魔法が進化?
次の日も信頼を得るために、町へ向かった。
そしたら、どうだろう。町の人たちの少しは挨拶をしてくれるようになったのだ。
なんだろう。挨拶をするなんて普通なのにとても感動する。
今日は少し町をふらふらして帰った。
まだ、時間があるから魔法の練習でもしてみようかな?
庭へ行き、アリアさんに教わったようにもう一回頭の中で考えて、「ファイア」と唱えてみる。
…だが、こないだと変わらないようで、小さな火の粉がよろよろと動いて木にあたってポフンと消えたのだ。木は燃えていない。
まず、私の火の粉は魔法と呼ぶのにふさわしいのかしら?
魔法と呼べるほど強力ではないのは確かね。
う~ん。どうしたら、このしょぼい魔法(?)を進化させることができるのかしら。
あ、そうだ。こないだ図書館から魔法に関する本を借りてきてたんだわ。
私は部屋に戻り、本を読み始める。
…うーん。魔法の出し方は載っているんだけど…。
普通の子なら火の玉くらいの魔法がでるみたいね。
エミリー!どんだけ魔力がないんだ!
どうやって火の粉から火の玉に進化させるか本には載っていないわ。
どうしましょう。
…メイドのアリスならわかるかな?
迷った末メイドのアリスを頼ることにした。彼女は私を嫌がらないでくれる。
廊下にでて、アリスを呼ぶ。
「アリスー?ちょっといいー?」
と、言うとアリスはパタパタと急いで上がってきた。
「はい。お嬢様なんでしょうか?」
そのグリーンの目で私を見つめる。
「忙しいところ、ごめんね。魔法の練習につきあってほしくて…。」
「魔法…ですか。はい。私結構魔法が得意ですので、なんなりと。」
アリスは風魔法でベランダから庭まで運んでくれた。
「ありがと。アリスはなんで私にいつも優しくしてくれるの?私って悪いこといっぱいしてきたのに。」
ふと、そんな疑問を口にすると
「はい。お嬢様が生まれた時からずっと一緒にいますから。お嬢様は根は悪くない人だったので。」
と、彼女は答えた。
アリス!!ありがとう!感動したよ。私の味方はアリスだけだぁ!
気持ちを改めて、右手を前へ突き出す。
「ええっとね。まずはこれ見て。」
私は、「ファイア」と、唱える。
小さな火の粉がよろよろ動いて消えた。
「この火の粉を火の玉に進化させたいんだけど、どうすればいいかわかるかな?」
アリスも初めてこんなしょぼい魔法を見るらしくて、少し困惑している。
「お嬢様。それはもしかしたら魔法学がたりないのかもしれません。」
へ?
魔法と魔法学でどう関係が?
「えっと、魔法学を覚えてから最初は魔法を使うので魔法学を覚えれば、覚えるほど、魔法が上達していくと思います。」
じゃあ、魔法学さえできればすごい魔法も使えるの?
「いえ、そういうわけではなく魔法学を学んででくりだせる、魔法は火の玉3個までですね。もっと強い魔法を使いたいんだったら、才能と努力ですね。」
あ、そうなんだ。じゃあ、魔法学さえできれば火の玉3個ぐらいまではだせるんだね。
ありがと。もう大丈夫だよ。
「それでは私はここらへんで。失礼します。」
と、言ってフッと彼女は消えてしまった。これは転移魔法というやつではないか。
本で読んだことある。結構上級の魔法だった気が…。
アリスって案外すごいのかも…。
私は部屋へ帰り、早速魔法学の勉強へ入った。
「や、やった!」
魔法学の勉強をして早三日。火の粉が火の玉へ進化したのだ!
この三日間ずうっと部屋に引きこもって、ブツブツ魔法学のことを唱えていた甲斐があった!
(それで、メイドや執事に気味悪がられたが。)
だが、まだ火の玉はヘロヘロでもっと上達しなければと思った。




