始まり
<1年後>
「小娘。成長したな。」
かれこれ、1年あっというまに経ってしまった。
まだ、勇者は来ていない。どうやら進み具合が遅いようだ。
魔法もだんだん使えるようになっていき、体術もある程度はできるようになった。
最初はしょぼかったファーストも走る速さがとても速くなった。
タイムでいうと50m走4秒台だ。
これは前世の世界では世界記録も更新できるほど!
改めて魔法ってスゲー。
そして、ついに…
「小娘は冒険にでてもいいぞ。」
やっっっっっったああああああ!!!!
ついに冒険へ!未知なる世界で魔法や体術の特訓ができる!
「マーリン先生。今まで体術を教えてくれてありがとうございました!」
「うむ。礼はよい。」
ありがとう。本当にありがとうございました。
「そして…小娘。お前は…。」
なんだ、感動の話か?
お前はめちゃくちゃ優秀でがんばったと?
「さっさと冒険に行ってこい。感動話などどうでもいいのだ。」
そこは感動話でしょ!
まあ、先生っぽいけど。
「先生。またいつかどこかで会いましょう!」
先生に笑顔を向けた。
さようなら。先生。
「だから…、」
だから?
「感動話などいいだろう!小娘ーーー!!」
背後を取られどつかれる。
ひどいーーー!!
「エミリーちゃん。1年でよくここまで成長できましたね。卒業です!」
アリアさん…。
改めてジーンとする。
あの、脳筋先生とは違い感動の場を与えさせてくれている。
アリアさんにもお世話になったなぁ。
「アリアさん。1年間このへっぽこな私に教えてくれてありがとうございました。」
「エミリーちゃん。冒険、頑張ってください。」
はい!
そして、早速お父様のところへ行く。
「お父様!私冒険者になりたいの!」
「うむ。でも危険がいっぱいだよ。大丈夫かい?」
ええ。最強になるためですもの。
「何か嫌なことがあったらいつでも言ってね。冒険者をやめたくなったら帰ってもいいんだよ。」
はいはい。
「そして、うちにもたまには帰ってきてほしいな。いやー、まさかエミリーがついに冒険にでる
とは…、あんなこともあったな。あれは三才の…」
お父様。お話が長いです。私はそろそろ冒険者の手続きに行ってきますね。
お父様が熱心に昔話をしている後目に私は冒険者手続き所(そんなのがあるのだ!)歩き出した。