新たな魔法!?
「あ、問一は風魔法ではないですね。風魔法に闇魔法はあまり効きません。土魔法を使うと有効です。ですから、土魔法です。」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます。」
アリアさんの指摘の受けた場所を急いで書き直す。
久しぶりの魔法学のレッスンだ。
マーリン先生とやっていた1ケ月。
アリアさんは風邪をひいてしまったらしくレッスンはお休みだったのだ。
この世界にも風邪という概念があったのだなと改めて驚く。
「はい。では魔法のお勉強もしていきましょう。」
「イエッサ!」
「…イエッサ…?」
は、そうだ。ついつい癖でいってしまった。
恥ずかしさを隠しながらアリアさんと庭へ移動した。
「ファイア!」
私が呪文を唱えると手のひらから真っ赤な火の玉がでる。
そして、近くの草を焦がして消えた。
「え、すごい。」
アリアさんはすごく驚いてる様子だ。
ふふん。もっと褒めるのだ。
「この1ケ月でここまで成長するなんて。エミリーちゃんはすごいですね。」
まあ、私でも驚いていたくらいだ。
炎魔法のくせに何も燃やせなかったのだが、今回は少し草を焦がすことができたのだ。
やっぱり本にでかでかと書いてあった、「体を鍛えろ」というのは当たっていたらしい。
(…たぶん。)
「では…、この魔法はどうですか?ちょっと危ないので10メートルほど遠ざかってください。」
私は、10メートルほどアリアさんから距離をとる。
アリアさんは「フレイム」と小さくつぶやいた。
すると、アリアさんの周りだけに炎が立ち込めた。
「わっ!」
数秒ほどで炎が引いていった。
アリアさんの足元には植物が灰と化していた。
す…、すごい!なんなんなの?今の!?
目をキラキラさせながら近づく。
「中級魔法で少し難しいかもしれませんが、この魔法は炎を好きな形にしたり操れたりするので応用が利きますよ。」
おお!
迫力もすごいし応用が利く!ぜっったいに!習得する!!
「では、まず今の魔法を思い浮かべてフレイムつぶやいてみてください。」
イエッサ!あ、違かった。
はい!
「フレイム!」
すると、私の周りに小さな炎が二つくるくる回った。そして、3秒後ぐらいにポスンと音を立てて消えた。
…まあ、わかってはいた。だいたいわかってはいたが…、なんかがっかりする~~~!!
「う~ん…、じゃあまた前みたいに練習しましょう。」
アリアさんは困り顔で言った。