前世の記憶
みかんです。超初心者なので温かい目で見守ってやってください。ゆっくり投稿しますので、急に投稿ペースが速くなったり、遅くなったりするかもしれませんが、そこはご承知ください。
とてもまぶしい、明るい光に包まれる。
目を開けると、白い天井。
横を見るとメイド服の若い女性が目に入った。彼女は…メイドのアリス?
アリスと目があうとアリスは目を大きく見開き、
「だ、旦那様!奥様!お嬢様が!」
と、ドアを開け、廊下へ走っていった。
…そういえば私たしか死んだはずじゃ…?
あれ、私の名前って葵だっけ?エミリーだっけ?
雨の日トラックにはねられて、
「エミリー!?」
ガタンとドアを開ける音がし、そこにはお父様とお母さまがいた。
お父様とお母さまは私のベッドのすぐそばまで来て椅子に座った。
「エミリー、起きたのね。」
「エミリー。君は2週間も寝ていたんだよ。」
二人とも涙ぐんでいる。
あ、だんだんと記憶が戻ってきた。
今はエミリーで前世は葵だった。
そうだ。エミリーが馬車で夜会に行く途中にすごい衝撃が走って、馬車がひっくり返ったのか。
で、前世が葵。
前世はあんまり楽しくなかったな。
親が死んで、良い職につこうと学生の頃は勉強三昧で、成人してからもずうっと仕事で。
でも唯一の楽しみが前までやってた、RPGゲームだったな。
なんか、魔法使ってレベル上げしてって楽しかったな。
…あれ、エミリー?
確かそのゲームにも物語の中盤、カントリー王国の貴族の一人娘でそれはもう可愛がられていた…。
「エミリー・ガーデン」という名前のキャラクターがいた気がする。
カントリー王国って可笑しな名前で憶えてたんだ。
エミリー・ガーデンはものすごい美人なんだけど、親の金で遊びまくっていた、悪役令嬢だった。
エミリー…まあ、名前が同じだけで私は違うか。
数日後…。
ヤバい。ヤバいわ。
私はこの「エミリー」についていろいろ知ったが、これはあの「エミリー・ガーデン」ではないか!?
何度鏡を見ても、うろ覚えだがエミリー・ガーデンの顔だ。
金色の髪に、青い深い海のような目。スタイルも良し。確かに美人だわ。
この王国はカントリー王国だし、つい最近新たな勇者が召喚された。って聞いたぞ!?
たしか、エミリー・ガーデンはゲームでは、最後には勇者たちに今までの罪がばれて…。
死刑か断罪で国外追放だったっけ。
エンドによって違った気がする。
どちらにしても最悪!とてつもなくヤバいわ!どうすれば…。
そもそも、エミリーのこの性格が悪いのよね!それを直せば…。
いや、でももし今までの行いで断罪されるようになったら…。
どんどん悪い妄想が頭に浮かんでくる。
あ、そうだ。国一番強くなって、これから善い行いをすれば断罪も避けられるんじゃないか。
じゃあ、強くなるためにはまずは魔法ね。魔法家庭教師っていうのがいたわね。
と、いうことでお父様に頼んでみよう。
自分の部屋からでて、階段を下り、お父様の部屋を訪ねた。
お父様にすぐさまお願いしてみる。
「お父様!私、魔法が使えるようになりたいの!」
「おお、エミリー。そうかい、それなら魔法の家庭教師を雇ってやろう。」
お父様は執事を呼んで、何やら伝えると執事は部屋から出て行った。
2日後、予定通り家庭教師が来た。
「こんにちは。本日からエミリーちゃんの家庭教師をさせていただきます。アリアでございます。」
その人は、女性で髪の色は栗色のストレート。
目の色が月のようにきれいな黄色、お肌もつやがあり、彼女こそまさに美人というのだろう。
ついつい見惚れてしまったが、私も
「よろしくお願いします。」
と、あわてて一礼して最初は魔法訓練だというので庭へご案内した。
「では、魔法のお勉強からしましょうか。エミリーちゃんはどの魔法が得意なの?」
「ええっと、すいません。魔法を使ったことがなくて、どうすれば…。」
アリアさんは少し驚いた顔をした。あたりまえだ。
大半の人は10歳くらいで魔法を使うようになるのだから。
「では、いろんな魔法を試してみて自分に合った魔法を探しましょう。」
と、手を組みアリアさんは素敵な笑みを浮かべる。
「まずは、火の魔法から。頭の中で自分が火の魔法をだしているところを想像してください。そしてファイアと、唱えるのです。」
言われた通り、頭の中で火の粉をだしている自分を思い浮かべ、
「ファイア」
と、呪文を唱えた。
ところが、どうしたことか。
エミリーの手からは小さな小さな火の玉がでて、よろよろ動きながら、ポフンと消えてしまった。
「え…。」
もっと、こう魔法ってすごいものじゃないの?
それから、いろいろな属性の魔法を試したが、どれもしょぼいのしかでなかった。
半ば、放心状態だった。あれー?おかしいなー?
「ど、どうやらエミリーちゃんは、あんまり魔法が得意じゃないみたいですね。」
アリアさんも驚いたようになってる。声が。
「じゃ、じゃあ次は魔法学のお勉強でもしましょうか。」
私の部屋でやることになり、アリアさんはバッグから「入門魔法学」と、書いてある本を取り出し、
「では、これの1ページ目を解いてみましょう。」
その本を机の上に置いて、最初のページを開いた。ペンをもって、問題文を読み始める。
「………」
や、やばい。何もわからない!問一の(1)からわからない!!
ってか、この国の文字もわからない…。文字もわからないってある?エミリー?
ほかの問題もやってみるが、一問もわからないのだ。
もしかして、エミリーってずっと甘やかされてるから勉強もしたことないの!?
そして、文字からアリアさんに教えてもらい、なんとかわかるようになった。
その日の夜、今日やったことをノートにまとめて気づいたが
もしかして…エミリーって全体的なステータスがとても低いんじゃないの!?
今回は第一話なので少し長めの内容になっています。第二話からは、これより内容が少なくなると思います。