反乱軍も意地を見せた


反乱軍にも魔法を使える者はいたようだ、しかし”聖銀”は魔をも防ぐ

その為の盾である。


弓が何本も刺さっても、向かってくる戦士がいた


馬車の窓から、一瞬見えたその者の眼には


恨みの炎が宿っていた、それはどんな魔法でも消し去る事の出来ぬ

怒りと憎しみの業火であった



『フォレスタリアの血、絶えるべし!!!!!!!!!!!』



血塗れになりながら叫ぶ元騎士が振るう剣を、カレンは槍でいなし、首を的確に突く



その騎士は地に伏しながら、幼き我が子と殺された仲間たちの光を見た。


その光だけが、恨みの炎を鎮める事が出来た…



戦いは一瞬で終わった



だが、渦中にいた者達には1時間に感じられた



『ぐぅ…』


さっきの反乱の大将と何人かを捕らえた、ほとんどはリーダーの指示で敗走していた。



「悪いが、捕虜用の馬車はない 言い残す事はあるか?」



「お前たちが今仕える者の血は、ドブ川よりも汚く穢らわしい…それに未だ仕えるお前たちは、そこにたかる虫以下だ 何の誇りもない。 俺達を殺し、早くまたクソの回りを飛び回るがいい…」



カレンは表情を変えない


「待った」



馬車の中から、村人Qは声をかけた


「その人達は城に連れていきましょう、気が変わるのなら騎士に戻して」



「なっ!!!!?」


その場にいる誰もが驚く



「ふっ…我が王よ、一度は命を狙われたのです、危険だ 彼らの恨みは海よりも深い」


賢者ハウザーは少々呆れ気味で言った



戦いを知らない平和ボケした村人らしい、同情と甘さだけの提案と感じたのだろう



「人に見下されるのも、悪口も ある程度は平気だが。 顔も見た事のない兄だった奴の為に血がドブとまで言われるのは心外だ、せめて肥溜めくらいは活用法があってマシってとこを示したいのです。」



それは…


比較対象に差異があまりなく、賢人も真顔になる



「憐みはごめんだ、殺せッ!!」



「王が変われば、血も、”知”も変わりますよ 罰としてあなたには生き恥をかいて貰います。」




あぁ、


この王では駄目だ



この時、護衛騎士隊長カレンはそう思ったという

誇り高き、Fの騎士として…





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