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嫌売屋  作者: 梨野 つぶて
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case.1 大久保 真由美[01]

ひょんな事から俺は椎名という男の下で働く事になった。


椎名の事務所に誘われた日、俺は美人社員さんに淹れてもらったお茶を飲み、そのまま帰宅した。


正確にはお茶を飲みながら他愛もない世間話をし、椎名から簡単に事務所の説明をうけたのだが。


現在、事務所で働く人間は四人。


所長の“椎名雅彦(しいなまさひこ)


美人社員の“白石莉緒(しらいしりお)


男性社員の“小島智(こじまさとし)


もう一人はその場に不在だったが、

高梨悠里(たかなしゆうり)”という女性社員が在籍しているそうだ。


そこに俺が加わる形になる。


肝心の仕事内容だが、説明をうけたにもかかわらずいまいち理解が追い付いていない。いや、俺だけでなく誰が聞いても疑問を持つはずだ…


“人に嫌われること”が仕事なんて。


数日前の記憶を思い起こしている内に事務所へ到着した。


「おはようございます。」

あいさつをして中に入ると、部屋の中央に立っていた女性が振り返った。


ふくよかで丸みを帯びた輪郭、それに添うように丸くカットされ肩に付くぐらいの長さに落ち着いている太くて艶のある髪。前髪は真ん中分けで、そこから覗く顔は若干濃い目の化粧が施されているが、その中年の女性にとても良く馴染んでいる。


彼女がもう一人の女性社員、高梨悠里だろうか?


「おはようございます。本日からここで働かせて頂きます、日向夏樹です。よろしくお願い致します。」40代と思しき品のある女性を前にあいさつも固くなる。


「あら、新人さんなのね。ご丁寧にありがとうございます。」


「私、仕事の依頼をしたくて伺いました大久保と申します。」


依頼人だったのか。それにしてもこの事務所はどうなっているんだ?9時から始業だと説明をうけたのに、まだ、誰一人出社していないなんて。すでに、時計の針は8時50分を指していた。

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