こんな俺でも異世界転生!?
「はぁ…結局今日も受からなかった…」
俺の名前は神谷 新吾見ての通り就活にまた失敗した。今日で何社目だろうか…。
もう人生が嫌になってきた頃だ。俺には取り柄なんてものもない、あるとすれば飯をたくさん食えるというだけだ。だが、そんなものでは会社は採用なんかしてくれない。
そんな俺に転機が訪れた、『新人歓迎‼︎即採用‼︎』という見るからに怪しいチラシが目に入った。俺にはもうこれしかない、そう思い早速電話をかけた。出たのは子供っぽい声の女性?だった
「はいー、チラシを見てくれた方ですかー?」
「はい、そうですけど…」
「長い説明は省かせていただきますねーでは早速始めさせていただきます。」
そういうと周りが急に光り輝きだしか。
「え?!ちょっとまっ…」
俺の声を遮るように
「いってらっしゃーい」という声が聞こえた。
目が覚めたころには俺は見知らぬ土地にいた。周りには木々があり、見たこともない植物もたくさんあった。
「こ、ここは…」
俺は似たようなパターンを知っている。就活が上手くいかずに一度だけ現実逃避し異世界転生もののゲームをしたことがある。そのゲームも同じようなかんじで無理矢理連れていかれるやつだ。
「…まさか、本当に異世界に来ちまったのか?」
俺は辺りを見渡した。
「何もない…。移動しないと始まらないか」
俺は持ち物確認を済ませ移動を始めた。持ち物は来ていた服装と、500mlのお茶、電話した時のスマホはなぜか消えていた…
「…腹が減った!!」
ていうか、スキルとかあんだろ!異世界ならと心の中で叫んだと同時に目の前に文字が浮かんだ
レベル1
[ステータス]攻撃力 18 素早さ 13 防御力 10 魔力 34
[スキル]魔物喰らい 能力吸収 鑑定
[称号]異世界からの訪問者 暴食
なにこれステータスはいいとして何このスキル…いや、前の世界の得意分野で選ばれるの?スキルって…
魔物喰らいか…
ということはこの世界には魔物が出てくるという…丸腰じゃダメだな、そこら辺の木の棒でもないよりはマシだろ。
俺は鑑定でとりあえず周りの植物を鑑定してみた。
「鑑定」
【グリーンウッド】見た目とは裏腹にその樹皮は食用とされている。また魔力が含まれているため魔力回復にも使われる。
まじか一発目から食べれる木ときた。食べるしかあるまい。
「まずい…」
だがステータスを見ると魔力が5増えていた。最悪な腹ごしらえを終え俺は歩みを進めた。
しばらく歩いたあとある物を見つけた。そう魔物だ…誰でも聞いたことぐらいはあるだろう、スライムだ…。
「鑑定」
【スライム】どこにでも生息しており比較的弱い部類の魔物だが、ゼリーのような感触で魔法以外ではダメージを与えることができない
え、俺魔法持ってないけどどうしたらいいの?
