体術のマーリン先生
今日は体術を教えてくれるマーリン先生が来るらしい。
どんな先生かな?マーリンって名前だから可愛い先生なのかな?アリアさんみたいに。
ドアをトントンとたたく音が聞こえて、メイドが部屋に入ってくる。
「お嬢様、マーリン様がお見えになりました。」
「すぐ行くわ。」
ドアの扉を開けて、早々と階段を駆け下りる。
玄関では、お父様が誰かとお話してるようだ。
どうやら、マーリン先生とお話しているようだ。
どんな先生だろう!ワクワクしながらお父様の横に立ち、マーリン先生を見る。
「こんにち…は…?」
マーリン先生を見ると少し、かたまってしまった。
なぜかというと、マーリン先生のその姿はとても背が高く、顔から足までムキムキなのだ。
そして、私を見下ろしている。
マーリン先生は怒っているような顔をしていてとても怖い。
それに、なぜか彼女(?)は黒色の帽子にフリフリのピンクのレースがたくさんついている、黒色のワンピースを着ていて、魔女のコスプレのような恰好をしている。
いや、まあ体術の先生だけどここまでムキムキの必要ある?
このすごい威圧感何?漫画のゴゴゴみたいな効果音が漂っている。(気がする)
お父様。なぜこの方をお選びに…?
「いやー。娘が冒険者になりたいと言っておりまして、マーリンさん誠にありがとうございます。」
「この小娘は我がしっかり鍛えてやろう。」
いや、しゃべり方も怖い、怖い。自分のことを「我」って呼ぶ?普通。
雇人の娘を小娘?いや、どっかねじが吹っ飛んでるって。
しばらくお父様とマーリンさんが話して、私はお父様のそばで放心状態になっていたらマーリン先生は私に目を向けた。
目があちゃったよ。あいたくないのにあっちゃったよ。
そっぽを向くのも気まずいのでそのまま見続ける。
よくみるとこの人の目、めっちゃ黒。漆黒だわ。目も怖い。
「娘よ。来い。」
「は、はひい!」
お父様は、「いってらっしゃーい。」と、笑顔だ。
なんてのんきな奴だ!
私はマーリン先生についていった。
そして、庭へ。
「ここでやるぞ。」
「はいいい!」
マーリン先生は庭を一周見渡して、
「まずは、基礎体力からだ!小娘よ。この屋敷を一周走ってこい!」
「は、はい。」
「声が小さい!掛け声は、イエッサ!」
「い、イエッサー!!」
できるだけ大きな声でこの謎の掛け声の「イエッサ」を叫んだ。
なんなんだ。このノリは。
だが、逆らったらどうなるか…。
…ううう。考えただけでも恐ろしい。
そして、地獄のような時間をこのあと過ごすことを私は知らなかった…。
超スパルタ授業になりそう…。