「喰うか…」いやでも魔物だよ?魔物でも食って腹壊したら…つべこべ言ってられないか
「魔物喰らい!」…あれ?発動しない?口に出したら発動するんじゃないの?目の前でスライムは揺れ続けている。
「普通に食べてみるしかなさそうだな」俺はスライムに近づき口に含んだ食感はゼリーのようだが味がない。
「!?」頭の中になにかが流れ込んでいく!その途端頭の中に文字が浮かんだ。
【物理攻撃無効】絶対やばいスキルを手に入れた気がする。というかスキルって頭の中に浮かべるだけでいいのね…さっきまで口に出して言ってたのが恥ずかしい…
移動するしかないよね、考えてても仕方ない。
「人の声がする!」俺は足早に声のする方へ向かった。そこには赤髪の少女と白髪の少女がいた。どうやらオオカミ?ぽい魔物と戦っていた。
俺はさっそうと登場し助けに入ったが、オオカミらしき魔物に立て続けに噛まれまくったが不思議と痛みがない。あー【物理攻撃無効】か…ん?じゃあ
「楽勝!」俺は次々と魔物を倒していった。後ろの少女たちを気にもせず俺はそのオオカミ型の魔物に貪りついた。後々死骸を鑑定したら【ハンティングウルフ】という魔物だった。
「変な人がオオカミ食べてる…」
「あ、あのー… 」
「ん?」俺は今更気がついた。突然現れて魔物を目の前で食っているのだそりゃそんな反応されてもおかしくない。
「いや…だ、大丈夫だった?」
「え、あ、はいありがとうございました」
「あの、お名前は?」
「俺の名前は神谷 新吾、俺も聞いていいかな?」
「はい、私はエリア・クロードこっちはアリス・リッツパーグです」
どうやら赤髪の子はエリア、白髪の子はアリスというらしい。アリスは人見知りなのかなエリアの後ろに隠れて出てこない。
「えっとシンゴさんはなんで魔物を食べてたんですか?」
「俺は魔物を食べることでそいつのスキルを手に入れられるんだよね」
「え?!」なんか、すごい驚かれてる…
「食べて大丈夫なんですか?」
「え、うん大丈夫だけど…」色々話を聞いていると、普通は魔物は食べないらしくこの世界には五つの国があり一番近い国はアランス国という国らしくそこから二人はきたらしい。
「あの、よければ一緒に来ますか?」
「ほんと?!すごくありがたいよ!」その夜はあった場所で野宿した。あのオオカミからとれたスキルは【移動速度上昇】 【瞬歩】、瞬歩は瞬時に相手との間合いを詰めるスキルらしい。
ふぅ、色々ありすぎて疲れた…目を閉じたらすぐに寝てしまった。もちろん夜にいかがわしいことはあるはずもなかったのであった。
朝起きた頃にはもうエリア達は出発の準備をしていた。俺はアランス国に行ったらとりあえずギルドというとこに行って冒険者登録した方がいいらしい。冒険者になるとなにかといいらしい。
「あの…冒険者登録出来たらパーティを組んでくれませんか?」
まさかの早速パーティに誘われてしまった。
「シンゴでいいよ、敬語も使わなくて、うん俺もパーティはありがたい」
「ありがとうございます!」
それから歩いているとエリアが急に足を止めた。
「どうしたの?」
「魔物です。」
俺には見えないどうやらエリアは【探知】というスキルを持っているようだ。結構大型の魔物らしい。
「すごいスピードで近づいてきます!」
俺たちは咄嗟に避けたが、「は?」「え?!」出てきたのは3メートルはあるもしくはそれ以上のクマ…なのか?
【ブラックハイベアー】
うん、一応クマらしい。鼻とかどっちかというと豚に近い気がするんだけど…というか二人の反応を見る限り絶対やばい魔物なのは確かだ。
「アリス狙い?!」すぐにアリスの前に立ちクマの一撃を防いだが痛みはなくどうやら牙が食い込んだらしいが血も出ていない。
「エリア!」
エリアが火球を打ってきた。クマは火球にあたり少しひいた。俺はアリスが回復魔法をしてくれたのだが、意味はあまりない。
【瞬歩】を発動させハイベアーを一発殴った…。あれ?倒れてるんだけど、一発で倒しちゃったよ?これ大丈夫?とりあえず喰う…か…。
ハイベアーから手に入れたスキルは、【豪腕】だけだったどうやらハイベアーからはこのスキルしか取れないと感覚的にわかった。ということは他の魔物は食べ続ければ他のスキルも手に入るのか?
「強いんですね!シンゴさん」
「いやー、まあね…」
いや、これは俺が強いのか?いやあのクマ弱くなかったか?ステータスを確認してみよう…。
レベル100
[ステータス]攻撃力 216 素早さ 150 防御力 測定不能 魔力 123
[スキル]魔物喰らい 能力吸収 鑑定 物理攻撃無効 移動速度上昇 瞬歩 豪腕
[称号]異世界からの訪問者 暴食 神の加護
なんかやばそうな称号ある~~。てか、なんだよ防御力測定不能って・・・あっ、その瞬間スキルを思い出した。物理攻撃無効かぁ・・・というか称号って鑑定できるのかな、試してみるか
【神の加護】
人間が知りうる神の加護 レベル上限がなくなり、ステータス上限もなくなる。なお経験値入手率上昇する。
はいもう、チート確定!なんでこんな序盤からチート手に入れてしまうかな・・・てかこの状況に慣れてしまっている自分が怖い。